人間誰だって


苦労なんかしたくない。



できればややこしいことは


上手くスルーして生きて行きたい。



ネコだって苦労なんかしたくないわよにゃー



ましてや


自分の子供にはできることならさせたくない。


これが正直なところだろう。




ところがだ。


ここへきて


大学中退や、確信犯の留年、


就活拒否などで親を悩ませている、


大人になった子供たちがいるのだが


その母達と話すと、


こんな話になる。




「無駄な苦労ならしなくて済むように


先手先手でコマを進めてきたわけ。


落ちこぼれる前に塾へ入れたりね。


苦労したって、それが報われるとは限らないし。


手を打つのは良いことだと思ってきた。


でも、苦労せずに手に入れたものって


簡単に捨てようとするのよ。」




「捨てようとする?」




「そう。


高3の時は大学進学したくないって言ってたし、


大学入ってからは、ことあるごとに


辞めたいとか言っちゃって。」



その子はトップオブ私大に通っている。


あの大学へ通う権利を捨てる?




「え~。そりゃもったいないね。


やりたいことと少々違ってたって、


とりあえず卒業して、学士とってから


進路変更した方がお得な気がする。」




その話はさんざん家族でしたのだろう。


彼女は表情を曇らせ、


眉間にうっすらと皺を寄せてこう言った。




「大した苦労もせずに入ったから、


ありがたみがわかんないのよ。」




・・・大した苦労もせずそこへ入れるって言うのが


すごいですけど。


ウチは二浪したけど全~然、無理でしたからあせる




彼女は続ける。



「二浪したりとか、苦労して入った大学ならさ、


少々嫌な事や、違うなって思うことがあったとしたって


簡単に行くの止めたりしないと思う。


だから苦労して入った方が良いのよ。」




言われてみれば・・・。




イチローも高校の悪口をよく言ってたけど


それを聞くたび  


ありがたみが解ってないな、って思ったっけ。


高校へは無試験で上がれるからね。


高校受験で入ろうと思ったら、


イチローなんて絶対入れないと思うけど


そんなことなんかちっとも考えようとしなかったね。


こんな学校、最低だ。


とか言っちゃってた。


理路整然と説明してやったって


聞く耳を持っていなかった。


あの大学版が起こっているわけか。


成る程。


そりゃどうにもならない。



「留年するのだって、タダじゃないのよ?


やたら学費の高い学校だっていうのに。


それを言うと息子は 


払わなくていい


って言うの。 でも払わない勇気なんて無いわよ。


舅や姑にも相談したけど


また行く気になるかもしれないから


払っておけって言うしね。」




確かに払わなけりゃ退学だからね。


授業料未納で退学って選択は


親にはできないね、そりゃ無理。


私はうなずきながら


彼女の話を聞く。



「それでさ、


留年しながらギリギリここまで来たけど


現在就活拒否中よ。


大学卒業後、何の理由もなくニートしてた奴なんか


この先どの企業が採用するって言うのよ。


男だから、就職したら留年分くらいは


取り返してやるって思ってたのに、無理だわ。これじゃ。」




ニートやフリーターにしたくないから


生活弱者にしたくないから


学歴だけは、って思っていたのに、


なんでこうなるわけなの?


彼女の目からは涙は流れていなかったけど、


心で泣いているのがわかった。





「苦労したけりゃすればいいけど


今頃こんな選択してさ、将来


まともに生計立てて行けるのかしら。

だからさ、苦労、早めにさせておいた方が良いよ。


二浪なんか、万々歳よ。」





二浪万々歳 と言われても・・・。(笑)




彼女の話には


苦労 というキーワードが多く響く。



21世紀の少子化日本では非常にレアな存在の


二浪した息子を持つ私なので、


現役トップオブ私大の母が


それを気づかっての言葉かと思って聞いていたけど、


そういう訳でもないらしい。



私は疑問を一つぶつけてみた。


「でもさ、今までだって、苦労してないなんてことは


無いんじゃない?


確かに大学受験はしなかったけど、


中学受験も、高校受験もしてたし・・・。

成績もよかったってことは


息子が苦労して頑張ったってことじゃないの?」




怠けているわけでもないが、


いつも成績の悪い息子を持つ私は


それは彼の努力のたまものとしか思えなかった。


それを 苦労もしないで というのはどうかと思った。




「そりゃ、それなりに塾へ行って


それなりに受験勉強はしたけど、


それだって、行けと言われたから行っただけなのよ。


そしていくつか受けて受かったところに行っただけ。


あの子の得意を吟味してさ、


これを活かしてここを受ければ通るかも、


と思って受けさせたら案の定、合格したの。


行かせたい大学の一つの、


付属高校だったから、行かせたけど、


本人の熱望校、って訳じゃなかった。


そこら辺からおかしくなってたんだって


今なら思う。


だけど、高校就学年齢になったら


高校へ行かすよね?普通


受かった高校の中で、


一番よさそうな高校へ行かせない?」





うん。そりゃ行かすね。


間違っていないと思う。




エスカレーターでスムーズに乗車口まで上がり、


超特急の指定席で出発したのに、


勝手に下車して特急自由席に乗り換え、


これもつまらないと、在来線の各駅停車に乗ってしまった。


これから


気が向いた駅で下車して、


あちこちさまよったりする気なのか。




彼の人生、彼の自由とはいえ


割り切れない母親の思いが私にまで


身に沁みるのだった。









ニートって何? お肉?









ネコみたいに生きたいのよきっと。


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