vol.282-1 ついに乗った!日本唯一の定期夜行列車『サンライズ』&木次線/三江線(1) | 旅ブログ Wo’s別荘

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 これまでの鉄道作で、僕は事あるごとに、『いま日本で唯一残っている夜行列車は、"サンライズ瀬戸・出雲"だけだ』と書き続けてきました。

 

しかし・

 

あ、そういえばまだ乗った事なかったなぁ・あせる

 

こりゃダメだという事で、先日『出雲』のほうに乗ってきました^馬

 

今回これに乗る事にしたのは、ほかにも目的があります。

当別荘で2014年に訪れましたが、ついに廃止が決まってしまった島根~広島県を結ぶ三江線の一部にもう一度乗る事と、その三江線に匹敵する"超ローカル線"というべき、同じく島根~広島県を結ぶ木次線にも乗りに行くという作です。

ではスタートですグッド!

 

夜のとばりが降りた東京駅星空

いよいよこれから~

ホームへ昇ると、既に入線していました!

もうちょっと早めに来たらよかった(汗)あせる

東京22:00発、寝台特急『サンライズ瀬戸・出雲』です流れ星

現在日本で定期運転されている唯一の夜行列車である『サンライズ瀬戸・出雲』、国鉄時代からブルートレインの『出雲』号として運転されていた伝統ある夜行列車の流れをくむ列車です電車

 

1998(平成10)年に電車寝台車両・285系を新造し、その際に別運転されていた高松行ブルートレイン『瀬戸』号と統合、東京~岡山間は併結運転されるようになりましたおひなさま

この車両を造るにあたり、当時のJRが謳ったテーマは"夜明け"コーヒー

 

かつて、国鉄各線の夜を駆け抜けていた"ブルートレイン"の客車は濃紺に塗られていました。あれは勿論『夜』を表した塗色ですが、そのイメージを打破すべくこの285系は、を想起させるサーモンピンクを基調とする明るい塗色にしました。

↑のシンボルマークも、まさに”日の出”を表しています晴れ

 

さらなる鉄ネタですが、↑マークの下の形式番号の字体、JR西日本の文字体です。285系はJR西日本と東海が共同開発したという事になっていますが、実際には国鉄時代から関西以西の夜行客車を主に担当してきたJR西が主導して造られました。

 

かつて東京~大阪を結んでいた伝説の寝台急行『銀河』も、大阪鉄道管理局→JR転換後も引続き西が担当していました星

窓の形状が、↑各車さまざまに違うのも面白い。

サンライズはA寝台とB寝台の個室が主ですが、一部”ノビノビ座席”という、一昨年廃止された急行『はまなす』(※vol.217参照)にあった”カーペットカー”のような席もあり、バラエティ豊富なのも魅力のひとつですグッド!

14両編成で、岡山方7両は高松行『瀬戸』号、東京方7両がこれから乗る『出雲』号です(※編成内容は両者同じです)

では乗り込みます^

お~

車内に入って第一印象は、『20年経ったと思えないほどきれい』キラキラ

それもそのはず、数年前に大規模リニュが施されたんだそうです。

↑僕が予約していた13号車9号室、Bシングルです星空

僕の頭にある"B寝台"のイメージって、激狭の3段ベッドが並ぶ光景を思い浮かべるんですが(古)、そういう時代を生きた人間からすれば『B寝台で個室!こりゃ贅沢』という感想です(笑汗)あせる

なお、個室ドアは番号設定式のロックが付いていますカギ

浴衣と、なぜか紙コップが備付けコーヒー

勿論ベッド幅はB寝台サイズなので狭いですが、でも何より”個室”というのがgoodです。窓もひとつ占有だし、いびきもかき放題wぐぅぐぅ

22:00定刻、雨が降る東京駅を静かに出発!カエル

非日常の列車の車窓から見る、日常の電車、いい感じですw

 

