「赤虫村の怪談」(大島清昭 創元推理文庫)


怪談作家、呻木叫子(うめききょうこ)は、フィールドワークで訪れた赤虫村で、妖怪伝説にまつわる連続殺人事件に遭遇する。


衝撃的な内容だった「影踏亭の怪談」の続編です。

奇怪な殺人事件の謎解きも重要ですが、民俗学的な妖怪の話も丁寧に書かれていて不思議な気分になります。

人に取りつく「無有(ないある)」、人を拐う「位高坊主(いだかぼうず)」などなど興味をそそられる妖怪達。

もちろん人間による犯罪として謎をとくのですが、妖怪の関与が否定されるわけでもなく、面白いミステリです。


で、好きな人はすぐわかるのですが、ラヴクラフトで有名なクトゥルー神話になぞらえている所が多いです。

私は高校生くらいの時、はまってましたが、なんだかちょっと懐かしいです。


続編はあるので楽しみですが、文庫化はまだ先でしょうね。