今日は中村鷹之資、渡邊愛子ご兄妹による自主公演「翔之會」へ。もう8回目なのだね。
「矢の根」
富十郎さんから教わった松緑が鷹之資へ伝授。松緑さん最近好き。
荒事の約束事をきっちり演じた。
児太郎、猿弥、九團次がサポート。
五世富十郎十三回忌と言う事で、富十郎さんの80歳の時のインタビューが映像で紹介された。
久しぶりの富十郎さんの鼈甲の四角い眼鏡、声、話しっぷり。懐かしかった。
いつも若々しくて、純粋で、熱く語る。
80歳からの抱負も語っている。目がキラキラ輝いて…。
「芸の継承」を語る富十郎さん、今の歌舞伎を見たら何を語るのだろう?
最後は「二人椀久」
椀久鷹之資24歳
松山太夫愛子20歳
若いコンビだからどうかな?と思ってたけど、若い故の哀しさ、儚さ、 ひたむきさ、みたいな物があって それはそれで素敵だった。
何だかジンときちゃって涙出た。
普段女形に慣れているから愛子ちゃんの 折れてしまいそうな細さが心配になった。しかし、愛子ちゃんには内に秘めた熱さが有る。富十郎さんの血を感じた。
しかしこの二人、どれだけ稽古したのだろう?着物の扱い、小道具の扱いが美しいのだ。これは何回も何回も繰り返してないと出来ない事。
鷹之資の舞踊は、役者の中でも次元が違うと思う。でもそれは「天才」とかでは無くて真摯に芸に向き合って、稽古を積んだ成果だと私は感じている。
富十郎さんが生前言っていた「お行儀の良い芸」をちゃんと守っているのだなぁと感心している。
鷹之資の芸を観るといつも湧いてくる感情が有る。
それは「お母様、ありがとう」だ。
鷹之資のお母さんに感謝。
富十郎さんを早くに亡くし、後ろ盾を失って子役も余り出ていなかったし気になっていた。
しかし、これまでしっかり稽古をさせてくれてた。それも一流の。
大変だったと思う。
お母様のお陰で、私は楽しませて頂いている。ありがとうございます。
鷹之資さんには、お父様の言われた事を次に繋げて欲しい。 それだけはブレないで。
テレビなんて出ないで、歌舞伎の世界で生きて欲しい。
天王寺屋!君しか居ないのだから、大切に守り抜いて欲しい。