昨年(2019)は、ツーリング作が少々不作でした
秋季に台風の影響もあったとはいえ、昨年は年間3作だけだったという少なさで、当別荘ツーリング最盛期だった2013年が11作だった事を思うと、寂しい限りの年でした
という事で、今年は少し気合を入れようwと、寒さ厳しい1月に、異例の早さでツーリング始めをして参りました^
去年書きました通り、2019-21年度のツーリング始めは"初心に返る"がテーマ、当別荘初期の頃、よく走った場所を再訪するという方針です^
今年早々に行ったのは、上京当初よくバイクの練習に来ていた三浦半島です^
行ったのは1月前半、天気の良かった日を見繕ってサクッと走ってきました
早朝都内出発、今冬の関東は暖冬だったとはいえ、冬の高速を早朝からバイクで走るとやっぱり寒い^
凍えながら辿り着いたのは、横横道路の横須賀PA
高速名物、↑"コーヒールンバ自販機"でまずは一杯
近距離でも、この自販機をみるとツーリング気分が出ます^
衣笠IC→三浦縦貫道路(サンサンライン)を通って・
三浦半島南端、三浦市へ入ります
今作の行程は、三浦半島の端にある"城ヶ島"を散策してから三崎港でマグロを食べ^、午後は同市にある"油壷マリンパーク"を訪ねる、"超ミニツーリング"です
三浦市、立寄り最初は、最寄り駅訪問
ちょうど城ヶ島への道沿いにあったんですが、三浦半島で鉄道といえば勿論京急、終点・三崎口駅です
近づいてみると、↑駅名板がなんか変・
三崎口の"口"だけ色が赤く、横に小さく"マグ"と書かれています。
"三崎マグロ駅"にしてありました^
そういえば京急、何年か前に"北斗の拳"とコラボした時、京急蒲田駅の駅名板を"かぁ~またたたたた!駅"に替えた事があり、利用客の度肝を抜いてましたがw、関西私鉄顔負けのこういった大胆な試みを平気でやる社風が、全国に京急ファンが多い理由だと思います^
京急本線の終点という事で、駅前にはバスターミナルもあり、三浦市中心部へはここからバスが足となります。三崎口駅は、市街から少し離れています
↑写ってますが、駅前には大き目のセブンがあって便利です
三崎口駅から南下、半島先端の先にある城ヶ島へ向かいます
島へは、城ヶ島大橋で繋がっています。
料金所は半島側から島へ入る時だけ徴収、戻る際はスルーで通過です
全長500m余、半島と城ヶ島を結ぶ唯一の道です。僕これまでバイクで三浦半島にはさんざん来てますが、この橋を渡った記憶はなく、今回初城ヶ島です
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朝の城ヶ島、まだ観光客の姿はなく、静かです
漁港からは~
↑写真でわかりづらいですが、↑富士山が相模湾ごしに見えました
漁港の近くにあった、城ヶ島灯台を見に行きます
灯台があるのは、島の西端です。
↑城ヶ島灯台です(※塔高約11m)
この灯台、明治政府が招請したフランス人技師・ヴェルニーが設計したいわゆる"ヴェルニー灯台"の一つで、1870(明治3)年に初点という日本最古級の灯台です。しかし残念ながら初代灯台は関東大震災で倒壊、現在のものは2代目です
内部は非公開ですが、敷地内の灯台傍まで入れます。
海上保安庁の許可を得て、三浦にちなんだペインティングがされていました
マグロを咥えた↑猫の姿も
そんな灯台からバイクへ戻る途中、本物のネコがいました
「ニャ~」と呼び止められました^
近づくと↑すぐ足元に絡んできました。人懐っこい城ヶ島のネコです
再び、↑城ヶ島大橋の下まで戻ってきました。
この橋のたもとには~
当地に一時期住んでいた、北原白秋の歌碑があります。
↑写真逆光ですが、『城ヶ島の雨』の一節、
”雨はふるふる 城ヶ島の磯に 利休鼠の 雨が降る” が彫られています
(※"利休鼠"とは色の名で、少し緑がかったグレーとの事)
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つづいて、島の東側にある、城ヶ島公園を歩いてみます
