久しぶりの読書記録です。
というのも、この本2冊読むのに非常に時間が掛かりました。
スイッチが入ってからは勢いよく読破できたのですが、、
もともと歴史物が苦手な私。
この本は幕末の和歌山県太地が舞台となる捕鯨のお話。
当時の太地の捕鯨の様子が目に見えるように書かれていました。
そして、主人公の鯨捕り甚助の驚くような人生模様の展開は面白く、
またそのきっかけを与えた、
紀州藩士松平定頼の日本人として誇り高く勇ましい姿が印象的だった。
幕末には現代のような自由がなくて
当時の階級制度の日本人の暮らし、そして外国との関わりと
そんな日本の歴史を背景としたフィクションで、なかなかドラマチックだった。
驚くことに外国人が書いた翻訳本だという事。
日本人は鯨を食べて野蛮だとか、外国から大きなバッシングを受けているが
著者は外国人なのに実に日本の文化や教養を理解して共感しているのが
この本を読んで伝わった。
でないと、こんな大作は書けないだろう。
私も捕鯨は日本の伝統文化だと思っている。
外国の捕鯨船のように鯨油だけ取って、他は全部海に捨てるなんて事は
日本人はしない。
鯨油だけ取って他は皆捨てる方が充分野蛮だと思うが、、。
そんな先祖を持つ外国人に、日本がとやかく言われる筋合いがあるのだろうか?
まさに今、日本はIWC脱退した事もあって
なんだかタイムリーな時期にこの本に出会えたなぁ~なんてのんきな自分だけどw
日本の歴史文化を外国に左右されるのもどうかと思うし、
保護活動もわかる。密漁や乱獲はよくない。
そもそも、漁、猟とは子孫を残す事を考え行うべき稼業ではないかと私は思ってる。
エビや魚も漁業において禁漁期があったり
水揚げするサイズも決まっていたりする。
生き物、命ある物は皆一緒なのになーというのが私の考え。
鯨やイルカが特別視されているようにも思う。
話が本から逸れてしまった、、、
そう、下巻最後の太地での捕鯨の話。
親子のセミクジラは捕らないようにしているのに
漁獲が減っていたため捕る事に。
それが大きな事故となり大勢の死者を出すこととなった。
とても意味が深い場面だった。
印象に残った場面はたくさんあるけれど
下巻最後の方はやっぱり忘れられない。
親子鯨の漁での事故のくだり。
定頼の最後の場面。
カナダで暮らす甚助の前に現れた2人の日本人の少年。
本を読んで泣く事なんて滅多にないけど
最後の方は読みながら涙が出ました。
歴史が絡んだ素敵な物語に出会えました。
楽しかった!
