モロッコ旅シリーズも終盤、第6回です
今作は、同国の北西端、地中海の入口に位置するタンジェ市です
(※古い地図では"タンジール"と書いてるものもあります)
先に感想を書いてしまうと、僕が小さい頃よく親に連れられて神戸に行くと感じた、あの懐かしい港町の空気感がそっくりここに残っていました。本シリーズで訪ねたモロッコ各都市の中で、僕は一番気に入った都市です^
↑の感想を下敷きにして書いてゆきます。ではスタートです
ONCF(※モロッコ国鉄)に乗って出発するところから^
モロッコ中部にある鉄道の要衝、↑シディ・カセム駅です。
この駅は、マラケシュ方面(南)、フェス・ウジュダ方面(東)、そしてタンジェ方面(北)への3方向に分岐している要衝駅です
日本でいえば、米原駅に相当する役目です^
sidi kacem駅から約5時間、終点タンジェの街が見えてきました
ちなみにシディ・カゼム~タンジェ間は非電化単線で、バスと大差ないのんびりした走りでしたw
タンジェ市街の端にあたる、↑タンジェ・モローラ駅で下車。
地球の歩き方に"ここが終点"とあったので降りたけど、しかし乗客の約半分位しか降りず、「なんで皆降りないんだろう?おかしいなぁ」と思いつつ降車。
しかし・
後日調べると、やはり終点までもう1駅ある事が判明!
本来の終点のタンジェ・ヴィレ駅ですが、当時、一時工事をしていたようで、その期間、このモローラ駅を仮の終点にしていたため、僕が持っていた"地球の歩き方"にはその時の情報が反映されていたんです
おかげで、市街地まで約6kmという街はずれに放り出されました
でも既にモロッコ入国1週間近く、旅の中でワルザザードへのタクシーエンコ等、既にいろんなトラブルを経験してきたので、もうこの時はコワいものなしの精神状態になってて平気でしたw
気を取り直して、近くの道路にバス停があったので、そこから市バスで街へ出ます
青空の下、眩しい↑白一色の市街地が見えてきました
この街の色は、カサブランカと同じく"白壁"がメインのようですが、カサ市よりも白が一層映えていた印象もしました^
タンジェ新市街へ到着
他のモロッコの街と同様、市街地は西洋風の"新市街"と、アラビックな旧市街"メディナ"に分かれています。
タンジェ新市街の特徴として、同国の大半は独立前フランス支配だったのに対し、タンジェ周辺は長年、地中海対岸のスペインの支配をうけてきたので、他の街でみられる"フランス風"とはちょっと違う雰囲気もあります。そこがタンジェの見所です^
中心部の↑海岸通
海岸通りでバスを降り、歩きます。地中海へつづくなだらかな丘に、家並がつづく光景が広がります
冒頭にも書きましたが、タンジェの街で感じた一番の印象は"海沿いの街だというのを前面に出している"、簡単にいえば"港町そのもの"でした
単純な感想ですが、これしか言えません^
前作でご覧頂いたラバト等、モロッコは海沿いの街でも海を生かした街づくりとなっていない街も多い中、典型的な港町に出会ったというのは新鮮な印象でした^
街の中心に港があり、そこから広い砂浜がズーッと延びています
海岸沿いにはレストランやホテル、クラブ(※DISCOの看板多数)があって、ヨーロッパの海辺と大差ない雰囲気の、地中海のビーチリゾートです。現にモロッコへはヨーロッパ各国から、手軽に行けるリゾートとして観光客も多く、対岸のスペイン/イタリアやジブラルタルからフェリーも就航し、市内では欧州各国ナンバーの車も多く見られました
波打ち際まできました^
地中海の海水、手をいれてみるとかなり温かかったw
左奥に↑遠くみえる丘が、旧市街(メディナ)です。
ではこれから、メディナ探索へ行きます
古い楼門から、メディナの中に入っていきます
メディナ入口付近は市場になっていました。
賑やかです
勿論、旧市街にはモスクも点在します。
タンジェのメディナ、海から丘に向けての傾斜地にあるため、坂道ばかりです。疲れましたw
しかしこの、一面白壁の迷路を探索するのが、タンジェメディナ探索の醍醐味です^
市場のある一角から住宅地に入ると、静かな路地がどこまでも続きます。白壁の迷路を闊歩する↑タンジェのニャンコ
メディナの一番丘の上は、カスバ(※城塞)になっています。
タンジェはこのカスバが博物館になっています。
見学します
太古からローマ帝国の影響をうけ、ヨーロッパ~イスラムと様々な文化が行き交ったモロッコ、その重層的な歴史を展示していました。
展示の中で、僕が一番興味をひかれたのが、↑の地図
ローマ時代から北アフリカ~ヨーロッパ間を行き来した航路が時代別に、地中海の上にびっしり書かれていました
但しモロッコのご多聞に漏れず、解説文がアラビア語と仏語のみなのでイマイチ詳細はわからずですがw
古いコーラン(※謹写)
シリーズ中よく出てきましたが、モロッコの博物館や史跡には大体こういう↑中庭があり、休憩にはいいんですが、整備状況は野趣豊かなところがほとんどですw
-*-*-
カスバ博物館を出て、再びメディナ迷いを楽しんでいると・
丘の中腹に、港と海が一望できるポイントを発見!