このサンライズ号、停車駅がなかなか"特急"の面目躍如で、東京駅の次はいきなり横浜(※品川通過!)、その次も大船・小田原にも止まらず熱海まで通過と、かなりの停車駅厳選ぶりで、かつて東京駅から多数発車していたブルートレインたちと同様の停車駅厳選ぶりです馬

 

又、乗り心地も"さすが特急用車両"と思える快適さで、これは内装のようにリニューアルで簡単に改善するものでもなく、車両のつくりそのものを初めから丁寧に造っていた、というのが乗ってみればわかります^ヒツジ

人心地ついたところで、編成全体を見ていきますw目

残念ながら食堂車や車内販売はありません。↑自販機のみですお茶

半車分ですがラウンジも付いています。10人程度でいっぱいになる感じかな・あせる

シャワー室もありますカエル

利用する際は↑で"シャワーカード"を購入(※A寝台利用客には1枚支給)ドライヤー

・とか何とかいってるうち、各車内は眠りにつき始めましたぐぅぐぅ

僕も、仕事終りで乗ったので眠気が・w

東海道本線で夢の中へと入りますお月様

 

-*-*-

東京から下りに乗ると、乗降扱するさいごの停車駅は静岡ですが、その後夜中の間にも、"運転停車"というダイヤ上の停車をする駅があります。豊橋に停まったところで目が覚めたんですが、それから起きてしばらく車窓を見ていると・

 

なんと名古屋駅は通過(!)、でもなぜか岐阜駅に少しだけ停車、どういう基準で決めているのか謎です・ウサギ

大阪駅に停まったかどうかは、その後また寝たのでわかりませんがw、次に気がついたら、翌朝最初の客扱停車駅である姫路駅でしたヒヨコ

 

-*-*-

やがて、白々と夜が明けてきました。

まさに”サンライズ”です晴れ

↑窓の外を流れる川は、岡山県東部を流れる吉井川です(※熊山駅付近)

 

夜行列車最大の魅力は、『目覚めたら、昨夜同じ車窓から見たのとは全く違う地方の光景』、僕はこれだと思うんです。

しかし今や我国で唯一、この醍醐味を味わえるのが、このサンライズだけとは・流れ星

 

サンライズ号、岡山駅に到着します虹

岡山駅、6:27着。

同駅で、『出雲』/『瀬戸』の切離し作業があるため7分停車します。東京駅以来初めて、車外で撮影出来ました^ベル

東北新幹線とかでもおなじみの光景ですが、この『列車の切離し(※解結)』って鉄ちゃんならずとも↑の人気。なぜか撮影したくなる人が多いみたいですw

 

先に『瀬戸』が四国へ向かって旅立ち、身軽になった我が『出雲』も、再び西へ走りだしますDASH!

↑倉敷駅で、朝の通勤電車を待っている沢山の足w

(※1階室だったので窓が低い)

サンライズ号は倉敷駅から山陽線を離れ、伯備線に入ります右上矢印

山陽側と山陰側を結ぶ中国地方の”陰陽連絡線”(←※当別荘でよく出る単語)の中で、唯一全線電化されている伯備線。

車窓には山が迫ってきます。

昨夜からの雨は降り続き、山も雲にけむっていますくもり

高梁川と何度もクロスしますうお座

伯備線の昼行特急、↑『やくも』と離合します。

JR他社ではとっくに引退している『元祖・国鉄振子電車』・381系が今も活躍しています電車

岡山・鳥取の県境に近い、伯備線で一番の主要駅・新見駅に7:43到着。当別荘過去作で度々出る、姫新線&芸備線の起終点が、この新見駅ですフラッグ

山越え、谷越え、サンライズ号は日本海めざし本州横断^うり坊

鳥取県に入り、車窓から見える川も日本海側へと流れはじめます。

9:03、米子駅到着。

ここから山陰線と合流します左右矢印

雨の中でもしっかり定刻で運転をつづけるサンライズ出雲号、ついに終着駅のある島根県へ入りました。

9:30松江駅到着、一昨年の"神有月の出雲"シリーズ(vol.239~241)以来の島根県入りです^グッド!

