南海電鉄2000系2035編成 汐見橋線(通称)に初入線 | ふなたんのブログ

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令和6年1月8日(月・祝),南海電鉄高野線汐見橋駅-岸里玉出駅間(通称 汐見橋線)に2000系2035編成(2連)が初めて入線しました。

同社は高野線汐見橋駅-岸里玉出駅間,多奈川線,加太線,和歌山港線で運用されている2200系2連編成(ワンマン運転対応改造車両)老朽取替用として,高野線で運用(難波駅-極楽橋駅間直通の列車など)されている2000系をワンマン運転対応改造を行い順次置換を進めると令和4年10月28日発表の「鉄道線旅客運賃の変更認可申請を行いました」のニュースリリースで記載されています。

2035編成は,2000系で初めてワンマン運転対応改造工事が施工された車両で,車両性能確認試験などのための入線と思われ,岸里玉出駅発着で3往復しています。

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▲高野線岸里玉出駅-汐見橋駅間(通称 汐見橋線)を初めて走行する2000系2035編成(2185-2035),「試運転」。同編成は,ワンマン運転対応改造工事を2000系で初めて施工されました車両です。車両性能確認などの試験を行うために入線したと思われます。

2000系が同区間へ入線したのは,この日が初で,この走行で高野線全区間を入線したこととなります。また同区間で初めてのVVVFインバータ制御装置搭載の車両が走行したことにもなります。西天下茶屋駅-津守駅にて

 

▲西天下茶屋駅に到着した2000系2035編成,「試運転」。令和6年1月6日(土)に加太線,和歌山港線に続いての入線となります。車内には検査員の姿も見られました。

 

▲西天下茶屋駅岸里玉出駅行ホームに停車中の2000系2035編成,「試運転」。各駅に停車しながらの走行ですが,乗降扉の開閉は行われていません。画像は3往復目の復路で,この列車が岸里玉出駅到着後,2000系入線試験は終了となりました。

 

▲岸里玉出駅から折り返してきた2000系2035編成(2035-2185),「試運転」が汐見橋駅へと向かいます。

2035に搭載のVVVFインバータ制御装置は,高野線車両の加速度3.1㎞/h/sから南海本線の加速度2.5㎞/h/sへ変更が行われたためソフトの変更が行われています。制御装置の更新等は行われていません。
 

岸里玉出駅-西天下茶屋駅にて

 

▲汐見橋駅へ向け西天下茶屋駅を発車している2000系2035編成(2185-2035),「試運転」。車内は検査員や乗務員の姿も見られます。

2200系は0番代2編成,30番代3編成が在籍していましたが,0番代2202編成は令和5年8月に千葉県の銚子電鉄へ譲渡され4編成となっています。

2000系ワンマン運転対応車は何編成登場するのか,何時から運転を開始するか撮影時点で発表はありません。

 

▲2000系2035編成(2185-2035),「試運転」。ワンマン運転対応改造と同時に夜間などでの運転室からの視認性向上のため前照灯をLED化されています。また2200系では,支線転用の際に先頭部連結器は廻り子式密着連結器から密着式自動連結器へ交換,電気連結器の撤去が行われていますが,2000系は施工されていません。

2035編成は2000系の5次車として平成7年4月に製造されました。5次車から車端部にボックスタイプのクロスシートを配されました。

台車も5次車から枠側梁部に制輪子コッタ確認孔が設けられたFS-41A台車に変更されました。

 

津守駅-西天下茶屋駅にて
 

▲2000系2035編成ワンマン運転対応改造工事施工車。主な工事内容は,画像を見る限り乗務員室内車掌台側に乗降扉を開閉させる,車掌スイッチを押しボタン式に交換やそれに関する機器の追設,乗降扉再開閉スイッチの撤去,運転台にフレキシブルマイクの設置,列車無線装置の変更,車掌台側の前面窓ガラスに「ワンマン」ステッカーの貼付けなどです。乗務員室の車掌台側に設置された仕切開戸は2200系0番代と異なり撤去されず残存しています。客室内の改造は今回の撮影で確認出来なかったため不明です。

 

改造内容はあくまで私的見解であり,南海電気鉄道とは関係がありません。

 

津守駅-西天下茶屋駅にて

 

▲高野線汐見橋駅-岸里玉出駅間を初めて走行した2000系2035編成2035の車端部に設置されているクロスシート(ボックス席)には,車両のデータを測定するため搭載された機器や配線,装置を目視する検査員(南海電鉄の検査員とは別の方々)の姿がありました。

2000系5次車から客室内が大幅に変更され乗務員室後ろの座席は3人掛けとなり,同席を除く端部にボックスタイプのクロスシートが設置され,これに伴う客室扉付近の立席スペース確保や乗降時間短縮のため,扉間の座席(ロングシート)が16人掛けから14人掛けとなりました。

 

津守駅-西天下茶屋駅にて

 

【参考文献】

・「鉄道ピクトリアル 2023・10月臨時増刊号【特集】南海電気鉄道」(No.1017 2023年10月 (株)電気車研究会)