このピアニストの弾く鍵盤上には、
一匹の猫が、棲んでいる。
戯れたり、伸びをしたり。
誇り高き、鋭いまなざし、
野生の猫が、棲んでいる。
会場全体が、
水面を滑らかに走る、
大きな一艘の船の中のよう。
その中で、
ピアニストという船長が、
一人舵を取り、
前へ、前へと、進めてゆく。
そして音自体は、
次第に上へ、上へと、
上昇していくのだ。
人は何故音楽を聴きに、
出掛けるのだろう。
人ひとりに、ひとつづつ、
各々理由があるのだろうと思う。
でも、この、
前に進んでいるという感覚。
船に乗り込む前と、
下船するときに降り立つ場所は、
多分、きっと、違う。
そういう音楽をわたしは、
聴きたいと思う。
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さて、おかげさまで満員御礼、
空調も追いつかず、熱気こもる青猫にて、
開催された杉丸太一夏至ピアノリサイタル。
もうあまり、言葉は出てこない、
ただ、ダブルアンコール、あふれる拍手。
又あの熱気、あの空間に触れたいと思う。
次回は秋、ハロウィーン前日の
10月30日、やはりこの青猫さんにて、
ヴァイオリンの高橋誠さんをお迎えして、
ピアノ杉丸太一との秋の葡萄酒夜会が
決定いたしました。
よろしければ是非、スケジュール帳に、
「10月30日7時半、赤丸で杉丸」と、
ご記入いただき(笑)
ご予定に入れて頂きましたら、
この上なく嬉しく存じます。