うれしいときはうれしいし
、悲しいときは悲しいし…
当日記筆者も、公私合わせて悲喜こもごもな晩秋を迎えております。
先週末、ようやくにして、筆者がちょっぴり憧れにしているひと
と、ささやかながらも一緒にディナータイム
かと思えば、これから年単位での多々出てくる予定のお仕事に、少々ゲンナリしたり…
。
子供のころの”宿題”という名のゲンナリさせるものは、大人になってもやっぱりついて回るのですな
。
そんなわけで、10月最終週は、このひと、ひなたなほこさん（以下、ひななほさん）のワンマン…というより、主演＆監督の舞台を観てまいりました。
筆者には、一昨年の”処女航海”以来の「ひなた号」の世界。”処女航海”の柏、2度目の亀有に続いての今回は、亀戸からの出航であります
。
昼夜2公演のうちの昼の部を選択したこともあって、当日記の普段の雰囲気とは幾分異なり、あちらこちらに親子連れの姿も見かけます。もちろん、そうではないひともたくさんいるわけで、開場前から、ある種ひななほさんらしいところが垣間見えます。
きれいな景色を探しに行くという「ひなた号」。勇敢でピュア、そしてひとを信じる力に満ちた、ひななほさん演じる船長と、周りのひとびとが織りなすストーリー。ここでは、演じる舞台俳優さんだけでなく、ひななほさんのステージではおなじみの、天然パーマのピアニストいっくんをはじめ、サポートミュージシャンも、立派な”俳優さん”であります
。
平和に航海しているうちは、まさにミュージカル。プロの俳優さんだけでなく、縁のあったダンススタジオの子供たちが、子役として登場したり、大きな風船が場内に登場したりと、華やかな景色が現実にも展開されていました
。
さて、そのうちに、航海中にグライダーが不時着
。無事助かった、グライダーのパイロットが、この「ひなた号」を、”希望の島”へ連れていこうとします。そこには、やはりきれいな景色があるのですが、たどり着くためには、誰かを生贄にしないといけない…という話に。パイロットを信じるひなた船長は、そのために、自ら生贄になっていきます。
その生贄とは、”時の渦”に飛び込むこと。そして、江戸時代末期と思われる時代にタイムスリプします。まさに”ザ・サムライ”といえるお兄さんと、「戦いではなく、互いに分かり合うことが大切」と説く弟さんに出会います。よく見ると、弟さんは、さきほどのグライダーのパイロットとそっくりさん（一人二役ですね）。実際には生贄などではなく、ひなた船長と一緒に来た（…という夢）わけですが、このテーマは、現代だからこそ、非常に考えさせられ、そして重いものといえます。
（あ、そのことを胸に深く刻んだひなた船長は、無事、タイムスリップから現代に帰ってきましたよ）
演出がかなり変化に富み、殺陣まで登場する展開に、筆者の席の近くでも、所々で泣いているお子さんがいたもよう。大人にも重たいテーマですから、まして怖い（演技をする）ひとを間近でみている子供さんには、ちょっと怖かったのかな。
もっとも、そこが、ひななほさんがプロデュースするステージらしいところ。
完全に劇なのではなく、うたの間に劇…という感じなのですが、その1曲目「NOMAP」は、もともとは、代官山のライブハウスNOMADで、初めて披露されたうた。つまりは、最初にこれを聴いているのは、子供ではなく、大人なのです。
保育園や幼稚園での”うたのおねえさん”としてのステージもありますが、ひななほさんのオリジナル曲といえば、「NOMAP」に限らず、その大半は先に大人が聴いているもの。したがって、誰が聴いても「それ、あるある」だったり、「それももっともだ」であったり。大人も子供も分け隔てなく信じる、という気持ちがこもっているように感じられたのでした
。
（番外編的には、予告動画で、ひたすら「亀有ぢゃなくて、亀戸」と連呼してるものがありますが、こちらは、大人っぽいノリ。ポスターから垣間見える、幾分子供向けに振ったはずの雰囲気とのギャップもたまらんのであります
）
そういうわけで、新たなストーリーを刻むことになった、3度目の「ひなた号」の航海。”下船”のときは、キャストのみなさん全員でお見送り…。まずは昼の部が終わって、ほっとしているであろう、ひななほさんはじめ皆さんの笑顔にも、本編同様、感謝なのでありました
。
4度目の航海も、穏やかなものでありますように。ありがとうございましたぁ
。