※ これから書く事は、あくまでも1人のブロガーとして、著作権をどのように考えるべきか?についてです。
私は法律の専門家ではありませんが、著作権について思い切り運営せざるを得ない立場の者なので、
無関心ではいられないため、ブログユーザーとしての著作権の扱い方を書いてみたいと思います。
著作権について、ブロガーとして気になる点はおおよそ以下の5つになるかと思います。
・小説などの一部分を引用しても大丈夫なのか?
・音楽をユーチューブでリンクさせても大丈夫なのか?
・自分のブログ記事を勝手に転載されているがコレはダメなのではないか?
・写真をネット上から拾って来てアップするのは大丈夫なのか?
・自分の書いた記事が著作権法違反だと言われ誹謗中傷や削除要求が来ているけど従うべきなのか?
さて最近、自分の職業を通じて感じていることは、
「著作権について勘違いしている人が多い」と言う事実があります。
私の職業は著作権と密接に関連しているので、
非常にデリケートに扱わなくてはいけないからです。
しかしながら著作権の問題は非常に難しいのです。
法律としては厳格に定められているのですが、
その運用については曖昧な点や判例もあり、
また自分が属している業界によっても慣行としての運用に違いがあるので、
大変厄介な状況になっています。
さらに厄介なことに著作権や登録商標、肖像権などを混同している人も多く感じています。
そして著作権について無知な人ほど非常に大胆な行動をしがちです。
大変恐い事に、著作権とは憲法(最高法規)で謳っている表現の自由に直結しているため、
扱い方次第では、簡単に刑事事件に発展してしまいます。
脅迫罪や強要罪などです。
また、著作権絡みでの名誉棄損などの刑事事件も起こってしまいます。
さて、そもそも著作権とは何なのか???
明確に定義を語れる人は案外少ないと思っております。
ブロガーなら一度は条文を読んでおくべきかと思います。
著作権とは、文字、映像、絵画、写真、音楽、建築、コンピュータプログラム等々により作られた、
「作品」に対して生じる権利です。
著作者を保護するために作られた法律です。
著作権の有効期間は著作者の生存期間中及び死後50年(もっと長く適用している国もある)で、
著作者本人にしか適用されません(遺産として相続することは出来ない)。
しかし、周囲には完全に勘違いした挙句、
恐ろしい事に著作権侵害を色々な局面において堂々と行なってくる者がいる事実があります。
著作権とは、先ほども述べましたように、
実は憲法で謳われている表現の自由と密接に関連しているため、
想像以上に簡単に刑事事件になります。
例えば、自分にとって気にくわない作品があったとします。
政治的な著作や映画の世界ではよくある話です。
こんな本や映画なんか発売禁止・上映禁止になればいい、と。
発売禁止になればいいと思うのは自由なのですが、
ここで本当に出版社や映画会社、作者・監督等に抗議をする人が結構多くいます。
もし、本当に抗議した場合、その抗議がもちろん正当な内容であるのなら問題ありません。
正当な内容とはその作品が明らかに法律に違反しているケースです。
しかし、そのようなケースはほとんどの場合においてありません。
むしろ、その時に迂闊に感情的になり、過激な表現をしたら脅迫罪や強要罪がアッと言う間に成立します。
つまり刑事事件が成立して下手をすると簡単に逮捕されてしまいます。
非常に恐い問題であると思っておくべきです。
逆に、著作権を軽視して簡単にコピーしてしまう人もいます。
あるいは、ブログなどの記事を見て、これは有名な小説のコピーではないか?と思い、
激しい抗議を入れてしまうケースもあります。
では先ず最初の問題から見て行きます。
・小説などの一部分を引用しても大丈夫なのか?