松並木が見事、そして松の足元には、冬の花・水仙が白く美しく咲き競っています
小さな島の端にあるので、吹き抜ける海風が気持ち良かったです^
小高い展望台に昇ると~
東には房総半島、西には伊豆半島、そして遠くに富士山、見通しがききます。まさに"地図で見る三浦半島"の位置そのものの展望でした^
公園の入口看板に↑ちょこんとのっている鳥は、三浦市の鳥であるウミウです
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城ヶ島での散策を終え、再び大橋を渡って市街(三崎港)側へと戻ります
三崎港側から眺める城ヶ島大橋が、↑漁船のむこうに見えます
漁港近くにある"みうら/みさき海の駅・うらりマルシェ"に寄ってみます
2階建で、1Fには魚や乾物の店が並ぶ
そして、2Fは野菜売場
三浦(三崎)といえばマグロ等、魚のイメージですが、三浦半島は近郊作物の産地としても知られ、豊富な種類の野菜が並んでいました^
ちょっと早めですが、混む前に昼食にしますw
ベタですが、三崎のマグロを頂きました^
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腹ごしらえも済んだところで、午後の目的地は~
三崎の街から左上へ、油壷方面へ進みます。
油壷といえば・
ご存知、油壷マリンパークです
京急グループが経営する水族館です。
この"油壷"という特徴ある名前ですが、近くにある入江・油壷湾の名からきています
(※本作では以下、このマリンパークの事を"油壷"と略記します)
実はここ、単体で"いまさらですが"シリーズとして、電車で来る予定をしていました。しかしツーリング作数の水増しのためw、本作に組み込む事としました
では、中をWo流にみていきます
入場してまず最初に目に入ってきたのは~
ドデカいアシカさんです
油壷では、アシカ&アザラシが一緒に泳いでいます^
いろんな施設がある油壷ですが、まずはメインの水族館から見ていきます。玄関の前には巨大なサメの顎歯の化石が出迎えます
その玄関の前に、けっこう珍しい展示をしていました。
玄関前の↑水槽、その中には~
小さなサメが!
そして・
この水槽、『手を入れてサメを触ってみて下さい』との事(驚)
恐る恐る、ソーっとサメに触ると・
ザラザラっとしたサメ肌でしたw
サメは触られても少し動くだけで、おとなしかったです^
・と、ツカミはなかなかの水族館ですが^、館内の展示方針はけっこうシリアスな印象でした。油壷全体に貫かれている基本テーマは、"地元重視"
↑玄関にあったパネル、全て相模湾に生息する生物で、これだけ豊かな種類がこの神奈川沖にいるのか!と改めて感心します
とはいえ、やはり水族館という事で、世界からも魚を集めています。
↑はキャビアでおなじみのチョウザメです。
ロシアのカスピ海で生息しているチョウザメですが、サメの仲間ではなく、体の構造上サバ等に近いんだそうです。約3億年前からほとんど進化してないとみられ(驚)、"生きた化石"ともいわれます
↑のチョウザメ、油壷でなんと47年間飼育されているとの事
ウツボも泳ぐ水槽、様々な魚が一堂に
油壷は今年、開館50周年との事で、記念の沿革展をやっていました。
ここからは、同展で油壷マリンパークの歴史をみていきます
この水族館、初代館長が抱いていた当時としては斬新な着想(後述)を基本理念に、1968(昭和43)年開館しました。
京急電鉄開業70周年記念事業として、同社の縄張り^である三浦半島にメインのレジャー施設を、という事でオープンしたものです
オープン当初は『東洋一の水族館』とも謳われ、押すな押すなの大盛況だったといいます
そんなマリンパークの初代館長に京急が白羽の矢を当てたのは、↑末広恭雄。東大水産学科教授を退官後、油壷へ招請されました。
