呑龍文庫 ももとせ | Some Cindy Talking

呑龍文庫 ももとせ





『オーガニックバス @太田住宅公園』からの帰りがてら、お寺の参道沿いにある和カフェでまったりしてきました







太田市中心街のすぐ北側に広がる金山の裾野に位置する浄土宗の寺院、大光院は、「呑龍さま」の愛称で
太田市民の皆さんだけでなく近隣の方々からも古くから親しまれている、太田の街に欠かせないお寺なのです。
さらに群馬県の名物や歴史などの魅力を伝える「上毛カルタ」の中に「太田金山子育て呑龍」という札があるように、
こちらの大光院は“安産祈願”のご利益があるお寺としても有名で、一年を通して沢山の参拝者が訪れます。

そんな「呑龍さま」の境内を抜けて、参道を市街地の方に向かって歩いていきますが、参道沿いには昔ながらの
懐かしいお土産屋さんが数軒点在するだけのとても静かな佇まいで、ゆったりした空気に包まれていました。







そんな長閑な雰囲気に満ちた参道を歩いていくと、向かって左側に大きな暖簾が下りた風情のある建物が見えてきます。

元は和菓子屋か呉服屋かといった落ち着いた佇まいを醸していますが、近づいてみると単なる古民家リノヴェーションとも違った、
シンプルで且つモダンなセンス溢れるデザインに思わず唸ってしまいます・・・それもそのはず、この建物こそ本日の目的地・・・







呑龍文庫 ももとせ

衣食住に纏わる日本の伝統&今を伝える日本茶カフェ&生活道具の店としてこの場所に居を構えた“BOOK&GARELLY&CAFE”なのです

しかも、実は今から遡ること6年前()現在は群馬県前橋市で紅茶カフェを営まれているHOA TEAさんがこの場所で一日だけのイベントを
開催した際に一度お邪魔しておりました
・・・あの日は“紅茶のフルコース”をいただくという非常に貴重な体験をしたのを覚えています。







店頭のショーウインドーでは招き猫と狛犬の“開運コンビ”が出迎えてくれました・・・さすが参道沿いのお店ですね・・・







店内に入ると開放感いっぱいの空間にゆったりと配されたミッドセンチュリーモダンなラウンジソファーや・・・







先ほどとは一転、オリエンタルな雰囲気を醸し出している円卓のテーブル席に・・・







さらに、和の風情を感じさせる畳の間までもが全く違和感無くひとつの空間に同居しているのです。







カフェとして訪れた“ももとせ”ですが・・・“長い時間、楽しんだり、興味を持てる「もの」や「こと」や「ひと」に出会える場所となるように”とのオーナーの
言葉の通り、プロダクトから作家物、一点ものまで日本中から集めた美しい日用品が、まるでギャラリーのように店内にディスプレイされています。







FUTAGAMI
http://www.futagami-imono.co.jp/

畳の上で見つけた幾何学模様のオブジェのようなこちらは、富山・高岡にて明治30年創業の真鍮の鋳物メーカーの作品。
伝統と革新とが違和感無く一つのプロダクトとして収まるセンスの高さに、思わず感心してしまうCindyなのでした・・・







和の風情溢れるももとせですが、ドーナツドリッパーをはじめコーヒー関連のグッズもあって、
さらにはオリジナルのコーヒー豆も販売されて、コーヒー好きな方もきっと満足されることでしょう。







あれっ、今、何時だっけ?・・・気になって時計を探して辺りを見回してみたら・・・

和モダンに留まらず、スチームパンクの世界までマッチさせるなんて・・・脱帽です・・・







ギャラリーの反対の壁面に目を向けると、天井までいっぱいの本に埋め尽くされていました。

そうです・・・店名に“文庫”とあるように、ブック・カフェとしても楽しむことができるのです。







壁面にずらりと並んだ各ジャンルの書物は、もちろん手にとってのんびり読書することもできます。







さて、そろそろCindyも席に着きましょうか・・・円卓のテーブル席も気になりましたが・・・







ミッドセンチュリー好きのCindyは、こちらのラウンジソファーでまったり寛ぐことに決めました。







和菓子のメニューの代わりに・・・テーブルの上に二段の異なる重箱が置かれました。

生菓子は群馬県桐生市の和菓子店、香雲堂が週替りで作っているとのこと・・・この日の生菓子は・・・

上生菓子 2種
・うずら餅
・草露白し(くさのつゆしろし)

