一年生もだいぶ大学に慣れてきたようで、


過去問?らしきものも


少し入手できたりしているようだ。




まあ、それは、イチローの手腕によるものではなく


如才ない友達が先輩からもらってくれたものを


コピーさせてもらったのに違いないのだが。




とにかく、前期に比べたら、


カタチだけは大学生っぽくなっている。


部活もそれなりにいい感じみたいだし。




あと問題は成績だけなんだけど・・・。




クーちゃんより成績悪いニャ?にゃー





イケメン先生の最終チェックの感想は



「今回はよく学習できているので大丈夫だと思いますよ。


ひとまず教えたところの理解は問題ない。


過去問も演習しましたし・・・。


想定を超える計算ミスは止めて欲しいですけど。(笑)」




と、いうものだった。


ラーメンミーティングから帰ったイチローは


ソファに寝転ぶと


スマホでスイスイっとゲームを始めた。


先生と勉強してきた後だし、


明日は一限からだし、


気分転換で疲れを取ったら、早く寝ればいい、


と思っていた。




・・・なのに・・・



こんな時に限って




さんざんツムツ○だの、ラインだのをやって


0時を過ぎたころ


寝るのかと思いきや、彼は勉強し始めたのだ。


普段は


勉強すればいいのに

と思ってやまない私だけれど


その時は


何で今から勉強するの!?叫び



と声に出さずに絶叫した。




声に出さずに絶叫?どうやんのよ?にゃー





「・・ね、寝ないの?あ゛ぁ゛っ



私は恐る恐るイチローに聞いた。



「明日試験なんだよ。」



イチローはなぜか誇らしげな声でそう言った。



「(だからこそ)寝れば?」



私はなぜかおどおどした声でそう言った。



「なんでだよ?むっ



「明日試験だから。」



「だからなんでだよ?むっ




不毛な会話ねぇにゃー





イチローはそれでなくてもミスしやすいのに


寝不足になることでさらにミスしやすくなるのが


心配だったからだ。




私はそれを正直に話してみた。




「今さら、数時間勉強したって


大して変わらないんじゃない?


それよりもちゃんと眠って


明日は冴えた頭で試験に臨んだほうがいいわよ、きっと。」




絶対に寝不足のリスクの方が大きいに決まってる。




いつもは


勉強したら?と言ってもやらないくせに


今日は


勉強止めたら?と言っても止めない。


そして

寝ればと言っても寝ない夜の後は


起きろと言っても起きない朝がくる・・・。




何て奴。


あまのじゃく?




寝るのは任せてニャにゃー 任せてニャにゃー



まあいいか。



私がとやかく言うことでもないか。


放っておいて私は寝ることにした。


疲れていたので、すぐに眠りに落ちる・・・。


ガタガタ、・・・パチッ、バタン




何の音・・・?


あれ、リビングに誰がいる・・・。



私の部屋とリビングの間のドアから漏れてくる


細く白い光を感じて、私も目を細く開ける。




え?・・・パパる?


ヤバい!寝過ごした?



私はがばっと布団をはいで上半身を起こす。


イチロー、今日はテストだって言ってたのに!


私は寝床のわきに置いているスマホにスイッチを入れ


現在時刻を確認した。




5:05



「・・・5時5分?」



私の起床は6時。パパるが6時半、イチローは7時だ。


5時に起きる人はいないはず。


ガタガタやってる人は


今起きたんじゃなくて、まだ寝ていないのだろう。




私はとりあえず、


寝過ごしていないことに安堵したが


気持ちが落ち着いてくると


イチローがまだ起きていることに改めて驚く。



「・・・もう朝ですが・・・どーん



そのあとまだしばらくバタバタしていたので、


イチローが寝たのは5時半くらいじゃないかと思う。



「1時間半の睡眠ってがくがく ほぼ完徹じゃないですか・・・。」




それは下手に寝ない方が良いのじゃないか?


って思うくらいの睡眠時間だった。





予定時刻に起きたパパるを送り出すと


イチローの部屋で


スマホのアラームがいつものように鳴り響いた。




彼は何事もないようにすやすやとお休み中だ。


この子はマンションの非常ベルが


大音響でしつこく鳴っても起きなかった過去を持つ。



いざという時逃げ遅れるんじゃないか


と心配するほどベルやアラームでは起きないのだ。




私はシャーっとイチローの部屋のカーテンを開け、


自然光を彼にあてた。


太陽光は体内時計に効くので、暗がりにいるよりも


目も覚めやすくなるからだ。


そして彼の耳の横に大音響のスマホを置く。




そして朝食を用意する傍ら


ときどきイチローの部屋に行っては


「起きなさいよ」 と声をかけ


肩のあたりをゆさゆさとゆするのだけど


それでも起きやしない・・・。



これで遅刻したらどうすんの?ガビーン


電車の中で寝過ごしたらどうなんの?ガビーン


二度寝、三度寝するイチローを見ながら


嫌な予感が頭をよぎる・・・。


そして何とかイチローを送り出し、


私も仕事へと出かけた。




夜空 夜になってラインが入る。


暗いスタンプの後、



「学生証落とした・・・。死にたい。」



という文字が光る。


寝ていない人間の発想はかなりナーバスだ。




落としたものを確認すると、それは学生証だけで、


場所は大学構内という。


だったら、まず大丈夫。



私は


「単位落とすよりマシだよ。」


とラインを返す。




翌日


「昨日落とした学生証は届けられて手にすることができた。」


とイチローからライン。



私は よかたね、と返しながら



前期に落とした単位も届けられて手にできたら良かったのに・・・



と、思うのだった。




単位落とすのと学生証落とすのはどっちが悪いニャ?にゃー

どっちも普通の子は落としません!にゃー







ダウンポチっとありがとニャンですにゃーにゃー

にほんブログ村


愚痴日記に訪問ありがと!


ポチっとしてくれたかたに幸多かれ!ヽ(゚◇゚ )ノ


ブーケ1marimcreamブーケ1