展示によると、末広は大学で教鞭をとるだけでなく、著述家や音楽家としての活動もしていたマルチな才能の人だったとの事。
↑は"サーカス水族館"という彼の著書で、魚類がいきいきとショーを見せる(※1956年時点の)未来の水族館の姿を描いており、末広はこの本の構想を、油壷で実現しようとしました。
昭和40年代頃までの水族館といえば、ただ水槽が種類別に並んでいるという所が多かった中、油壷は『魚の持つ生態・能力を研究し、ショーという形で来館者に供覧する』という様式を当初から目指した、日本初の水族館だったとの事。
現在でいえば大阪・海遊館や沖縄・美ら海水族館のような”ショー型水族館”の元祖が油壷なんです
↑は当初行われていた『マリンテレフォン』というショーで、水槽内の"マリンガール"と外の来館者が、ホースを通した電話機で会話をするというもの
現在では前述の2館をはじめ、神奈川県内でも近隣に江ノ島水族館や八景島シーパラダイス等、ショー型水族館が多数出来、最近は入場者数が減っているとの事です。しかし油壷は、生態研究や繁殖等、我が国水産研究に大きな役割を果し続け、今でも日本を代表する水族館の一つに数えられるとの事
2階もあります
円形の大水槽を、魚たちが回遊しています
↑様々な魚をミックスさせて泳がせる大水槽、今では全国の館にありますが、油壷がそのはしりです
↑は2006年、湯河原町沖で漁網に入った、世界的にも希少なサメ、メガマウスシャークの標本と模型。世界で37例しか発見されてないという超レア種だそうです
地理オタの僕的に面白かったのが、↑『相模湾の定義』
↑地図の通り、どの範囲を"相模湾"とするかは見解がいくつかあり、広義では房総(野島崎)と伊豆(石廊崎)を結ぶ線、狭義では真鶴と城ヶ島を結んだ線になりますが、海岸から10数キロで水深1.000mの深さになる湾は日本では少なく、日本3大深海湾といわれます(※あと2つは、駿河湾と富山湾)
そんな相模湾なので水生生物が豊か。↑写真にありますが、ヒドラ類のご研究で知られる昭和天皇もよく訪れ、度々相模湾で船上の人となられたそうです。
借受か譲渡か不明ですが、↑沖縄美ら海水族館から来たサメもいました^
↑こんなのも相模湾にいるそうです。日本初の"ショー型水族館"は、地元・相模湾にこだわる研究型水族館でもあります
水族館を出たところに、ペンギンさんの池があります
なぜか皆、直立不動w
敷地内から↑相模湾を直接望めます
次は、↑『みうら自然館』
魚類に限らず、三浦半島の水辺にいる生物を多角的に紹介していました。↑は絶滅した二ホンカワウソの貴重な写真。三浦では1927(昭和2)年に城ヶ島で発見された個体が最後とされます。
三浦半島には現在でも、河川等に蛍やサンショウウオ等の生物が見られるとの事。二ホンウナギが遡上する川も数本あるとの事で驚きました。首都圏に残された貴重な自然です
しかし油壷には現在も、カワウソがいます
次は、"カワウソの森"へ
いました!
ここにいるのは、主に東南アジアに住む、コツメカワウソです。
飼育係のお姉さんから餌をもらってます、けっこうかわいい
さいごに、↑イルカとアシカのショーをする屋内劇場『ファンタジアム』(※ストーリー仕立てで進行していくのが他館との違い)を見てからあとにしたんですが、残念ながら1作あたり容量限界になってしまいました
しばし神奈川の海と戯れた、三浦の一日でした^
横須賀や逗子等、大きな街も擁する三浦半島ですが、まだまだ自然も残る、魅力の半島です。京急もいいエリアをおさえていると思います
往路と同じく、三浦縦貫→横横→首都高で帰京します
2020年のツーリング作、去年の雪辱となるか?お楽しみに
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【※2023追記】
油壷マリンパークは、2021年をもって惜しまれつつ閉館しました。
今作は、貴重な記念となりました
(※2023.10 文一部修正)