金魚たちはまだ冬眠中にて、良い塩梅と仕事の合間に引っ越しの準備やらもろもろあって、忙しくてたまらない。

 

引っ越しの進捗状況は、2トンにも及ぶ漫画と小説の仕分け、分別、移動これで一か月が過ぎてしまった。

新居に入りきらない分は、古紙回収で売りに行く言うみのる(リサイクルショップのオッサン)に取りに来てもらい、軽トラ満タン2台、捨てに行ってもらった。

 

再来週にはみのるのところの内装屋のジイサマがエアコンを取り外しに来るのに、亭主のゴミ屋敷部屋に入るのだが、ジイサマが突入できる場所を作るだけで半日、私はゴミ袋特大3つ何かにとりつかれたように袋にゴミを入れ続けた。

 

勝手なことして、オレが少しづつやるって言っているじゃないか。

勝手に人の物いじって捨てるな。

どこに何がしまってあったかわからなくなってしまったじゃないか。

 

やるやる言ってやらないからしびれを切らしてこっちが親切にやってあげたんじゃないか。

本だけで一か月。(ここは力強く言った)

私は引っ越しできる気がしなくなってきましたよ。

私はもうゴミとともに暮らしたくありません。

あんたはゴミと一緒に引っ越しするのか。

 

おそらく亭主は子供の時から母親に同じことを言われ、同じセリフで対抗してきたようだ。セリフの運びはスムーズだった。

 

数年ぶりに床が見え、その床ピカピカと光っていた。

後少しでジイサマが入っても、ただの散らかっている部屋だなあで済む状態まで捨ててやったのにその言いぐさはなんだゴミ屋敷オトコと言い返してやった。

 

こんな案配で、仕方が無いので引っ越しやも手配した。

 

合間で、月齢八か月になる猫リッカルドがチャチを入れてくる。

もうカーテンには登らなくなったが、家庭内ストーカーは酷く、朝は5時、昼は3時にカルカンをトッピングしたコメリの一番安い餌を寄越せと要求してくる。

 

3時に帰れることは無いので、帰宅してすぐ餌寄越せを私にやり、要求が通らないと身体によじ登る、何か大切なものを落とすなどの嫌がらせをしてくる。

 

こっちは日々生きているだけでクタクタなのに、さすがクウネル遊ぶを徹底しているモノは違うなとうなった。

 

野良育ちに贅沢は敵だと、飼い主手作りのおもちゃで遊ばせ、干物の入っていた無料のスーパーの発砲スチロールをトイレにし、山で採ってきた猫草を与え、金魚にもはや使えないぼろぼろのよしずを敷き、ハイここがアンタの場所だよと大正時代のおばあちゃんスタイルの飼育をわざわざやってやっていた。

 

それでも敵は、家じゅうのボアと名前の付く敷物全てや座布団に代わりばんこに居座り、家のリビングを占領しまくる。

 

あまりにも貧乏な飼い方なので、お客さんが猫が可哀そうだと、ユニ・チャームの高級トイレに換えのペットシーツ大量、それから立派な猫ハウスを持ってきた。

 

猫ハウスを見た瞬間に敵はしっかりと自分のものだと理解し、即座に占拠、愛用に至っている。

 

猫はずっと私を呼んでいる。

今度は何の要求だ。

姿が見えると作業の邪魔をし、身体に爪を立てる。肩までよじ登ってきて痛い。

私のあごをザリザリとなめて、そして潤んだ眼をしてチリリと噛んだ。

 

あーーーーーもう全てを投げ出したい。

このくそ忙しい中、私はカラオケ行こといういかにもライトな、心にずっしり来ないと思われる映画に行ってしまった。ここなら猫も追って来れないだろう。

 

 

それは受験勉強で、来月入試なのに枝毛を切り始めたら止まらなくて一時間経過。

眠気覚ましにお茶を入れに立って、なんでわざわざどうしてかわからないがお抹茶をたて始めて、本格的にあーでもないこーでもないとやり始めて一時間経過してしまったという自己の経験を思い出すことでもある。

 

現実逃避なのはわかっている。

ただ今気になって仕方が無いのはカラオケ行この方言は、正確にはなんというのだろうか、浪花弁というのか、大阪でも割ときれいではない方言に思える。関西弁の中でも詳細にはなんという地域の方言なのだろう。

 

大阪の先輩に電話してみた。

先輩は大阪生まれ、大学は京都なのに関東弁を話すのがいけ好かない。

第一なんで大阪生まれなのにそんなことも知らないのか、声を荒げた。

 

先輩はそういった内容の映画は観ないから、と暗に私が観た映画の程度について何か言い返したかったようだったが、さすがの先輩でもわからないものは仕方がないですねと電話を切った。

 

カラオケ行この方言は正確に関西のどの地域のどういった方言なのか、気になって気になって今夜は眠れそうにない。