港が一望できるビューポイント、偶然自力で見つけました^
↑港に停泊している、対岸のスペイン・アルへシラス/英領ジブラルタルに向かうフェリーがみえます
港の反対側は、↑断崖絶壁の海岸がつづきます
ここから見渡せるのは、まさに地中海~大西洋の結節点です。
世界地図の中にいるような(※変な表現ですがw)感動を覚える光景でした
地球の反対側、マグレブの地(※マグレブ=日の没する地の意・まさに日本の対極)で見る青い空と海、悠久の歴史に刻まれたジブラルタル海峡を目の前にして、感無量の一時でした
-*-*-
メディナ中心部に戻ってきました
↑モスクのある広場の周りは、カフェや銀行、お店が多数
タンジェ、ホントにエキゾチックで美しい街でした^
メディナの頂上近くに、見晴らし抜群のマックを見つけました
モロッコにもマクドが多数ありますw
タンジェのメディナ、景色は素晴らしいんですが、坂道の連続でホント疲れました
という事で、港近くのカフェで又休憩w
旅って実は、こういうひと時が一番思い出に残ったりする事もあるもんです
海岸通りが夜を迎えると、浜辺にはムスリム国とは思えないような店が次々開店しはじめますw
-*-*-
・翌日~
グランタクシー(※シリーズ中よく登場する、モロッコで中距離乗合やチャーターに使う多目的タクシー)で、タンジェ市街から西約15kmにある『スパルテル岬』を訪ねてきました
中古(というより大古w)のベンツで、アフリカ北西端の角を目指します
約20分走ると、大西洋が大きく見えてきました
岬の駐車場到着、土産物の露店が並んでいます
そして、駐車場から歩いてすぐ・
↑スパルテル岬灯台です
巨大なアフリカ大陸、そのまさに北西端です。
そして、地中海の玄関を見守っている、スパルテル岬です
ヨーロッパ、そしてアフリカの激動の歴史をみてきたこの岬、まさに"地球を感じる"場所でした
↑は灯台の反対側(※陸地側)
駐車場とレストラン、土産物屋さんがあります。日本の観光地とあまり変わりませんw
観光用の↑ラクダが待機中・というより、バテてましたw
次に、スパルテル岬近くにある、↑『ヘラクレスの洞窟』へ
タクシードライバー氏が案内してくれました
入口近くは広い洞穴、↑なんと洞内に売店も並んでました^
ここを通り抜けて・
終点は、大西洋にむけてポッカリとあいた↑の穴。
ここが終端です。
ドライバー氏は、「↑の穴の形はアフリカ大陸そっくりだ!」と云うんですが、僕には"びわ湖"にしか見えませんでしたw
↑垂れ幕の通り、タンジェは当時、2012年の万博に立候補していました。
・が、しかし!
この年11/26の選考会で、韓国の麗水に敗れてしまいました
もし実現していたら、これがアフリカ初の万博となっていたはずなんですが、同国はさぞ残念だと思います
-*-*-
1泊2日で滞在したタンジェでしたが、離れる時が来ました
冒頭書きましたが、"実はここがタンジェの終点だった"駅、タンジェ・ヴィレ駅から復路は乗ります
改装が完成したばかりのようで、新しくきれいな駅でした
後ろ髪ひかれつつ、カサブランカ行きの列車に乗り込みます。
ディーゼル機関車に引かれて、サバンナの鉄路へ旅立ちます
タンジェ、ホントに良かったです。今シリーズで訪れたモロッコ諸都市で、僕の中ではトップでした
港町のエキゾチックな雰囲気、地中海とメディナの美しさ、そしてなんとも開放的な空気感が最高でした^
いつか又来たいなぁと心底思いました
今作ここまでです!
モロッコ旅シリーズ、次回ついに最終回です。
同国のゲートシティ・カサブランカへ戻り、"世界最大級のモスク"を訪ね、帰国便に乗ります。お楽しみに^
(※2020.2 2024.1 文一部修正)