これは全く問題ありません。
「著作権法では引用は認められています」
しかも、いちいち作者の了解を求める必要すらないのです。
出典さえ明記していれば何ら問題はないのです。
ではどこまでが引用なのか?については実は問題があります。
マンガ作品などをそのまま掲載した場合については文字だけではなく、
絵もありますから、それによって問題が生じるケースもあります。
問題とはほとんどの場合においては、
著作権と言うよりは「名誉棄損」で訴えられるケースがあるように感じてます。
世の中には引用して激しく誹謗中傷をする人が結構います。
正当な批判なら良いのですが、相手の人格まで踏み込んだ誹謗中傷をした場合、
これは著作権と言うよりは名誉棄損の問題になって行きます。
引用しての迂闊な批判は余程の事が無い限り、
一般のブロガーならしない方が賢明です。
まとめますと、引用は出典を明記する限り、
自分の作品(この場合はブログ記事)の中で数行程度を抜き出す事は正当な権利として認められています。
いちいち原作者の了解を求める必要もありません。
ここで別の実例を挙げておきます。
受験や教育の世界においては、作者の許可なしに問題文を作成したり、
教科書に載せる事が認められています。
しかし近年、これに異を唱えた著作者が出て来たのです。
この作者1人のために受験業界は大変な騒ぎになってしまいました。
問題文としても出題しない方が良いだろう、と言う判断になってしまったのです。
一時期、これからの受験問題は「著作権の切れた作者が死亡後50年以上昔の作品しか出なくなる」と、
まことしやかに噂されていたほどです。
これは間違いなく、著作権の濫用をした著作者の問題行動と言えます。
受験や教科書業界に与えた教育的影響は非常に大きかったと私は思っています。
次に音楽をユーチューブと「リンク」させても問題ないのか?になります。
これは取り敢えず今のところ問題はない、が結論です。
何故なら、ここで生じる著作権の問題とはユーチューブにアップさせた人と著作者の問題となるからです。
ネットに公開されている以上、それを閲覧するのは自由です。
あ、こんな動画があった、とブログにリンクさせても、
現時点では問題は生じません。
もっとも、現在は著作権の適用が厳しくなっていますので、
ユーチューブにアップされている音楽関連の動画はどんどん消去されています。
つまり、ブログ記事上でリンクさせても、
著作権の問題により、ユーチューブ側でどんどん消されていますから、
リンクについては取り敢えず問題はないのです。
とは言え、厳密に言うと、違法であるのを知りながらダウンロードした場合は著作権法に触れると解釈されているようです。
上記の音楽の問題は現時点でも色々と解釈が分かれていて、
今後はどうなるか分かりません。
リンクさせても取り敢えずは大丈夫、とはYahoo!ブログのスタッフさんと直接話し合った時に得た、
今年の春くらいの時期の解釈です。
今後の動向には十分な注意をして下さい。
次に自分のブログ記事を勝手に転載されているがコレはダメなのではないか?
はい、ダメです。
転載可の設定にしていたら逆に全然OKなのですが、
転載不可の設定にしているにも関わらず、
勝手に記事を転載されていたらコレは完全に著作権に違反しています。
これには実例があります。
以前「東京ディズニーランドであった~な話」と言うようなタイトルの本が出版されました。
これは大変な話題となり、とても良く売れていたのです。
ところが。
この本は完全な盗作である事が判明したのです。
あるブログ記事をほとんどそのままコピーして本にしていたのです。
この時は裁判になる以前に、出版社が非に気付いて、
即座に出版停止、自主回収をし始め、
改めて著者と出版社の間で訴訟問題に発展したようです。
出版社はこういう場合、善意の第三者と言う立場になります。
(知っていてやったら共犯ですが)
この時はそのブログと本の内容を見比べたのですが、
よくもまあ、ここまでコピペしてヤったな、が感想でした。
本当に酷い盗作でした。
自分の書いたブログ記事には立派に著作権があります。
逆の意味も成り立ちますから要注意です。
記事をそのままコピーして勝手に掲載するのは立派な法律違反になりますから大変な注意が必要です。
もちろん、先ほども書きましたように、引用は認められています。
とは言え、勝手な引用と解釈はブロガー同士なら止めておいた方が無難であると思います。
大抵の場合は誹謗中傷と言う別問題に発展して行く可能性があるので、
健全なブログ運営をして行きたいと思う人は、やるべきではないと感じています。
