「プロトコル•オブ•ヒューマニティ」(長谷敏司 ハヤカワ文庫)
絶頂期に向かうダンサー護堂恒明は、バイク事故で右足を失い、AI制御の義肢をつけることになるが、友人の主宰するロボットダンサーを使ったダンスカンパニーに誘われる。
伝説的なダンサーだった恒明の父、護堂森は、新たな挑戦をする恒明に厳しくあたるが、認知症により恒明の介護を必要とするようになる。
タイトルの意味は、「人間性の手続き」であり、AI義肢のダンサーとロボットダンサーがダンスにそのプロトコルをどう表現するのか、というのがSF的に主テーマ(この議論は拘っているようで、かなりがっつり書き込まれています)だと思います。2022年の作品ですが文庫化にあたり技術的なところはかなり改訂しているそうです。
しかし、途中から父子の関係が大きく重たいものになり、出番は少ないが永遠子という女性も加わった、SFだけでなく、家族、人間のドラマとしての「人間性の手続き」も主テーマになってきます。
この辺のバランスがよく取れていて、壮絶な割に意外と読後感のいい作品です。
また、ダンスシーンは、作者の意図したとおりに想像できたかわかりませんが、凄い迫力です。もし映像化したら観てみたいですね。