「何だか、我らをおびき寄せる『エサ』なんでしょうねw」
技術屋姉妹達が懐疑的な意見を述べた。
「日本の基地内をドローンで撮影?呉基地は日中、隊員さんもうろついててなかなか我らもラジコンすら飛ばせない状況なのです。それに観光客も多くて、遠隔操作するにしても高性能な望遠レンズの標的にされずに良く飛ばせたものだなと思う」
「決して我々は『やらせ』とは言わないし、動画の真意を我らの技術でどうのこうのいう気はしないけど、注意喚起の気持ちでしたのでも、我らの姉妹には『冗談』はつうようせんぞ?」
チビ妹達が同型艦のかがの写真を見ながら、ぷるぷる震えている。
「我らの空母を裸にする輩を許すまじ!」
おいおい。
だいたい、世界の頭上には鼻毛すら見えるスパイ衛星がぐるぐる回ってるというのに・・・。
それにドローン攻撃されたらひとたまりもないとか、先制攻撃の意味を理解して言ってるんだろうか?
「ドローンで攻撃を受けるという事は開戦を意図して先制攻撃を仕掛けているという事なのです!」
おっ。
「撮影は我慢できても、墜落したドローンで自衛隊さんがケガをしたり、負傷してるのに国民から批難されて謝る事態になったらそれこそ『怒り心頭に発する』のです!!」
「だいたい、何が『私がスパイなら中国に売っていただろう』ですか?技術屋のお姉ちゃんには『いずも』のファンも居ます、ネットを介して「脳みそ」を溶かして別世界に送り届けられる技術屋お姉ちゃんが居ることを知らずに冗談でもこんなことをしてたら、人生そこで終了しても知らないのです!!!」
チビ妹よ、そこはヒミツ兵器なのですから内緒に・・・。
「それにしても誰も疑問に思わないのですかね。いくつか・・・。」
そこまで話していると、技術屋姉妹が口を挟んだ。
「いずれにしても、大海原で訓練してれば気づかないうちにスパイされている事もあるだろうし、ああだこうだ話していても実際に戦闘になれば『秘密兵器』を出してくる敵も多い。戦争をする気で掛かってくる相手をリアルタイムに倒すのに装備を見られた云々いってもはじまらない。いたずらした奴に『自衛隊さんがケガをしてたら、日本国より早く『キツイお仕置き(意味は前途を考慮してお考え下さい)』しますねw』って言えば済むだろうし、すればいい。」
な・・・んだと。
「問題はドローンを飛ばせると思ってる姉妹達が・・・ねぇ」と、横目で見るとアネゾンで早速購入した安ドローンをリュックに忍ばせるチビども。
「こらこら、そのドローンで何をする気なのですか?」
かなり挙動不審なチビ妹達。
「危険なドローンが飛び回っているかもしれません。我らもドローンでそういう輩を見つける為にも、護衛艦の上空を監視せねばならないわけで・・・」
あせあせ。と、リュックに押し込んでニコッとこちらを見る20匹の姉妹達。
巷はそういう行為が問題視されているんですよ?
「何を言うのです!!我らは宇宙人!!誰が何を言おうと関係ない!!!」と、問題発言。
確かに宇宙人ですけどね、自衛隊さんに迷惑が掛かりますよ。
「潜水艦を見てください。我らはこれからアウトローなのです!」
バカモン!勝手に英霊さんの潜水艦にくだらんステッカーを張って暴れたことをするんじゃない。
「ドローンを操作する人物の背後から迫って喉を掻っ切るのです!!」
わおぉ、アウトロー!
「ゴルゴチビ妹13」の我らは眉間を射抜くのです!
おいおい。危険な姉妹達が集まってて怖いのだが・・・。
チビ妹から動画撮影者に一言・・・だそうだ。
次は命が無いと思え。