切り返しの技術を問い直す(4) | まるしん先生の教育&実践研究ふんとう記

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#学級経営#子どもが学ぶ授業学級(銅像教育)#はじめての先生#道徳 #道徳授業 #道徳教育 について日々実践&研究中です。単著・編著20冊、日本道徳教育学会会員、日本道徳教育方法学会員、関西道徳教育研修会 代表

※    前号の続きです。

 3、切り返し発問をアップデートする

 今回は、これまで教育実践ではまだあまり活用されていないと思われるスキルを切り返し発問に導入し、新たな切り返し発問の方法を取り入れることを目的とする。


 新たに取り入れることは以下の3点である。

〇無意識(フロイト)


 フロイト(1982)は、「人間の心的過程の中には自我では意識できない領域があり、それは幼少期からの周囲の道徳的規範の影響下で、その道徳的規範と相違する意識内容が抑圧されることで形成される(無意識領域へ追いやられる)もの」とした。


無意識と質問の関連を、「質問のメリットは無意識を意識化させること(藤代2019)」との指摘もある。つまり、切り返し発問は、学習者の無意識にあるものを授業者の問いにより意識化される効果があると考えらえる。

〇チャンクダウンとスライドアウト


 コーチング(1950)では、基本スキルとして「チャンクダウン」と「スライドアウト」が提唱されている。

 

チャンクダウンとは、「相手の言葉のかたまりを具体的な言葉にほぐしていく(鈴木2005)」ということであり、スライドアウトとは「幅を広げる。視点を広げる。(例)他には在りますか?(吉田2018)」ということである。

 

チャンクダウンでは、より学習者の思考を深めるアプローチをすることが可能であり、スライドアウトでは、話題を別に転換することが可能である。

 

※続く