今日の会見でさまざまな提案が出てきたが、私自身はこれらの提案に対する付加価値を付けなくてはいけないように感じている。
 
給付金を配ることが重要なことであることは間違いないが、ただ配るのではなく、きちんと条件を精査をした上で給付額を決定し、その先の経済復活のために必要な支援やそこに必要な関係各所との協議などを行い、景気の改善を目指すことが重要になってくる。
 
しかし、もっと大事なのは雇用を建て直して失業してしまった人たち、仕事をしたいと思う人が再び職を手にすることが出来る。そして、所得を得ることが出来る→欲しいものを買えるというサイクルを構築し、そのような人たちに再び体感させることではないだろうか?現在の経済が回らないのも、働いている人が将来的な不安に直面した際に会社から支払われた給料は消費から貯蓄へと姿を変えてしまうことや今回のように生活必需品を買い占めてしまうなど消費という意味では一定の経済サイクルの一端を担うことは出来ている。しかし、短期的な経済指数の上昇に貢献しても長期的な経済の低迷になってしまっては意味がない。特に、このような状況下において正社員などは会社の経営状態にもよるが、ほとんど大きく影響を被ることはない。
 
では、今回の給付金の支給対象として考えているのはどのあたりまでなのだろうか?
 
私は”個人”でかつ”個人の経済状況”を判断基準として用いるべきだと考えている。なぜなら、この状況下でも失業せずに仕事を継続できている人と仕事を失ってしまって明日からの生活に困っている人、仕事をしたいと思っても出来ない人など生活に対するベクトルが一人一人異なっている現状を考えると無職などの求職者や失業者を優先的に支給対象とし、継続的な所得を得られている人に関しては下限と上限を設定し、それらの範囲内に収まらない人は時期をずらして支給することではどうだろうか?
 
私が示したこのサイクルを構築することが可能な段階まで引き上げなくては経済復活は見込めないだけでなく、実現すること自体が難しいだろう。特に、子どもが多い世帯や病気を患っている世帯など個々に事情は異なるが、一定の経済水準が確保出来ていない状況下においては暫定的であっても月単位での支援と地域の事情を考慮する必要があるように感じる。特に地方部においては職を失ってしまうと再就職までの期間が長期化する事や職種の制約を受けることになってしまい、所得の減少や支払いの遅延などの悪循環を生んでしまう。
 
私は上限50万~下限20万という個人に応じた段階的支給を目指すことが大事だと感じる。そこに例えば、パソコンなどの労働に必要な物品の購入資金などを追加支給し、備品購入後に購入した販売店から専用の窓口に購入証明書を送付するシステムを構築し、確実に欲しいものを手に入れられるようにすることも消費拡大を狙う上で重要な消費活動だろう。なぜなら、高額の備品に関してはなかなか購入することには勇気がいる。仮に給付金が振り込まれても生活費などと併用になるため、欲しいものを買うとしても全ての必要経費を差し引いて残金で考えなくてはいけない。すると、「今回は貯めておいて自分で給与所得を得られるようになってから足して買おう」という発想になってしまう。それでは給付金の意味がないため、欲しい物品がある場合には事前に申請し、その分を上乗せして現金支給してもらうもしくその商品の引換券を送付など確実に消費することが出来る方法を多角的に検討することも消費拡大には重要な発想だと思う。
 
仮に個人支給を軸に検討が進まないとなると、無意味な支給となってしまう。そのため、場合によっては本人以外の消費に使われてしまい、本人が消費できないというスパイラルに陥ることになってしまう。
 
この問題は慎重に進めていくよりも早急な実行しないと大きな効果は得られないだろう。