宮崎駿さんの作品には、「タブー」が存在する。
作品の内容うんぬんってことではなく、作品に対する批判が「タブー」になっている。
特にメディアでは、100%批判的評価はされない。
メディアの存在意義は、権力に対する抑止力である。
権力を持った者が暴走しないように、監視する役割がある。
しかし、実際には、権力に媚びているのが現状。
日本の場合、その「権力」が国家というよりは、スポンサーであり、そのスポンサーが気にする消費者である。
簡単に言ってしまえば、消費者に嫌われることはしない。
よって、多くの消費者が賛同していることに対する批判は「タブー」になる。
宮崎駿さんの作品は、多くの賛同を得ている。
個人的には、もう作品を作らない方がいいのでは?と感じてしまう。
崖の上のポニョを見て、あらためてそう思った。
ひとことで言えば、作品が成り立っていない。
ミクロな視点で見れば、美しい映像だったり、セル画による躍動感あふれる演出などの「さすが」という部分はあるが、マクロな観点で言えば、つまらない作品だ。
これは、ポニョだけの話ではない。
ハウルの動く城もそうだったし、千と千尋だって、同じ。
もののけ姫あたりから、すでにおかしくなっていた。
作品が、作品として完成されていない。
大風呂敷を広げて、その収拾がつかないまま、なんとなく終わってしまう感じ。
原因は、宮崎駿さんにあるのではない。
はじめから「大作」を作ることを目指している、現在の製作体制に原因があるのであろう。
だから、興行的にはうまくいっていなかった作品のほうが、クオリティが高い。
「カリオストロの城」や「天空の城ラピュタ」などは、ちゃんと作品としての成り立っている。
ポニョは、作品としてもっと批判されていいもの。
「なんだ、この駄作は?」
といわれたっていい作品。
でも、そういった意見はメディアでは抹殺される。
まるで見た人すべてが、「感動した」なんてことになってしまう。
もちろんいい作品だという意見があってもいい。
でも、くだらない作品だ、という意見をタブーにしてしまう日本の表現の自由には、問題が多いだろう。