「JKⅢ」(松岡圭祐 角川文庫)


両親を惨殺された女子高生が驚異的な身体能力で、凶悪な犯人らに凄惨な復讐を遂げるバイオレンス小説の第3巻。


「JK」というのは主人公が信奉するジョアキム・カランブー(架空の人物らしい)の頭文字ですが、当然女子高生の意味もあるでしょう。


今回は1、2巻よりも更にバイオレンス描写もヒートアップしています。女子高生が屈強な男たちを次々と倒していくさまは、スピーディーで痛快ではありますが、相当なスプラッター。映画のジェイソンなどは襲われる側の視点で描かれますが、襲う側の視点(一人称)のスプラッターというのもまた斬新です。


ところで「高校事変」と何が違うのということですが、政界も巻き込みスケールが大きくなった「高校事変」に比べると、司法の隙間で蠢く「JK」の方が登場人物の闇は深そうです。

どこかで二つのシリーズは繋がるのかも知れませんが。