「テロリストの家」(中山七里 双葉文庫)


国際テロを担当する公安外事三課の刑事、幣原は妻と息子と娘の四人家族。ある日息子の秀樹がイスラム国の兵士に応募したとして逮捕される。折しもアルジェリアの日本大使館がテロリストの襲撃を受けて日本人13人が犠牲となったばかりで、世間からは非国民と親子ともども非難される。


突然の息子の逮捕は、公安刑事である幣原には青天の霹靂で、なぜ息子がこうなったのか、また妻も娘もショックを受けて見たこともない姿を見せ、家族の絆は崩壊します。

しかしその中で起きた事件の真相を探るミステリとなり、更に息子の行動の真相も・・・という息もつかせぬ展開です。


国際テロの問題と家庭の問題。

幣原の上司の言葉「公安刑事としては有能だが、父親としては凡庸」というのがすべてですかね。

でも父親というのは得てして凡庸なものですが。