vol.226 バスブラ2016⑦ 都内有数の長丁場路線・渋谷~調布『渋26』(狛江街ブラ付) | 旅ブログ Wo’s別荘

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 年1回のペースでおおくりしている、路線バスに乗る企画・”バスブラ”ですが、今年は都内ですビル
↓駅からスタートですわんわん



カエル電車と忠犬ハチ公が歓迎してくれる都内有数の主要駅、ご存じ・渋谷駅わんわんカエル

今年のバスブラは、渋谷から出ている路線バスに乗ります^バス

ハチ公とカエル電車の影で忘れられがちな存在の↑"モヤイ像"ですが、今作のスタートは、モヤイ像の傍にある、西口バスターミナルからです^🗿

モヤイ像の向かい側に広がるのは、渋谷駅西口バスターミナルバス
先日、新宿駅前には巨大高速バスターミナル、バスタ新宿がオープンしましたが、渋谷は今でも昔ながらの”青空ターミナル”です晴れ

バスブラ、今作で7回目となるんですが、渋谷から乗るのは2回目です。2012年の作が、渋谷発でした(12.7.19up vol.121、東急バスで目黒不動尊へ行った作)、その作では反対側の東口発(※ヒカリエ側)の路線でしたが、今回は西口側です。

西口ターミナルからは、東急バスをメインに京王/小田急/都営の各社バスも発着し、ポール数約100本もある大ターミナルですバス

そして、この日乗る路線は、小田急バス『渋26』系統、調布駅行です虹
乗り場のポール番号は、前述の通り約100もある乗場の中で、栄光のトップナンバー、"0番乗場"からです王冠1

この渋26系統、数ある渋谷駅からの路線バス中で一番の長丁場路線で、都内から西へ狛江市、さらに調布市まで走り京王調布駅まで、約10km以上、通過停留所52ヵ所を数えます(※2016現在)

我が国都市部の路線バスは5km程度の路線が多いんですが、その倍以上の長さを誇るこの路線、はたして終点までどれだけ時間かかるのか?これから楽しみですあせる

↑バスは発車10分位前には乗場に付けていて、ドアも開けてスタンバイしてくれていますが、乗客がまだいないせいか運転手さんは窓ガラスを物凄い勢いで拭き始めw、なんか邪魔するのが悪くギリギリまで待って乗車しました^


8:03、定刻に発車しました!
渋谷スクランブル交差点を左折、道玄坂を進みますDASH!

ちなみに渋26、この渋谷8時3分発が朝の始発で、平日は朝夕のみ運行、土日はデイタイム中心に約1時間毎の運転です(※2016当時)

数年前までは全曜日/時間帯でコンスタントに30分毎だったそうですが、沿線にあった工場閉鎖に伴う通勤客減少により減便したそうです。
この日も、通勤客溢れる朝8時の渋谷なのに、始発から乗ったのは、僕とおじいさん1名wの計2人だけでした(※途中からは沢山乗ってきます)

なお、渋谷西口バスTは前述の通り東急バスがメインで、他に京王・都営等数社が乗り入れていますが、小田急バスは当時、渋26を含めて2系統だけで、渋谷ではレア的存在ともいえますメモ

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道玄坂からR246へ合流、まさに”東急エリア”ど真ん中wですが、アウェイの小田急バスは臆せず堂々と走ってゆきますDASH!

15分程で、先月upした東急世田谷線の作でスタートした、三軒茶屋のバス停に停車腕時計
前述の通り始発では2人だけだった乗客ですが、途中からは各停留所で次々乗ってきます。三軒茶屋からさらに多数乗り、ほぼ満席状態に!

しかし乗客は、一日数本のこの系統を待ってた訳ではなく、このあたりは東急バスの路線と並走しているため、目的のバス停へ行くのなら、乗客は何でもいいから乗ってきますw
↑バス停もこの辺りでは、東急バスと共同使用です黄色い花

バスは、三軒茶屋の大三叉路から世田谷通りに入っていきます。
次々擦れ違う都内方向へのバスは、平日朝とあって、運席横まで超満員の乗客を詰め込んでいますあせる

↑サトイモの葉っぱのような半屋根を持つ、独特なデザインのバス停(※三本杉停留所)

既に渋谷を出てから1時間近く(汗)、乗客は増えたり減ったりを繰り返し、52ヵ所の停留所ほとんどに停めていきますカメ


バイクでよく通る環八とクロスし、バスは23区外へ出て行きます。
渋谷口からの東急バスエリアは大体この辺までで、環八の外では、代って小田急バスの二子玉から来る系統と合流。段々と小田急色が濃くなっていきます^クローバー

渋谷から約1時間余、鉄道駅前のバスターミナルで停車、”プシュ~”とサイドブレーキが引かれる。しばらく停まるようですDASH!

