仮にこのような問題が複数出てくることで問題によってはコンプライアンス委員会やハラスメント委員会など複数の担当委員会にまたがる問題となる可能性がある事から、解決までに時間がかかる可能性や“多様性”や“個性”という現代特有のポイントとの兼ね合いがかなり難しくなることで企業全体の労働衛生風紀が乱れるということは避けなくてはいけないのだが、これらの問題を解決しないとこれらの判断基準にも影響が出てくるという可能性もあるのだ。

 

 これは日本だけではない問題である事から“企業におけるヒューマンリソース”は国際的な課題として挙げられるという事も考えられるのだ。

 

 しかし、日本と海外で大きく違うのは“育成方針”と“選択肢の幅”だ。

 

 なぜなら、日本の場合は“即戦力”や“優秀人材”といった企業が人材に対して時間を使って育成するという価値観はあまりなく、短期間で戦力になって欲しいという価値観が先行している。

 

 そのため、短期間で芽が出る人材は採用する傾向にあるが、時間をかけて育てなくてはいけない人材は企業側に余裕がある状態でないと採用に踏み切ることはかなり難しいという事になる。

 

 このような状況が生まれる背景にあるのは“企業心理”というよりも“社会心理”といったほうが良いかもしれない。

 

 現在の日本において企業間の競争はますます激しくなっていっているのだが、これらの競争の激化に参加できる人材が限られている事やこれらの条件に合う人材だけに高い賃金を支払うことで企業の生産性を高めようとするのだが、この事が正しく理解されている組織である場合は競争に対する“意味”や“戦略”がきちんと共有出来ているなら目の前の競争に勝つという事は可能なのだが、問題はこのような競争が社会で定常化する事により、社会における経済バランスが崩壊し、意味や戦略が十分に理解出来たとしても想定外の事態に陥った場合に企業が求める人材を採用出来るか、企業の上位社員の流出を阻止できるかなど企業が存続をかけた競争を繰り広げる上で問題や課題が出てきたときにどのように対応していくのかを考えなくてはいけないのだが、実際にこの状況を体験・経験している人が社内にいるといないとではかなり大きな差として現れてくることになるのだ。

 

 私はこのような状況になることは社会の変化を意味しているのだが、これまでの捉え方が社内において求められる捉え方と乖離するという事も考えられることから、無意識のうちにハラスメントが発生する可能性や賃金格差による個人のモチベーションの低下などが発生する可能性があり、この事が社内にも悪影響を及ぼすことで立て直しを迫られる事も想定しておかなくてはいけない。