意見について異論があるのなら引用や転載ではなく、一般論としてやるべきでしょう。
続いて写真についてです。
写真にも当然、著作権が認められていますし、
しかも文章と違って一発で分かるため、問題が発覚した時は一気に大問題となります。
当然、撮った人に著作権があります。
一見すると分からないような似たような写真でも、問題になったら非常に恐いのです。
ではここでも実例を挙げておきます。
私は天体観測を趣味とする者です。
天体写真が大好きで自分でもよく撮影しています。
とは言え、横浜と言う圧倒的なハンディキャップ(光害)がありますから、
そうそうは頻繁に撮れないのが悔しいですが。(苦笑)
さて、月刊の天文誌があります。
かなり昔、高校生の凄腕の少年が天文誌の読者投稿写真に掲載されました。
これは皆がプロ級の腕を持つ人達の中での掲載なので大変な話題になりました。
しかしバッシングもあり、色々と妙な問題が続いていました。
大人になったその人物は相変わらず天体写真を続けていたのですが、
実はこの人物、写真の盗用を続けていたのが判明してしまったのです。
一見すると似たような天体写真ですが、プロがきちんと鑑識したら分かります。
この人物はとうとう天体写真界を実質上追放されてしまったようです。
それほど盗作や盗用は厳しい世界なのです。
現在はデジタル写真がほとんどですが、
勝手に他人の写真を使用した場合は思わぬ問題が巻き起こりますから、
他人の写真を使用する場合は必ず著作権フリーのサイトからもらって使うべきでしょう。
他人のサイトからの勝手な借用は絶対にダメです。
さて、ここで問題が起きます。
私のケースに当てはめて考えてみます。
私は美術関連の記事も多数書いております。
この時は、絵画の写真があった方が圧倒的に分かり易いので、
出来るだけ絵画の写真を掲載した上で書くようにしています。
この場合、著作権はどうなるのでしょうか???
非常に微妙な問題であると私は思っています。
少なくとも、私は「絵画の写真」であっても、
他人のブログ記事からの勝手な借用はしていません。
絵画のタイトルを英語で調べて(展示会で販売している図録には掲載されている)、
必ず外国のサイトで公的に出ているものを使用するようにしています。
特に日本国内のサイトにあるのは公的なモノ以外は絶対に使用しないようにしています。
これは微妙な問題であると思っています。
海外の美術館は撮影可のところも多いし、
そういう美術館の作品写真は当然多くネット上に出回っています。
私の場合はこのように、美術館の記事を書く場合でも相当気を遣っているつもりです。
これでも時折大丈夫かな?と思う事があります。
最後に、自分の書いた記事が著作権法違反だと言われ誹謗中傷や削除要求が来ているけど従うべきなのか?について書きます。
著作権法違反かどうかを判断して訴えることが出来るのは著作者自身と、死後50年以内なら遺族と、版権を持つ出版社や映画会社などだけです。
つまり当事者だけです。
それ以外の人が文句を言って来ても完全なお門違いと言うやつです。
また、この種の文句を言って来る人は「作品」か「引用」かどうかすらも分かっていないケースが多々あります。
ちなみに単純な2つくらいの言葉の組み合わせをもってして著作権が成立していると思ったら大間違いです。
たとえば「だめよ~だめだめ」とか「24時間働けますか」と言うような、
秀逸なキャッチコピーとか、お笑いの言葉があります。
これらは「1つの映像作品の中で使用されている言葉」に過ぎないため、
こういう言葉1つ1つに著作権が成立して著作権使用料を払わないといけない、
などと言う事は決してありません。
そんな事を認めたら日常生活が成り立たなくなります。
著作権とはあくまでも「作品」に対して成り立つものと解釈すべきです。
ちなみに余談ですが、著作権を管理している団体が「鼻歌を歌っても著作権使用料が発生する」と発言して、
大問題になっています。
これほど著作権の問題は厄介なのです。
文句を言う方も言われる方も恐い問題だと認識しておくべきです。
色々とここまで書いて来ましたが、
これは最初に述べましたように、あくまでも私が今まで著作権を扱って来た体験に依拠しています。
別の業界に所属している人や、法律の専門家の方が読んだら、
間違いがあるかも知れません。
その場合は失礼申し上げますが、あくまでも1つの考え方として下さい。
著作権については現在も解釈が微妙な点が多々あります。
その事実だけは疑いようがありません。
注意してブログの運営をして下さいませ。
終わり