車窓から↑宍道湖が見えると、ラストスパートです波

そして~

東京駅から約14時間の長旅を終えたサンライズ号、

9:58定刻、終点・出雲市駅に到着しましたブーケ1

所要時間・約12時間とはいっても個室寝台、全然快適で、疲れるどころか逆に、昨日の仕事の疲れがとれてしまいました(笑)

 

-*-*-

1年半ぶりに降り立った出雲市駅、大社造を模した駅玄関が独特です。

おととしの神在月ツアーの時には、この駅をスタートとして一畑電車や出雲大社等へ行きましたが、今回は・

再び普通列車に乗り、先程サンライズ号で通ったばかりの米子方面へ戻りますリサイクル

山陰線を3駅、米子方へ戻り、宍道駅電車

今作もう一つのハイライト、ここから分岐している、知る人ぞ知る超ローカル線、『木次(きすき)線』に乗りますカメ

ここ島根県・宍道駅~広島県・備後落合駅間、約80kmを結んでいます。

JR西管内のローカル各線で使われているワンマンDC、キハ120型です電車

宍道駅を11:18発車時計

これから約3時間の、夢の中のような天空トリップへ旅立ちます(※何が天空トリップなのか?は、この後ご覧下さい^)

 

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宍道を出ると、まずは・

田園風景と山が織りなす、中国山地定番の風景が車窓に広がりますが、意外と住宅も多く見受けられます家

2014年に行った三江線(vol.180)との比較も混ぜながら書いていきますが、この木次線は途中の出雲横田まではそこそこ乗客数があり、全線に亘って乗客希薄な(涙)三江線とは少し違った面もあります。

 

そのため、乗客の多い途中主要駅の木次・出雲横田両駅までの区間運転車が1~2時間おきに設定されています。

一方、県境の秘境区間となる、その先の終点・備後落合まで全線を走り通す便は1日3本しかありませんあせる

沿線に、名もない木々が可憐な花をつけていますブーケ2

こういう何気ない光景を眺めて走るのが、ローカル線最大の魅力ですね桜

 

線名にもなっている主要駅、木次駅へ11:52着。

同駅には、木次線の車両基地があります。

木次駅にあった神話の獣、↑"おろち"の絵目

木次線全18駅の名も記されています。

休日等には機関車+客車を使った臨時観光列車『奥出雲おろち号』がここから運転されます(※一昨年の神在月シリーズ中に画像あり)

 

木次を出ると、森が深くなってきます。県境近しの感です霧

山地へ近づくにつれ、また雨が強くなってきました雨

とはいえ、出雲横田までの区間はまだ家も多く、駅ごとに街も現れますしっぽフリフリ

↑の中間駅ですが、読書好きには有名な駅です。

この駅の名は~

亀嵩駅です。

松本清張原作の『砂の器』が映画やドラマ化され、一躍有名になった駅です。この木次線の駅です星

そして亀嵩駅の次駅が、木次駅とともに同線もう一つの主要駅・出雲横田駅です。

ここから奥、県境越えの区間が前述の『1日3本』となります虹

20分程停車時間があるので、↑駅をみてみます^目

瓦ぶきの風格ある駅舎ですが、外へ廻ってみてさらに驚き^

お~

↑へたな神社顔負けの立派な玄関!太い注連縄が印象的です。1934(昭和9)年、同駅が開業した時からの駅舎だそうですキラキラ

 

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出雲横田駅を出ました。いよいよ県境区間、いわば"木次線の秘境区間"へ入っていきます。

更に深みを増す、森へと分け入っていく木次線霧

 

次の駅では~

お、↑左側からもう一本線路が合流してきます。

ここは~

出雲坂根駅です。

鉄ちゃん間では有名な駅ですが、この駅は、我が国鉄道屈指の"スイッチバック駅"なんです。

スイッチバックとは、鉄道が山を登るために線路を何度か折返しながら、つづら折り状に高低差を稼いでいく登坂方法ですが、JR東日本・篠ノ井線の姨捨SBとともに、特に壮大なスイッチバックとして知られます右上矢印

