2か月続いたロングラン公演のスーパー歌舞伎「ヤマトタケル」が 無事に千穐楽を迎えたようだ。 


2月に隼人、3月に團子を観た。


私の中でハッキリした事は

「猿翁は本当に居なくなってしまったのだな」と。

「四代目猿之助のヤマトタケルを観る事も、もう叶わないのだな」と。

そして「澤瀉屋は猿之助を待っていない。猿之助もまた、戻る事は無い。」

 と言う事だ。


私はもうヤマトタケルを生の舞台で観ることは無いだろう。


私の中の壮大な「ヤマトタケル」は

追悼番組のノーカット版が有る。

それを大切にしようと強く思った。


今回の(特に團子版) ヤマトタケルでは

「天翔る心」は何なのだろうか?

答えられる人が居るのだろうか?


早替わり有り、立ち回り有り、宙乗り有り、と手順だけを追った舞台になってしまったように思う。


心が動く事は無かった。


それでも、猿之助不在の穴埋めとしてヤマトタケルを2か月演じきったのだからヨシとしなければ。


地方公演が待ち受けている。大阪、名古屋のお客様の目は厳しい。どう評価されるか…。

荒波に揉まれておいで。


しょうがなかったとはいえ、團子では無理だった。周りも補いきれなかった。

それだけ、スーパー歌舞伎には「歌舞伎の力量」が必要になるのだと私は理解した。


 個人的には、現役者の中では尾上右近のヤマトタケルに巳之助辺りが絡んでくれたらもっと面白かったのにな、と思う。

あの2人なら、猿翁と違う角度からのヤマトタケルも観られたのでは無いかな。

歌舞伎の基本があるから、歌舞伎になる。


個人的には残念な2か月で有った。

「ヤマトタケルって、もっと、もっと凄いんだよ~!!!」と叫びたい毎日で有った。