元旦の午後はどこの家々も驚いたでしょう。私たちも息子家族が来ていて、妻はここ数年の年賀状さえ出して、自慢げに高校時代のひんぱんに家に来ていた男友達らのことを孫娘たちとその母親に話している最中でした。私の方は大晦日に腕を振るって作ったぶりの照り焼きを、ふっくら焼いたお餅とふかひれスープにあんころ餅を入れて小細工したものをご馳走して驚かせんと、企んでいるところでした。

 

キッチンからお椀に入れたスープをテーブルに運んでいる時に体がふらつくような気がしたので、急にめまいでも起こったか血圧でも上がったかと一瞬思ったものの、それが案外長く続くし息子も長く揺れてるよと言ったのだ。で、震源地が遠方なら相当被害が出たかも知れないと案じてテレビをつけると、あんのじょう能登半島での地震を報じ始めたところでした。途中で訂正があったが、マグニチュード7.6、最大震度7。巨大地震でした。

 

ちなみに戦後間もなく、昭和23年に起った福井地震はマグニチュード7.1、最大震度7。あれは直下型のうえに、福井大空襲後まもない時期で、仮住まいのような家々の作りがちゃちだったこともあって34,000棟が全壊し、死者3,769人が出たのですが、今回、2日たった今日の午後6時のニュースでは石川県の死者が60人を超えたようで、まだ最終報告ではありません。

 

地震情報が飛び交う中、昨夕、6時頃の羽田空港で、滑走路に進入して来た279人を乗せたJAL機と海上保安庁の小型機が衝突。小型機の5人が死亡し機長は火傷で重傷、JAL機の客員乗員全員が幸い無事緊急脱出したが、数時間後機体は見る影もなく炎上したのでした。それにしても歴史に残る奇跡のような全員緊急脱出の成功です。

 

正月早々、大荒れの事件がたて続きに2日起こり、明日はどうなるだろうと早くも心配する人もあると聞きます。一昨年の安倍晋三元首相の狙撃死以来、山上徹也被告の証言で暴露された統一原理問題の事実で自民党が大きく揺れに揺れて今も燻っている中、更にキック・バック金の不記載という現金が飛び交う問題で安倍派を中心に岸田政権がさらに大揺れに揺れる最中の大地震であり、羽田の飛行機事故です。で、これらは日本の明日を暗示しているのでないかと、心配する人があっても不思議ではないと思います。

 

さいわい正月3日目の今日は、やっと第100回箱根駅伝が青山学院大学の勝利で終わり、駒沢大には気の毒でしたが一年がやっと例年のようにエンジンがかかり始めたと人々は平静を取り戻した様子でした。そして町に出るとまだ店の多くは閉まっているもののひと足が戻って来ていました。たとえ大荒れの事件が2日続いても、3日も、4日も続くわけではないに決まっています。

 

明日は仕事始め。さあ、今年はと明るく意気込む人もあることでしょう。そうあってほしいものです。わが受験生も、さあ、元気を出してもうひと踏ん張りです。

 

だがゆめゆめ忘れてならぬのは、気候変動が楽観を許さぬところまで来てしまっている事実です。地球上の無数の地域で温暖化が観測され、事実、東京でもこの冬は平年より1度か2度、あるいは3度位の温かい日を過ごしています。冬の温かいのは私には助かりますが、こんな暖冬はそうざらにあることでなく、それを思うと今夏の沸騰し燃えんばかりの日々を想像して、それにどう備えるか、今それを強く案じて手を打つのが一番大事です。そして世界中が厳粛な思いで温暖化を止めることに至急に取り組まなければなりません。

 

戦争などをしている余裕など人類にありません。もちろん、政権与党の沢山の代議士らがキックバック問題などという悪質な犯罪行為をしている場合ではありません。そういう類いの人は日本の明日を引っ張って行ける人ではありません。今回の見事なJAL緊急脱出を見習って下さい。私たち人類とすべての生き物らが、全員、温暖化から無事緊急脱出しなければならない時を迎えているのです。

 

「悪事をはかるもののことでいら立つな。不正を行なう者をうらやむな。彼らは草のように瞬く間に枯れる。青草のようにすぐにしおれる。」(詩編37篇)

 

              2024年1月3日