田舎に住んでいると時々、蛇が家に入ってくるんだね。昔の家は隙間だらけ。

 

だから、小さいころ、冬のこたつも、炭火の入ったこたつを使っていたが、一酸

化炭素中毒なんて聞いたことはなかった。

 

今の建築は密閉度が高い。実際の火のついたものは寝室で使うこともない。

 

そんな隙間だらけの家だから、ネズミ、大きなネズミやハツカネズミみたいな小

さなネズミもいたかな?

 

夜、9時以後、寝る頃になると、天井が騒がしくなる。「ネズミの運動会」だ。
うちは、当時家が漁師していた。満ち潮、引き潮に合わせて、漁をするから夜は

寝るのが速い。目覚まし時計なんかなかった。でも、昭和20年代、終戦後10年

経ってないあたり、生活をしなけりゃ・・・という気概が強かったのだろう。
柱時計のみ、それと、村には朝5時にサイレンが鳴った。当時は誰にとってもこ

のサイレンは役立っていたのだ。

 

そんな当時のわが家、ドドドドド~と何匹かネズミが天井を走り回る、何か取り

合いでもしてるのか?毎夜、そんな状態だった。

 

ある時、ドドドド・・・ドッすんと音がした。ネズミの発生する音ではない。田

舎には、蛇の「青大将」がいる。ネズミを追っかけてくるのだ。

 

ある夜、子供のころ、やっと寝小便をしなくなった頃のことだったが、蛇のネズ

ミ追撃だろうが、天井隙間から、ネズミが下に「トーン」と落ちて来た。

あの、怖がりようからすれば、蛇だろう。トーンと畳の上に落ち、タタタタタと

走った。なんと、蛇は怖くても、人間は怖くないのか、寝ている、僕の腹の上を

走り過ぎた。この景色は、78歳の誕生日を近く迎える今になっても忘れない。

 

しかし、このネズミ天下の時代も終わった、猫を飼ったのだ。

 

ネズミにとっては蛇と猫とドっちがこわいのだろう。

 

最初、子猫だったから、ネズミもねめていたものと思う、ところが、どぶがあっ

たから「どぶねずみ」ということもあったが、その大きな「どぶねずみ」にダッ

と突進しネズミの腹にがっぷり食いついた。いや、子供ながら、猫の勇気に感動

した。

その先は覚えていない。どっかへそのまま行き、食べたかもしれない。

 

真夏のある時、目を覚まし、階下に行くため階段に足を下ろそうとした。その時、

視線は水平だったが、視界の下に、何か黒い感じのものが入って来た。「えっ」

と思い、階段を見ると、蛇がどくろを巻いて鎮座しているではないか。

 

「ウワー!」だね。「蛇だあああ!」と下の母を呼び、「蛇がおる。竹竿かな

んか持ってきてえええ」と叫んだ。

そして、竿で蛇をつついた。すると、すーっと、下に滑り降り、いかのした(床

の下)に滑り込んだ。

 

それも、大変困ること。母親が「線香炊いたら逃げるいうけん」とマジ、線香を

炊いた。どっかの穴から逃げたもんだろう。それから、出会うこともなかった。

 

田んぼにもよく蛇はいたもんだが、最近は蛇も住みにくくなったのか、あまり見

かけない。

 

東南アジアの国々では蛇の料理も当たり前のように売り出されている報道を見る

が、子供のころから、蛇は食べる食材という風に教えられていたら、蛇も怖くな

かったかも知れない。