小田急・狛江駅前に到着。ここで少し時間調整します。
ここからさらに本数が増え、狛江~調布間の区間運転車が多数あります。
(※狛江は、後程戻ってきて街ブラします)

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数分後再び発車、バスは”狛江通り”等を進み、終点・調布駅を目指しますバス

沿線はマンションより一軒家のほうが増え、畑もちらほら残る郊外の風景になってきますコスモス

対向には次々と、小田急バスと京王バスが頻繁にスライドしてゆきます。
23区外のこの辺りには地下鉄はもう無く、都心から放射状に延びるJRや各私鉄が縦糸とすれば、それらを結ぶ横糸として、バス路線が重要な役割を果たしている地域ですリサイクル

小田急バス・↑狛江営業所横を通ります。
渋26はここの担当です。ここで乗務員交代でもするのかなと思いきや、営業所前のバス停はアッサリ通過、終点まで僕とともに乗り通すようですw

バスがさいごに右折した↑交差点、ここを曲がると調布駅前通りへ入ります。ついにラストスパート^

ようやく車内に表示された、↑”終点”の文字^あせる

おつかれさまでした!
渋谷を出発して約1時間25分、終点・調布駅南口バスターミナルへ到着フラッグ

”調布駅前”なので、バスターミナルの前には京王線がドーンと横たわってると思いきや・
↑ターミナル前には空き地が広がるのみです(※2016当時)
この辺りは数年前京王が地下化され、今も再開発の途上なんです。

所々に↑地下駅への入口があるんですが、都心ならともかく、この調布で”高架化”でなく、”地下化”を選んだ京王&調布市の先見の明というか、都市計画100年の計に感心させられます星

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後半は沿線の街ブラですが、終点の調布市にしようかと思ったんですが、かなり初期の過去作・『調布・深大寺/神代植物園/武者小路記念館』(2008.3up vol.24)でやってますので、今作では先程通過した主要経由地、狛江市を街ブラしたいと思います^ベル

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別のバスで、再び狛江駅まで折返し乗ってきましたバス

↑小田急小田原線・狛江駅です電車
複々線化工事により高架化され、堂々たる佇まいです。
ここから街ブラをスタートするんですが、まずこの駅前でいきなり、予備知識なしで降り立つと驚きの光景がありました目

駅前の高架のすぐ横に、↑こんもりとした森が霧
(※写ってませんが、この向い側がバスロータリーです)

この森、『弁財天池特別緑地保全地区』といい、武蔵野の原生林がそのまま残っています(驚)

都心からわずか10km余の狛江、しかも小田急の駅前で、こんな原生林が残っているとは奇跡と言っても過言でなく、都からも保全林に指定されています星

この森、柵で囲われていて普段は立ち入る事は出来ませんが、↑森の片側に遊歩道を設けてあり、森の雰囲気を味わえるようにしてあります。
なお、不定期にですが開放日があり、見学できる機会もあるようです。

・で、なぜこんな貴重な森がこの21世紀まで、都内の駅前に残り得たのか?は~

その答えは、森の隣にある↑のお寺にありました。
『泉龍寺』です(※曹洞宗)
元々このお寺の境内森だったので、明治期以降の開発を免れ、今に残る事が出来たようです。
そのおかげで、現在では大変貴重な都市近郊の原生林として、都や市が関与して保全に努めています霧


これから歩くコースですが、事前に狛江市HPを調べると、市名にちなみ『こ/ま/え』の3コースを設定していましたクリップ
この中で僕は一番旧跡が多そうだった、"ま"コースを選びましたグッド!


その"ま"コースの起点が、この泉龍寺なんです。
奈良の東大寺別当創建と伝えられる古刹で、時代の変遷を経て現在は曹洞宗の寺院となっています。↑鐘楼や本堂等は江戸後期の建造との事(※狛江市指定文化財)

駅からわずか歩3分にある、静寂と緑の空間。
狛江初街ブラ、スタート地点から興味深いスポットでした^カメ

山門を出て、本格的に歩き出します走る人

駅周囲は住宅地ですが、泉龍寺山門前には数軒の商店が見られます。かつて門前町として賑わった面影かもです。
↑左側のクリーニング店の隣には”三味線店”があり、昔日の栄華を偲ばせます。

その三味線店の近くで懐かしいものを見つけました目
↑のスローガンが書かれた飲料メーカーのベンチ、僕が小さい頃よく全国の観光地で置いてました。ある意味これも”文化財”でしょう^

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"ま"コース、駅を離れると、基本ひたすら住宅地の中を歩いていく感じです家

ここで、狛江市のプロフィールを纏めます。
面積6㎢余、東京都の市部では最も小さい市です。
人口約8万人、23区の西隣に位置し、典型的なベッドタウン都市です。
人口密度が全国3位との事ですが、僕は歩いていてそんなに窮屈な感じは受けず、むしろ環境の良い住宅都市という感じでした^コスモス

↑”古民家園前”という信号に出ましたひらめき電球

ここに市立の古民家園があり、"むいから民家園"とも呼ばれています(※むいから=麦わら)
残念ながら月曜で休園でした(汗)あせる

柵ごしに撮影させてもらった、↑藁葺屋根の古民家家
”旧荒井家”といい、18世紀末頃築との事。市内の別の場所にあったそうですが、2002年現在地に移転、保存公開されたという事です。

この民家園の前(道路側)は児童公園になってるんですが、ここで素晴らしいものを見られました目

児童公園の片隅に、色鮮やかな藤棚が!

