「個性派カレー専門店」勢力拡大  | スパイシー丸山「カレーなる365日」Powered by Ameba

「個性派カレー専門店」勢力拡大 

最近のカレー業界の流れを分析した興味深い記事を発見!!!


外食のカレー業界はラーメン業界と違って

わかりやすいキャッチ―トレンドがなく、

インド、インド風、欧風、アジア系、スープカレーetc.

ジャンルごとの住み分けで成り立っています。


ですが、こういった資本のサポートがある専門店の勢いが

もしかすると、ちょっとしたトレンドを起こすのではないか?!

と、期待をしていたりもします♪


実際、今年のカレーのトレンドはどんなものがありますか??

との質問をよくされるのですが、

ものすごく困ります。。。。。。

だって、ラーメンのようなトレンドがないもので・・・

なので、このような質問には、下記の記事にあるような

資本力がある専門店が、

どのような仕掛けをしていこうとしているのか???

を、期待を込めて話すことが多いんですよねぇ。


さぁ、どうなる??カレー業界?!?!?!



ちょっと長い記事ですが、最後までぜひ。

スパイシ~~♪♪♪

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肉山盛り、燻製、キャンプ!? 「個性派カレー専門店」勢力拡大

日経トレンディネット 2013年4月16日


カレー業界に“異変”が起きつつある。

 大手カレーチェーンが店舗を増やす一方、個性派カレー店は個人経営や1店舗だけの展開が多かった。しかし最近、個性派カレー店が大手飲食企業の力を借りて店舗数を増やしたり、飲食企業が個性派カレー店をオープンしたりといった動きが目立っている。

 先鞭をつけたのは、キャンプ・シーンをイメージしたインテリアや1日分の野菜がとれるカレーなど、斬新なコンセプトと演出で人気の「野菜を食べるカレーcamp(キャンプ)」だ。同店はバックパッカーズ(渋谷区千駄ヶ谷)が2007年にスタートさせたカレー店だが、2010年からJR東日本グループの総合外食企業である日本レストランエンタプライズ(NRE)と業務提携。エキナカを中心に「camp express」を4店舗展開中だ。

 また、世界初の燻製したカレーが人気の「くんかれ」(中央区日本橋人形町)は、看板メニューである燻製カレー「くんかれ」を、「ペッパーランチ」などステーキを中心としたレストランチェーンを運営するペッパーランチダイナー(東京都墨田区)にメニュー提供。2013年3月29日からペッパーランチUENO3153店限定で販売している。ペッパーフードサービスが他社のメニューを販売するのは今回が初めてだという。

 さらに5年間で都内に21店舗と急成長中の「とんこつラーメン博多風龍」グループを運営するMENYA(東京都渋谷区)は2013年03月14日、秋葉原に新業態となるカレーショップ「東京スタミナカレー365秋葉原道場」をオープンした。店名にもなっている「365スタミナカレー」は、肉料理とみまごうほどの豚焼肉がたっぷりと盛り付けられているのが特徴。しかも一番人気は肉を2倍に増やした「365スタミナカレーダブル」だという。

 今、カレー業界にいったい何が起こっているのか。その背景を探った。

店員はボーイスカウト姿、カレーは鉄鍋に盛る“キャンプ風”

 「野菜を食べるカレーcamp 代々木本店」の店内は、一歩入った瞬間から異空間だ。スタッフのユニフォームはボーイスカウト・ガールスカウト風だし、テーブルには水差し代わりの水筒が置かれ、カレーは実際のキャンプでも使用するスキレット(鉄鍋)に盛り付けられている。

 こうした遊び心いっぱいの演出に加え、カレーソースの油分を控えめにしてさっぱり目に仕上げる、1皿で1日に必要な野菜がとれるといったヘルシーさが受け、男性客がほとんどの大手カレーチェーン店とは対照的に、女性客が圧倒的に多い。また約7割がリピーター客ということからも、熱烈なファンが多いことがうかがえる。こうしたヘルシーでエンターテインメント性があるカレーショップは、同店を運営するバックパッカーズ代表・佐藤卓氏が会社員として米国に駐在していた時代、米国向けの商品企画として作り上げたコンセプトだったという。

 筆者が4月上旬にecute品川サウス店で「1日分の野菜カレー」を食べたときは、野菜はカリフラワー、ナス、トマト、小松菜、レンコン、サツマイモ、シメジ、カボチャ、赤ピーマン、ジャガイモが入っていた。野菜を食べているだけでそこそこ満腹になるボリュームで、外食でこれだけたっぷり野菜がとれるメニューはそうない。さらりとしたソースもヘルシーで、これならダイエット中でも罪悪感なく食べられそうだと感じた。

