「憎しみの連鎖の中で」
「高麗茶碗」三井記念美術館(東京・日本橋)
言論の自由とやらを声高に主張し、
アートを弄び、自らの陰険な政治的企みに使用するヤツらは、
逆に憎しみの連鎖に加担していることなど想像すらしない。
都心の小さな美術館で開催されているこの展示会はアートの本質を突いている。
アートとは本来、言語・人種をいとも容易く超越してくる。
美の前で人は平等なのだ、と。
かつて我が国は彼の国の芸術に対し深い尊敬の念を抱いていたのが嫌でも思い知らされる。
しかしそれは心地よいものであり、
芸術侵略とは本来歓迎すべきものだ。
そして静かにそれを受け継ぎ、熱心に鑑賞している人は想像以上に多い。
ここに私は保守主義の良心を感じた。