今月は 松緑の「四の切」だね。
誰の「四の切」が好きか…
あえて順番を付けるとしたら
断然、三代目猿之助!
これはもう絶対に変わらない。
そして、2番目は 七代目菊五郎!
何年前だったか、菊五郎の四の切が良くて、凄く感動して、興奮冷めやらぬ状態で歌舞伎座を出た。すると、向こうから富司純子さん。
私の中ではもう「菊五郎の奥さん」なので、どうしても菊五郎さんに伝えて貰いたくて声を掛けてしまった。
「感動しました!情の深さが心に染みてきました。オモダカヤの四の切りが大好きなんですけど、菊五郎さんの音羽屋型も素敵です!」みたいな事を言った。
後で私は何て厚かましい事を!と、恥ずかしくなったけれど、菊五郎さんに届いていれば良いなと思う。
オモダカヤ型に慣れてしまうと音羽屋型は地味に思えてしまうけど、1番のテーマである、「愛」がしっかりしていれば、どちらも甲乙付けがたく、また、それぞれにステキな舞台であるのは間違いない。
私の好みで言うなれば、「愛」と「哀」この2つが共存しないと成り立たないと思うのだ。
「子狐は独りで生きてきた感」が不可欠だと思うんだ。
あくまでも、私の勝手な好みだけど。
松緑はどんな狐忠信を見せてくれるのか楽しみ。
反面、四代目猿之助の四の切はもう観られないのか、と言う強烈な失望感がまた押し寄せてくる。
大怪我からの完全復活の四の切が最後になってしまったか…。
これから、必ずこの失望感がついてまわるのだろうな…何とも切ない事…。