
1865年 154×99.5cm 油彩・カンヴァス
オルセー美術館(パリ)収蔵作品
初めてモローの作品を観たのは何年か前に国立新美術館で開催された、
「オルセー美術館展」だった。
この展示会は改修工事に入ったオルセー美術館のため、
信じられない大作が世界に貸し出された。
時のフランス大統領サルコジにして、
「もうこれらのフランスの至宝が国外に出る事は無いだろう」
と言わせしめるほどに。
展示会において、私の場合はゴッホのマスターピースにヤられてしまって、
今までこのモローの感動を書くのを忘れていた。
国立西洋美術館にも小さなモロー作品があってなかなかに興味深い。
しかし、大作ではないため迫力に欠ける。
とは言え、象徴的、暗示的、古典的な作品である印象を持った。
けれども今回挙げた「オルフェウス」は、
かなり大きな作品で、写実的な描写は近くで鑑賞すると圧倒される。
特に、女性の左膝の辺りは緑色の輝きを放って来る。
この緑色の輝きはフェルメールやレンブラントのソレとは異質で、
印象派のモネともまるで違う。
何とも言えない不思議な印象を持ってしまう。
作品にも古典的な解釈の必要性や隠喩も感じる。
オルセー美術館にあるこの作品はやはりモローのマスターピースであるかと。
本当にオルセー美術館と言う存在は美術に興味がある者にとって、
信じられない場所と思える。
現在、パナソニック電工汐留ミュージアムで「ルオーとモロー」展が開催されている。
早く行かないと・・・・・
久しぶりにモロー作品が観たい。
終わり