「餃子と地ビール いち」(横浜・センター南)
この前の浦賀の唐揚げ屋さんに続き、
今回も娘のお勧めで横浜市都筑区のセンター南にある、
「餃子と地ビール いち」さんにやって来た。
非常に強く深く考えさせられたので、
それを踏まえて色々書いて行きたい。
実はそもそも私達日本人の酒の飲み方、
あるいは好む酒には非常に大きな特徴があり、
大抵の日本人の酒飲みはそれを意識しないまま一生を過ごして行く。
だが、稀にヨーロッパと深い関わりが出来た者は、
日本人が顕著に持っている特徴を知り、
それについては賛否両論別れて行く。
特に「ビール」において非常に強く表れている現象だ。
日本人は「とりビー」なる言葉で有名なように、
かなりのビール好きだ。
まあ、これは世界各国同じだろうが。(笑)
さて、私達日本人にはある特徴があり、
それは日本車や酒、食事、性格他、人生そのものまで、
見事にそうなっている面白い傾向がある。
それは例えて言うなら「均質」「平均点が高い」「無個性」「隙がない」と言った感覚になる。
目立つ者を許さない風潮と言ってもいい。
自動車で例えると非常に分かり易い。
全てがオールマイティに優秀なのだが、
個性が無く違いが分かり難い。
これに尽きる。
実はこの感覚が酒にも見事にある。
私が周囲を眺めている限りにおいて、
ほとんどの酒飲みでビール好きは、
日本の大手メーカーのビールについてアレコレ言う。
具体的に言うと、
キリン、サントリー、アサヒ、サッポロだ。
この4メーカーにヱビスや、場合によるとオリオンを加えて、
やれ私はキリンの〇×だ、サントリーの△□だと、
派閥を作って喧々諤々と議論をしている。(笑)
だが、実は日本の大手のビールには大きな特徴がある。
それが物凄く美味しいけど違いが分からない、だ。
とは言え、それがつまらないのを意味しない所が非常に厄介なのである。
およそビールの持つ評価基準の全てにおいて超高得点を出して来る感覚。
以前、テレビ番組で目隠ししてビールの飲み比べをドイツでやっていた。
その時に用意されたのは、
ドイツでその年に優勝したドイツビールと、
サントリープレミアムモルツだったのである。
審査員は専門家も数人いたビール好きのドイツ人7人だった。
私は唸り、こう予想した。
これ、かなりいい勝負になるのでは?、と。
おそらくドイツビールが勝つだろうが、
その差は極めて僅差になるだろうな、と。
やはり4:3でドイツが勝ったが、
サントリープレミアムモルツの良さを理解するドイツ人が半分近くいたのが面白かった。
もちろん7人と言う少数なので、
これで判断するのは早計ではあるが、
少なくともサントリープレミアムモルツが持っているポテンシャルは分かるかと。
麦芽とホップだけで作る、
いわゆるモルツビール発展の元祖であるプレミアムモルツ。
それまではヱビスビールくらいしか、
麦芽とホップのみを売りにしているビールはなかった。
これはマンガ「美味しんぼ」でも昔大騒ぎしていたが、
日本のビールは実は麦芽とホップ以外に様々な混ぜ物をしているケースが多い。
これは今でも全く変わっていない。
また日本人の真面目な性格があり、
全ての項目で満点を目指して来る。
120点は取れないが、98点を全ての項目で取って来る。
これが日本の大手メーカーのビールの特徴だ。
だから余りのバランスの良さのため没個性に見えてしまうのである。
この感覚を半分くらいのドイツ人は理解した訳だ。
ドイツビールにはクセがある。
そこをどう考えるのかなのだが。
ではここで、日本の非大手メーカーはどうなのか?と言う疑問がある。
それが昨夜の「地ビール」だった。
正直、全く知らない日本の地ビール3種を飲んでみたのであるが。
「驚くほどの個性的な味」に驚愕した。
それぞれがかなり強い個性を持ち、
強烈な印象を飲み手に与えて来る。
日本の大手メーカーに慣れているとかなり驚くと思う。
そして肴は餃子。
ビールにこれほど合う物はそうはあるまい。(笑)
餃子も個性的で、
「入店餃子(お通し)」なるオーソドックスな物と、
「シソ餃子」「ニンニク餃子」「麻婆餃子」「水餃子」を食べたが、
どれもこれも非常に美味しく、ビールが進む進む。
娘は仕上げに沖縄の塩を使ったアイスを食べていたが、
一口もらったら、凄く安定的ないい味を出していた。
こちらのお店、実に面白いと思う。
餃子と地ビールとは極めて個性的な感覚を突いて来ている。
個別に解説して行く。
ファーイーストアイピーエーは非常にフルーティーに感じた。
芳醇な、と表現すべきか、と言うくらいの。
ゆずラガーは、いや、これ、本当に柚子を感じた。
柚子好きには堪らないと思う。
まさかのビールで柚子を感じるとは。
個人的に特に気に入ったのは、
常陸野ネストホワイトエール。
非常に飲み易い。
ある意味、日本の大手メーカー的な要素がありながらも、
説明が難しい強い個性がある。
面白いのは、どれを飲もうが餃子には合うと言う、
決定的に大切なものがある。
ビールは炭酸があり、繊細な肴ではその美味さは成立しない。
その点、餃子は非常に強い食べ物なので、
ビールに負けない。
そしてまた、勝たない。
この絶妙なバランスこそが、
酒と肴の根本的な関係かと。
餃子と地ビール。
これは日本の酒飲みに衝撃を与える危険なものがあるかと。
つい最近、血糖値が高いのが分かり、
自重していたが、追加でビールもう1杯と水餃子を注文したほど。
お陰でメチャクチャお腹いっぱいになり、
フラフラに酔っ払った。(笑)
実にいい感じの完璧なお店だった。
危ない、危ない。(爆)