「機工審査官テオ・アルベールと永久機関の夢」(小塚原旬 ハヤカワ文庫)


18世紀の欧州、永久機関の真偽を審査するテオと、その兄で異端審問官のレオンは、かつて永久機関の詐欺師として火刑に処せられた父親の汚名を晴らそうとしていた。


私も少年の頃、昔考えられた永久機関(実際にはできないのですが)の図を見てワクワクした記憶があります。水飲み鳥がブームになったときはその仕組みを友達と議論しました。

それがストーリーの軸になっているのには興味をそそられました。


ストーリーは一見シンプルで、ラノベ風ですが、ミステリ要素、活劇要素、どんでん返しまであり、かなり楽しめます。

また、頭脳派のテオ、剣の達人レオンにはもう一人「天使のような」弟リュカがいて、三兄弟のキャラクターも分かりやすく、コミカルな場面もあり、なかなか良かったです。