人文系新書特集は、とりあえずこれで最後。
「世界秩序が変わるとき」(齋藤ジン 文春新書)
世界の趨勢は「大きい政府」と「小さい政府」が交互に現れるのですが、東西冷戦以降は「新自由主義」と言われる「小さい政府」が大国の主流でした。それがここ最近、米国を中心に崩壊してきています。この先、米中の関係も見据えて、日本にチャンスがあるのか、という話。まあ事後的に評価するのは簡単かもしれませんが、この筆者は新自由主義崩壊を予測していたわけで、今後の予測も興味深いです。
「政治哲学講義」(松元雅和 中公新書)
政治哲学における「正しさ」とは、「よりマシな悪」という、ある意味わかっていたけど誰も言わない真実。トロリー問題(トロッコ問題)などの思考実験を政治的決断に当てはめていて、面白いです。
「物語化批判の哲学」(難波優輝 講談社現代新書)
今やマスメディアからSNSまではびこる「物語化」を、物語を愛する故に批判する、という本です。
私も政治、スポーツ、アートなど様々な分野で、ちょっと安直に物語化し過ぎてないかと思っていたので手に取りました。
実は物語化を否定しているのではなく、その問題を指摘し、さらにそのオルタナティブ(代替)として、ゲーム、パズル、ギャンブル、おもちゃなどを分析しています。正直、分析が完成しているとは言い難いのですが、非常に考えさせられる内容で、今後の分析にも期待してしまいます。