ホント見事な藤でした。実際は↑写真より数倍鮮やかでしたキラキラ

公園の前はバスも走る幹線道路で、歩行者や自転車も多数通っていますが、藤棚に足を止める人は少なく、鮮やかな藤棚はひっそりと風に揺れていました^


そして藤棚の児童公園の横には、↑”大人用の公園”もw(※西河原自然公園)
ホント、狛江は住環境抜群だと思いました^

再び、コースは住宅地の中へ入りますが・
家並の中に、↑突如現れた盛り土の丘。古墳のようです。

↑『兜塚古墳』です。
狛江市は太古より、”狛江古墳群”と呼ばれる古墳が点在していたそうですが、現在まで残るものは少なく、この兜塚は古墳時代(5~6世紀)に築造されたそうです。詳細は不明との事す。現在周囲は柵で囲われ、内部見学は不可です(※東京都史跡)

兜塚古墳からさらに住宅地をもう少し歩くと、神社が見えてきました。
伊豆美神社です。

↑二重に設けられた鳥居をくぐると・

広い境内の奥に、落ち着いた感じの本殿がありました。
現地看板によると創建は889(寛平元)年、主祭神は大国魂大神との事です。

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さらに"ま"コースは、住宅地の中に点在する名所へと続きます^
↑『万葉歌碑』の標識を見つけました目

これまで、狛江市をけっこう褒めちぎって書いてきましたがw、ここで少し落としておくとあせる、歩いてきたこの散策コース"ま"、名所への標識が出ていたのは↑の万葉歌碑だけで、他は全く見かけず、事前に地図を準備しないと走破するのは困難です(※2016当時)

これまでご覧のように、住宅地の中にスポットが点在するコースなので、同市HPから印刷した地図だけでは、廻るのがやや難しいと思います。僕はスマホの地図と併用して何とか歩けましたあせる

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次は~

住宅の中にあった小さな公園クローバー
この中に・


ひっそり立つ↑大きめの歌碑、”玉川碑”とも呼ばれています。

元々は1805(文化2)年に建てられたとの事。書は松平定信になるものと言われていますが、元々の碑は1829年の多摩川洪水で流されてしまい、現在の碑は1922(大正11)年、旧碑の拓本を基に(※よく拓本とってあったなぁ)再建されたものだとの事です。

碑には、
”多摩川に 曝す手作さらさらに 何そこの児の ここだ愛しき” と、和歌が刻まれています。
(※万葉集巻14の歌・原文は全部漢字。現在の加賀友禅のように、往時は多摩川で染め織物を晒していたそうで、その少女の様子を詠んだとされます)

歌碑からすぐ、その万葉集でも歌われた多摩川に出ましたうお座


堤防にあった、↑『六郷用水取水口』の銘板。
多摩川下流・大田区六郷まで続いていた農業用水、六郷用水はこの狛江市を源としていましたみずがめ座

大田区から眺める多摩川とは少し趣が異なり、のんびりした感じもする河川敷です^
↑対岸は、神奈川県川崎市です。

川の中に、↑ニョキッと生えている大きな松。
この松が、"ま"コースでラストの名所、『五本松』です。
詳細は不明なんですが、5本どころか10数本ありましたwてんとうむし

"ま"コース、ゴールに近づきました^
松を見た後は、多摩川の堤防を延々と約1km程歩きますあせる

泉龍寺をスタートしてから既に2時間以上経っており、このコース、かなり健脚向けだと思います走る人

↑小田急の鉄橋が見えてきました電車

多摩川を離れ、↑小田急の高架下を少しすすむと・

おつかれさまでした、ゴールです^
スタートした狛江駅の隣駅、和泉多摩川駅ですフラッグ

東京都で一番面積が小さな市、狛江市ブラでした^

単にベッドタウンというにはもったいない程、素晴らしい住環境と秘められた歴史、そして残されている緑も豊かな街でしたキラキラ
同市HPに掲載の狛江市歌、1番~3番まである歌詞のラストは全て、”水と緑の わが狛江”で締められています。ホントその通りでしたし、都内にも自然がまだ残ってるんだなぁと改めて思った次第です宇宙人

時間もお昼を過ぎ、これから小田急で新宿へ出て、残る休日時間を秘めやかに過ごしたいと思いますw虹






(※2024.4 文一部修正)