駅前の道路標識も、↑『スイッチバックの駅』と明記、もはや名所扱いです宝石紫

同駅構内には、↑"延命水"という名水が湧いてて、途中下車したら飲用必須です^みずがめ座

駅舎は近年建替えられたようで、地域の集会所と兼用の建物になっています。駅の活性化を期すため、近年ローカル駅に多くみられる例です。

20分停車のあと逆方向へ動き出すDCDASH!

いよいよ↑スイッチバック区間へ挑みます^馬

2分程走り、↑覆屋のある折返し所で一旦停車。

再び運転手さんは逆側の運転台に座り替えますリサイクル

折返してさらにもう1段、登っていきます右上矢印

信州姨捨のスイッチバックも壮大なものですが、軽快な高性能電車で登っていく姨捨に比べ、ここ坂根はディーゼルカーが喘ぎながらスローに登っていくのが"登坂感満点"、人気の理由です^かたつむり

出雲坂根から、次駅の三井野原まで18分かかります。

山また山、トンネルまたトンネル・カメ

この両駅間に民家はほとんど無く、霧に煙る深山を列車は進みます。

↑物凄い谷の横を走る区間もあり、まさに"天空の鉄路"と呼んで過言でないと思います。はるばる来た甲斐があったと思える区間です星

夢の中のような景色に、乗客の目は車窓に釘付けキラキラ

出雲坂根から18分、天空の鉄路を走り切ったDC、ようやく三井野原駅と民家がみえてきました家

三井野原駅が、宍道から乗ると島根県さいごの駅です。

又、同駅はJR西日本で一番標高が高い駅(※標高726m)です。

三井野原を出ると県境越え、3月下旬でしたが、↑まだ雪が残っている場所もありました雪

広島県に入って最初の駅、↑油木駅がさいごの途中駅です。

 

そして~

おつかれさまでした!

大スイッチバックを登り切った小さなDCは無事14:33、終点・備後落合駅に到着しました^フラッグ

1日3便でしか味わえない"天空の鉄路"、木次線の旅がおわりましたグッド!

備後落合駅は、広島~新見を結ぶ芸備線と接続するターミナル駅ですが、その芸備線もここからは新見方面1日3本、広島方面も5本しかありません。

僕がウン十年前(汗)はじめて来た当時は、急行も多数走り、駅そば店もあった覚えがあるんですが、ホント寂しくなってました・汗

待合室の中には、かつて同駅の栄光の歴史を語る数々の写真があり、鉄ちゃんを楽しませます。

そして、この備後落合駅で奇跡が!

昨夜からの雨が↑ウソのようにパッと止み、ホームに日差しが注ぎはじめました晴れ

芸備線で三次へ向かったんですが、塩町駅を通る頃には↑の通り、澄み切った青空が車窓に広がります虹

 

-*-*-

広島県中部の要衝、三次駅に着きました。

この駅、2014年の三江線の作で出ましたが、その三江線、報道等でご存じのように、ついに廃止が決まってしまいました。

ここからは、『再訪・三江線、わかれの時』です。

2014年の作では建替え工事中だった三次駅、↑新しい駅舎が完成していました。

 

作容量一杯になりました、今作ここまでです!

 

実はvol.180の作で、三江線で紹介してなかった名物駅がありました。次作で、三次駅→『その駅』までを往復し、まもなく消え去る三江線にわかれを告げたいと思います黄色い花

 

なお、今作~次作では、当別荘初めての手法をとりたいと思います。

今作はvol.282ですが、これを『282-1』と『282-2』の2つに分け、それを同時upして1作扱いするという作数カウントを実験的にしてみます。

 

・という事で、この続きは次作の『282-2』をお楽しみに^ガーン

 

 

 

 

 

(※2023.7 文一部修正)