 同社がNREと業務提携し、初めてエキナカにカレー店をオープンさせたのが2010年。1号店はJR池袋構内の「野菜を食べるカレー camp express 池袋店」だった。以後、品川駅のエキナカecute(エキュート)品川サウス内、所沢駅構内と出店を増やし続け、2013年4月2日オープンの武蔵小杉東急スクエア店を含め、現在4店舗を展開している。

 「代々木の店は平均月商約340万円と順調だったが、10坪・18席と小さな店。大手であるNRE社から業務提携の話をいただいたときは驚いた。会社の規模が違いすぎるため当初は不安を感じる部分もあったが、こちらのこだわりを尊重してレシピ開発や企画デザイン監修などに関してはほとんど任せていただいているので、ありがたく思っている」(佐藤氏)。

「エキナカになかった“非日常感”を提供したい」

 では逆に、大手飲食企業がなぜ個性派の独立カレー店と業務提携したのか。

 NREでは以前から池袋駅の構内に「カレーキッチンスパイス」を展開していたが、次第にメニューが陳腐化して来ていたこと、大型駅で構内に競合店が多いため、個性的な業態の必要性を感じていたことなどから、新業態店開発のためのリサーチを重ねていた。市中のカレー店舗十数件で試食し、そのなかで最も強烈に印象に残ったのがcampだったという。「これまでのエキナカのカレーショップにはなかった、非日常的な楽しさを提供したいと考えた」(NRE 営業本部開発部担当部長 松本隆光氏)という。

 しかしその個性と非日常感ゆえに、エキナカで運営するうえでの問題もあった。本店で行われている盛り付けスタイルは高級感や楽しさはあるが、出すのも食べるのもそれなりに時間がかかる。エキナカのカレーショップはスピードが求められるので、そのままのスタイルで提供することは不可能だった。そこで同じ鉄鍋でも大き目の平皿にし、ライスとカレーを一緒に盛るなど簡略化。campの持つ非日常感と個性的なメニューはそのままに、忙しい人が素早く食べられるようにアレンジした。「camp express(急行)」という店名は、そのコンセプトから来ている。

 だが早いのは料理を出すスピードだけではない。エキナカは通勤客が毎日朝晩通ってメニューを目にしている場所なので、メニューの陳腐化が一般の店より格段に早いという。そこで一番人気の「1日分の野菜カレー」ではメインとなる野菜を季節ごとに変えたり、年4回ほど新メニューを出したりして飽きさせないように工夫している。だが一般店であれば季節ごとの新メニューでいいが、エキナカの場合は「できれば毎月でも新メニューを出したいほど」(松本氏)で、バックパッカーズ社に新メニュー投入のスピードアップを要望しているとのことだ。

 エキナカであっても妥協せず、本店のこだわりを踏襲している部分もある。それが「ライブ調理」。一般的なカレーは先に具材を炒めてから煮込むため、店ではただライスにカレーをかけるだけ。だがcampではライブ感と楽しさを演出するため、注文後に席から見えるオープンキッチンで野菜を炒め、そこにカレーソースを加えてグツグツ煮えた状態で提供している。camp expressでもそのスタイルを守り、どの店もキッチンで鍋を振る様子が見える作りにしている。ecute品川サウス店、武蔵小杉東急スクエア店では、店外の通路からもキッチンの様子が見え、通行人が足を止めて見入っていた。

驚異の「1日25回転」!

 従来のエキナカのカレー店の概念を打ち破る演出が功を奏し、今のところどの店舗も盛況。時間によっては長い行列ができることもしばしばだという。品川サウス店を例にとると、店内面積は20坪で席数は20席だが、1日平均500人程の利用がある。つまり1日に25回転するということだ。また利用客の7割が女性で、これは男性客が中心のカレー店としては異例のこと。「以前の『カレーキッチンスパイス』も女性がターゲットではあったが、圧倒的に増えた」(松本氏)という。

 こうした成功を背景に、バックパッカーズはNRE以外にも業務提携を拡大している。セント・リングス(静岡県沼津市)と提携して「エキマルシェ大阪店」、「マークイズ静岡店」「なんばダイニングメゾン店」(4月24日オープン)に出店。2013年6月にはcampブランドでのカレー以外のカフェ新業態も出店予定だ。「これらの事業展開が可能となったのも、全てNREとのコラボの大成功がきっかけ。極小の脱サラ個人店をここまで育ててくれたNREには本当に感謝している」(佐藤氏)。

