あの日から1年。


あの日、信じがたい事件が起きた。

御両親は亡くなり、猿之助だけが生き残った。

私はその瞬間、「これからも、生きていかなければならないのか」と思った。

とても「良かった」と思えなかったのが正直な所だ。


だって、一人だけ残っちゃって生き地獄ではないか!


私は毎日、毎日、ずーっと猿之助の事しか考えていなかった。


何で?どうして?繰り返し考えてた。


SNSで、たとえくだらない週刊誌記事の情報でもそこから僅かでも 真意を見つけたくて毎日「猿之助」の文字を探した。


裁判所にも行った。(傍聴は出来なかったけれど)


公判で事件のおおよそが分かり、判決が出て私の気持ちも少し前に進めた。


私の個人的な考えでは判決は重く世の中の判断は冷酷だと思う。

しかし、 日本の司法が決めた事。


一般の人は事の経緯を正確に理解している人は少ないだろう。

だから、心無い言葉が飛び交う。

悔しい思いも沢山した。

 

1年…彼の心は今、どうなのだろうか?


最近、犬を飼い始めたらしい。

本を 執筆すると言う噂もある。

どちらも私は嬉しかった。

本を書くという事はまた辛い作業になると思うが、自分と向き合う事になるからこれまでの我が身を整理する機会になる。

犬は必ず君の御方になるよ。裏切らない。

生きる糧になる事だろう。


もしも、彼自身に役者を続ける意志が有るならば、執行猶予明け等と言わずに舞台に立てば良い。

但し、それには余程強い精神力が必要になる。

世間のバッシングを覚悟しなくてはならない。醜い言葉を浴びなければいけない。(遅かれ早かれ湧き上がる)


それでも私は 猿之助復帰の舞台を夢見る。

その時を想像するだけで震える。

涙で 猿之助を確認出来ないかもしれない。


何とか現状を乗り越えて、また私達の前に現れて欲しい。


歌舞伎役者として、舞台に立つことはご両親の何よりの供養になるのだから。


歌舞伎役者猿之助と言うよりも、一人の人間として、しっかりと生きて欲しいからだ。


あれから1年。遠い昔の出来事のようだ。


あの日から1年。君は生きている。

良かった。そう思えるようになったよ。


最近、ようやく普通に歌舞伎が観られるようになった。

それはひとえに松緑のお陰。ありがとう松緑。

感謝だよ。


1年が過ぎ、これからはなるべく過去を考えないようにしようと思う。そう心掛けて、猿之助の舞台復帰を夢見る事にしよう。


猿之助よ、強くなれ。


それまでは私も自分を大切にして、ちゃんと生きていないとな。



信ずれば、夢は叶う。

必ず。

心を強く持って。



「亀」を見たら買わずには いられない。当分はこの「亀ちゃん」で我慢だ。