特にグループ会社の場合は企業ごとに業務内容や月額の給与が異なっている事も多いため、これらの賃金格差や待遇格差が適正賃金および適正待遇である事をきちんと審査することや企業の利益に対して適正な賃金額を算出することで社員間の不平等感や企業間の対立を回避することになるため、労働環境が活性化するだけでなく、ストレスがかからなくなることでプラスの面が増えていくことになる。

 

 しかしながら、この方法を進めるためには企業側の協力や必要データの収集と分析に時間がかかる可能性がある事やこれらのデータが個人情報保護法やプライバシー保護法の適用対象情報である事から第三者が情報を取得するためには全社員から同意や賠償発生時の損害賠償協定を結ばなくてはいけないなど取得する側が法的配慮や法的手続きを適正賃金の算出を進めるためには企業ごとの利益率に差が出ることが予想されるため、親会社の収支で判断をするか、子会社の連結収支で判断するかが難しく、勤続年数や勤務実績など考慮が必要な評価項目における評価基準が高くなる可能性やこれらの算定額が実算出額との金額差が大きくなる可能性もあるため、企業ごとの適正賃金の支払いが難しくなる可能性もあり、この部分の経済的観点と労働区分による労働相対評価が労働人口の悪化や就労傾向の著しい偏向化を招いてしまう可能性がある。

 

 実際に労働人口も減っているが、実労働人口も8割から9割前後と安定的に高水準を維持しているが、業種や職種別に細かく見ていくと見ていくとある業種は毎年おおむね90%を超えているが、ある業種は60%前後を推移している、ある業種は40%以下になっているなど業種や職種における人材確保の面で企業差が生じている部分も多く、これらの要因を分析してみると共通してみられたのが“賃金格差”と“相対賃金の不均衡”だった。

 

 これは企業の経営形態にもよるが、親会社に勤務している社員と子会社に勤務している社員でも異なってくる。

 

 例えば、親会社の社員は30万円もらえているが、子会社の社員は20万から25万円という少し低い設定をされていることも多く、このような小さな賃金格差が将来的な人材確保におけるボトルネックにつながるという事もこれまでの事例や労働状況を見てきたときに少なからず実数値に対して影響が出ているという事例が見えてくるのだ。

 

 特に同一グループの同系列企業における条件格差や待遇格差、給与格差などが大きくなる傾向がここ数年の給与データ等を見ると顕著になっているように感じることから、この部分も賃上げを進める際に注視する必要があると思う。

 

 その理由として、現在の日本における企業序列がこのような給与等に影響を与えることから、これらの序列が社内における企業間における立場の違いが顕著になっているということを経済産業省や厚生労働省がどのように認識をしているか、過剰な労働搾取や不当賃金で勤務評価や労働評価を行うことでこれらの評価に基づく相対賃金の不払いなど雇用する側よりも雇用される側の生活環境や生活水準が低下する可能性もあるのだ。