「不在の生存証明」(西式豊 ハヤカワ文庫JA)
脳と機器を連携するBMI、ロボティクス、VRの技術と、メタバースが発展した近未来。
脳神経外科医の牧野は、事故で脊髄を損傷し、VR手術が専門となっていたが、ある日恩師から、エリカという少女の視覚回復のためバーチャライトというシステムを脳に埋め込む手術を依頼される。
手術は成功するが、牧野はいくつかの点を不審に感じ、恩師やエリカにも事件が起きる。
ベースとなる医療技術や仮想空間の設定は複雑ですが、とても丁寧に構築されていて、それだけでも近未来SFとしては魅力的です。
しかしミステリとしても面白く、冒頭の仮想空間に流れる歌声や、サバイブボールという競技などが中盤以降につながってきて、そういうことか!となります。
ちょっと残酷な部分もあるのですが、意外にアクションもあり、切なくも綺麗なラストシーンまで満足できる作品でした。