芝浦の運河、残念ながら臭います・・・

港区芝浦・港南地域は、運河に囲まれた特徴ある水辺地域ですが、残念ながら水質は決してきれいとは言えず、特に夏場は悪臭で近隣からクレームが毎年のようにあります。

これは、東京都が雨水と汚水を同一管によって排除する「合流式下水道」というシステムを採用しているため、雨天時に未処理下水が当該運河に放流されており、それが水質汚濁や悪臭の原因となっていると強く推察されました。

運河の水環境をよくしたい!

近隣の住民の方々からのそうした声をうけ、何とかこの水環境をよくしたい、と強く決意。

そのための予備調査として、臭いの原因を確定すべく、芝浦地域の新芝運河において、ポータブル型「においセンサ」を取り付けての、運河の臭気モニタリングの政務調査を、私自身の手で開始することにしました!

しかし、いざ調査するにあたって、手続きがとても大変でした。

都庁に出向いて管理者の港湾局とやり取りするだけではだめで、運河の手すりに測定機器取付の許可は、辰巳にある「高潮センター」に、ということで、わざわざ辰巳に行ったり。

さらに、水面の利害関係者である、複数の漁業協同組合の組合長さんや運河のことを協議する地域団体「運河ルネサンス協議会」にも、私自身が出向いて丁寧に説明する必要が。

測定開始!

ともあれ、何とか法的な許可と、地域の皆さんの理解を得ることができたので、本年5月22日から6月24日にかけての約30日間、臭気レベルの測定を開始することができました!


センサ設置に当たっては、地域の中学生への運河学習などで日頃より大変お世話になっている、東京海洋大学の佐々木剛教授に色々ご指導いただきました~。
また、港区に事務所を置く、NPO法人「地球環境共生ネットワーク」の方々にもお手伝いいただきました。

手すりにつけた、ポストのような測定機器観測箱(実際にポストを使用しているのですが)のなかにポータブル型臭気測定機器(XP-329ⅢR)を入れ、24時間連続測定するための電池交換とデータ回収のために、一日2回程度毎日こちらに通いました。

私自身はこうした測定は不慣れでありますし、行事や区民相談をぬっての、時には雨に打たれながらの電池交換等は大変でしたが、地域のお役に立てるためと思うと頑張れました~。

調査報告いたします。

そして、議会活動などの合間で、ようやく臭気測定のデータの取りまとめることができました。

 

結果は、以上のグラフでのみお示ししますが、雨天日に、他の日と比べて臭気レベルが強くなる傾向があるのは明らかといえそうです。

特に、都心における排せつ行為が増える日中の時間帯に集中して高くなっていることから、やはり臭気の原因の大部分は、雨水に混じる下水放流そのものと結論付けられそうです。

なお、今回「雨天翌日」のデータを分けたのは、雨の影響が翌日まで及んでいる可能性が高かったためです。

臭気は「その他の日」のデータにみられるように、雨が止めば沈静化していきますが、排出された汚物は運河底に沈殿し時間をかけて分解され、その際に硫化水素という有毒なガスを発生させます。

調査結果を受けて

今回の調査より、東京都の「合流式下水道」の帰結としての下水放流が、芝浦港南地域の運河の悪臭の原因と考えられました。

しかし、都は、この下水道システムをすぐには解消できない、としています。

では、あきらめるしかないのか。

当システムを前提としても、たとえば下水が放流される前に浄化する、もしくは放流後すばやく浄化するといったことがもしできるならば、運河の臭気を抑制することは可能ではないかと思います。

さらに、既に運河底に沈殿した汚物が硫化水素に分解される前に浄化させることも必要です。

そこで次のステップとして、それらの提案が実現可能かどうか、引き続き実験したいと思います。

ご期待ください!