【和食】 パーク ハイアット東京 梢 (新宿) | デートに使える女社長の東京グルメ日記

【和食】 パーク ハイアット東京 梢 (新宿)

予定が合わずに押し出された夕食。西新宿にあるパークハイアット40階、日本料理「」へ。 銀色に輝く流線型の車で向かう途中、レストランで見るだろう風景“新宿のネオンが星のように輝く夜景”を想像していたんだ。


しかし案内されたのは閑静な個室だった。窓は無くって、ふたりで使うにはいささか広すぎる部屋。とても意外だった。部屋はなんだか将棋の竜王戦みたいに、空気がピンと張り詰めてた。おごそかに一品目が配膳され、きのこやぎんなんを食べて「そういえば秋だよねえ」と、ふうっと息を漏らした。


パーク ハイアット東京 梢(新宿)


会席コースが嬉しいのは食材を通して季節感を感じられること。夏の名残を残したもの、走りと呼ばれる出回り始めたもの、もちろんまさに旬といった食材も。これらを活かしきることが醍醐味だ。この食卓では、たとえばずんだ、さつまいも、あゆ、栗ごはんとか。


こうした食材の味わいだけでなく、で楽しめるのは盛り付けも。「ダイナミック創作和食」と呼べそうな立体的で豪華な器や飾りつけだ。きっと外国人から見た日本料理はこんなイメージなんだろう。大きな氷の器に盛られた刺身、あけびやざくろで彩られたお膳。作品としてみても楽しかった。


パーク ハイアット東京 梢(新宿)


デザートまで趣向が凝らされていた。縦に積まれたモナカに刺さった竹串をはずすと、下へはちみつがしっとりと線を描いて垂れてくる。その下に、小豆ときなこのアイスクリーム。落ちきったところでアイスクリームを食べる。


パーク ハイアット東京 梢(新宿)


蜜がゆるゆると滴り落ちるさまを横目に、彼はトランプを取り出した。真剣勝負の緊張感だった部屋はいつしか雰囲気が変わり、幾つかの手品みたいなゲームをのんびり楽むようになった。そして最後のゲームをした。


たくさんあるカードから私だけに柄が見えるようにして、一枚カードを選んでほしいという。模様を見ながら、ランダムに8枚ほど引き、その中で意図的に“ハートのA”を選んだ。すると彼はおもむろに胸ポケットから、折りたたんだメモを出した。 当然だが私と会ってから、そのメモを入れる姿は見ていない。いつ仕込んだのだろう? 私はいぶかしげに広げて、それから息を飲む。


パーク ハイアット東京 梢(新宿)

メモには選んだカードがピタリと当ててあった。驚いてしつこく食い下がったが、ネタばらしはしてくれない。ディナーは、個室でカード遊びをし、カードを見透かされるというサプライズで終わった。なんだか狐に摘まれたようだ。


しかし梢を出て、次に出かけた場所はもっと吃驚。


パークハイアット十八番の、“星を散りばめたような新宿の景色”じゃなくて。

手のひらからこぼれ落ちそうな量の、本物の星。

見上げれば、空気が澄んで手ですくえそうな距離。

砂金みたいにキラキラしてる、満天の星空が見えるところだった。


二度目のサプライズ。

できすぎ。


■パークハイアット 梢 (新宿)