上州土産百両首
正太郎 獅童
牙次郎 菊之助
獅童と菊之助を同時に見るのは初めてかもしれない。
意外な菊之助の演技にビックリ!
獅童も今日は無理にウケを狙ってなくて良かった。
ラストの正太郎が花道を引っ込む時、正太郎の運命と、猿之助の 運命を重ねてしまって涙が噴き出した。
10年真面目に働いてきたのに、たった一つの出来事で運命が大きく変わってしまう…。それでも、正太郎にはかけがえのない友がいる。猿之助にもそんな存在が居るといいなぁ。
義経千本桜(所作事)
染五郎が立派になった。一生懸命やっているのが 頼もしい。
白拍子は児太郎、米吉、左近。
児太郎はもう福助にしか見えない。面白い位にそっくりになった。
左近は淡々ときっちり踊る姿に好感。
種之助は踊りは上手いと思うのだけれど、だからこそもっと探究したほうが良いのではないか?上手さが妨げになる事も有るのかな…。身体が動けるぶん荒くなる。
妹背山婦女庭訓
六代目時蔵襲名披露狂言
いつも落ち着いていて完成度の高いイメージの梅枝が時蔵になる。
新時蔵のお三輪は古風で初役とは思えない程の出来。
この役者が汗をかいているのを初めて見た。
かぶり付きで見たから分かるのだけれど、首の白粉が汗で取れて 肌色に。
「形」をしっかり作って居るから見えない所で身体に負荷がかかっているのだと思った。
襲名に当たり、新時蔵のインタビュー記事を何個も目にした。
彼は古典を貫く考えで、歌舞伎をしっかり理解し未来を見据えて自分のやるべき事を考えている。実に頼もしい役者だ。
嬉しいねぇ。
今日は襲名興行だし、かぶり付きなので、母の着物で作ったワンピース、母の手編みのカーデガン、母の腕時計を身に着けた。
鏡に映った私は母にそっくりだった。
私自身が母になったようで可笑しかった。
良い襲名興行だったね、お母さん。