選べるお菓子 3種
・菊(桐生 香雲堂)
・えだまめあられ(新潟 浪花屋製菓)
・塩昆布(羅臼)







ここはやっぱり上生菓子にしましょう・・・

そして、せっかくですので好きなドリンクに+250円で上生菓子2つから1つチョイスする「ももとせセット」でいただきました。







京都宇治 孫右ヱ門 蒼穹 (まごえもん そうきゅう)

  抹茶では珍しい単一農園茶。
  宇治川の川岸の良質な土にて育った茶の木から
  手摘みで収穫された一番茶のみを使用しています。
  どこまでも蒼い空のようにスッキリとした味わい。


創業222年の宇治緑茶の老舗、孫右ヱ門の「蒼穹」と名づけられた抹茶ですが・・・10g(100gではありません)で1500円する最高級品種!!

ところで、抹茶をオーダーすると、棚にディスプレイされている十数種類の抹茶茶碗から好みのひとつをチョイスすることができます。
迷いに迷って、まるでひび割れた地面のようなベージュの表面に網目のような細かい貫入がアクセントのこの茶碗を選びました。
木目のお盆に溶け込みそうなシンプルで控え目な印象が抹茶の淡いグリーンをより一層引き立ててくれるような気がしました。

丁寧に泡立てられ、まるで抹茶ラテのような淡い黄緑色になった抹茶をゆっくり啜ると、まず最初に仄かな温もりを感じさせます。
クリーミーなまろやかさとふわっと広がる爽やかさ、そして上品で仄かな苦味がひとつになって口の中いっぱいに抜けていきます。
まるで、名前の「蒼穹」のような晴れ渡った秋の青空・・・夏の濃い青ではなくどこか淡い色調を帯びた青空の印象を受けます。

通常、抹茶は合場(ごうば)といって味を均一化するために茶葉をブレンドするとのことですが、この「蒼穹」は、単一農園の茶葉を
使用して作られるそうです・・・まるで“単一畑のピノ・ノワールのみからできるブルゴーニュワイン”みたいで、そういえば何処と
なくその味わいや上品な薫り、棘の無いまろやかさなど、雲ひとつ無い青空のような爽快感が似ていると感じました・・・







草露白し(くさのつゆしろし)

  キントン製、つぶ餡
  二十四節気より。
  朝夕が涼しくなり、
  草に降りた露が、白く光って見える頃。


まだ現物を見る前の、メニューに添えられた名前の由来を眺めながら何て詩的で情緒のある名前だろうとウットリしていましたが・・・
目の前に置かれた「草露白し」は、まさに萌黄色の秋草に薄っすらと朝日が当たり、朝露のようにキラキラと輝いていました







いつまでも眺めていたい衝動に駆られますが、同時に、味わってみたい衝動もふつふつと沸き立ってきます。
思い切ってひと串・・・もっちり滑らかな弾力で切り離された中には淡いあずき色のつぶ餡が忍ばせてありました。

萌黄色の秋草に見立てたずんだのキントンは、ねっとりもっちりした食感ながらも口溶けもまろやかで、
舌の中でほんのり上品な甘さとずんだの爽やかな風味を漂わせながらまろやかに広がって消えていきます。
さらに中心のつぶ餡は、萌黄色に合わせたかのような淡い紫が映え、漉し餡のような滑らかさや繊細な甘さを
湛えながら微かにグラデーションしていくかのようで・・・朝露を模した寒天の煌きも含め、見た目だけでなく
味わいや薫りに至るまで五感を通して秋の朝の微妙な季節の移り変わりを感じさせてくれるようでした。







呑龍文庫 ももとせ

373-0027 群馬県太田市金山町 14-7
0276-55-5460
13:00-19:00
定休日 水・木曜日
http://momotose.jp/

“和”の次は・・・“フレンチ”のランチに舌鼓を打ってきました・・・