 ちなみに池袋、品川に出店したのは、情報発信性が高い20~30代のオフィスワーカーの女性の駅利用率が高かったため。所沢と武蔵小杉は、ファミリー層の多い郊外のエキナカでの展開を探るため。特に武蔵小杉は、エキナカではなく初のマチナカ仕様での出店。ファミリー層が多いため、同業態初となる子供向けメニューも販売している。

 東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転開始により、駅ナカ1号店の池袋店と、4店目の武蔵小杉店が同じ路線の沿線となった。これによってより認知度が高まるため、今後もこの沿線での出店を予定。「これからもエキナカという強みを生かし、campの良さを生かした立地で店舗展開をしていきたい」(松本氏)という。

家庭ではできない「燻製カレー」のスペシャル感に大手飲食が注目

 「くんかれ」はプレミアムダイニングアンドパートナーズ(東京都港区)が独自に開発した製法(特許出願中)により、カレーのルーとトッピングなどを燻煙したカレー。「くんかれ」で商標登録もしている。カレー本来のスパイシーな香りに加え、燻製による風味豊かな香りが複雑に絡み合い、今までにない味わいとなっているが特徴。一度食べるとクセになる人が多いという。

 カレー店でおなじみの「辛さ」に加え、カレールーの燻製度合い「燻度(くんど)」も3段階から選べる。また燻度と辛さには相性があり、辛みが強いほど燻製の香りを感じにくくなる。そこでくんかれ初心者には辛さとおすすめの燻度の対応表を作ってアドバイスしている。ちなみに人形町店の売れ筋は、スタンダードの辛さで燻度2。メニュー提供先のペッパーランチダイナーUENO3153店では辛さ「中辛」、燻度「中(本店の燻度2に相当)」のみを販売している。

 くんかれの生みの親は、現在くんかれ事業部長を務めている八木進剛氏。八木氏が脱サラして東京・幡ヶ谷で燻製居酒屋を営んでいたとき、常連客からのリクエストでカレールーを燻製してみたところ、意外においしくて人気が出たことがきっかけだ。「燻製カレー」というものが世の中にないことも分かり、「世界でたった一つの味わいである燻製カレーを広めたい」という一心で、温度管理や燻製の度合いなどを約半年間かけて研究。完成度を高め、2011年2月に「くんかれ」を人形町にオープンさせた。

 オープン直後からカレーマニアの間で話題になり、ゴールデンウィークには取材が殺到するほどの人気店になっていた。人形町店は26席で、1日の平均客数は約100名。1日に約4回転で、平均客単価は約1100円程度だという。「燻製という調理法は日本でも鰹節などで歴史的にもなじみ深いもの。しかし家庭で行うのは難しいため、非日常的なイメージがある。そんな非日常的なイメージの燻製と、日常的なイメージのカレーをマッチさせた点が受けているのでは」(プレミアムダイニングアンドパートナーズの島居里至代表)。

 ランチで提供している「辛さ/スタンダード、燻度1」を食べてみた。燻度1のせいか、いわゆるスモーク香はガツンとは感じないが、食べ終わるころには独特の香ばしさが舌に残る。燻度2、3も味わってみたいと思える、奥深さがたしかにあった。

ペッパーランチダイナーとの共通点は「専門性」&「エッジ」!?

 ペッパーランチダイナーがくんかれに注目したのは、燻製という調理法の一般家庭ではできない専門性。「『ペッパーランチダイナーUENO3153店』は、テーブル席を主体にしたペッパーランチの新業態で、サイドオーダー、デザート、ワインも充実しているのが特徴。カレーを燻製しているくんかれは専門性とその特色ある味・香りが店のコンセプトにマッチすると判断した」(ペッパーフードサービス営業企画推進部の川野秀樹氏)。

 くんかれがメニュー提供に協力した理由のひとつも、ペッパーランチダイナーのコンセプトへの共感にある。「『100%ビーフ肉塊ハンバーグ』など、エッジが効いたメニューにトライしているところが、うちと似ていて共感を覚えた」(島居代表)。またダイナーはいろいろなメニューを採用している業態でハンバーグとカレーの親和性があること、交渉時に同社がくんかれのブランドを尊重してくれて信頼感を深めたことなどから、業務提携を決意したという。

 ペッパーランチダイナーUENO3153店ではまだメニュー提供を始めて日が浅いが、ファミリー客がメニューの中から1品「くんかれ」を注文することが多いとのこと。「『ペッパーランチでこんなカレー食べられるなんて思わなかった』といった声をいただいている」(川野氏)。今後注文数と評判を見て、導入店舗を増やす検討も視野に入れているという。

 くんかれも今回のメニュー提供をきっかけに大きな飛躍を狙っている。「直営とライセンス販売の両軸で積極的に店舗数を増やし、4年間で100店舗まで増やしたい。カレーチェーンとして、カレーハウスCoCo壱番屋に次ぐ2位を目指す」(島居代表)。夏にはネット通販で、冷凍のくんかれを発売する予定だ。

“たっぷりの肉”で日本を腹から元気にしたい

 これまでの2店とは逆に、飲食会社が個性派カレー店を新業態としてスタートさせている例もある。「とんこつラーメン博多風龍」グループが2013年3月からスタートさせたカレーショップ「東京スタミナカレー365秋葉原道場」だ。店名になっている「365スタミナカレー」(600円~)は、バラ肉に特製のタレをからめて焼いた「スタミナ焼き」がたっぷりと盛り付けられているのが特徴。「スタミナたっぷりのカレーを食べてもらい、腹から日本を元気にしたい」という。

 新業態をスタートさせたのは、会社が急成長してスタッフも急増しており(正社員約80人のほかにアルバイト約100人)、人材活用のために新たな展開の必要性を感じていたためでもある。ある程度の年齢になったときに独立できる場所を会社として用意する必要があるが、ラーメン店ばかりでは幅が限られる。そこで、外食業界でブームの兆しがあるカレー店に着目した。

 「大手カレーチェーン店にも個人のカレー店でもできない分野で、ニッチなニーズを狙っていく。ほかの会社に真似のできない、独自のビジネススタイルを構築していきたい」(MENYAの田中辰雄代表)。

 メニュー開発にあたってスタッフに「スタミナ」のイメージについてアンケートしたところ、「ニンニク」「豚肉」「卵」の3つを挙げる人が圧倒的に多かった。そこでこの3つの食材を必ず入れることにした。「東京スタミナカレー365」という店名は、365日毎日食べても飽きないカレー、365日毎日元気を与えられるカレーという意味。ネーミングからも前述の2店のような非日常性を感じさせる戦略ではなく、むしろ日常食としての魅力をより特化した商品づくりであることが伺える。

 コストパフォーマンスの良さは“ワンコインで替え玉2個まで無料”という博多風龍のDNAだろうか。当然ながら、客層はほとんどが男性だ。客単価は750円~800円。現在の1日の平均来客数は200人前後で「順調に伸ばしていけている」(田中代表)という。

 基本の「365スタミナカレーシングル」を食べてみた。普通のカレーを見慣れた目からは驚く肉の量で、カレーというより肉料理を食べているよう。だが豚肉がとても軟らかいので、意外にするりと食べられた(女性には毎日は無理だと思うが)。さらに肉の量が2倍の「365スタミナカレーダブル」(750円~)、3倍の「365スタミナカレートリプル」(900円~)があり、一番人気はダブル。約3~4割がこれを選ぶそうだ。

 「カレーは家庭でもよく作られ、誰でもある程度はうんちくを語れる料理。それだけに難しい部分がある。今後もお客様からご意見をいただきながら、変えるべきところはどんどん変えて、より質を高めていく」(田中代表)。

今なら「業界2位」も夢じゃない!?

 カレーチェーン業界はここ数年、「2位不在の業界」といわれてきた。トップのCoCo壱番屋が店舗数をぐんぐん伸ばし続け、現在1315店舗(2012年度決算期時点)と独走状態。しかしそれに続く二番手が見当たらない。金沢カレーブームの火付け役といわれる「ゴーゴーカレー」ですら、現在、数十店舗。トップとは2ケタも違うのが現状だ。

 逆にいうと、100店舗以上出店できればカレーチェーン業界で堂々「第2位」の座を勝ち取れることになる。大手飲食との業務提携に意欲的なカレー店が増えている裏には、そうした状況もありそうだ。カレーソースは集中調理に向いており、フランチャイズ展開が容易であることもその理由だろう。極端にいえば店舗を新たに作らず、既存のレストランにカレーソースを提供するだけでも展開できる。

 万人受けする“守り”のカレーを提供するCoCo壱番屋の快進撃に、“攻める”個性派カレー店が、どこまで肉薄できるか。カレーチェーン業界の勢力図が大きく変わる可能性もありそうだ。

(文/桑原恵美子)


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