皆さんお利口だから、今から来る本格的な寒さに備えて餌をねだらない。

関東は今年まだ雪は降っていない。

 

この半野良的な金魚は、寒さでじっとしているようなことは無い。

暖かい日に蓋を開けるとオラオラと上に上がってくる。

10度を超えると週に一度くらいは軽く餌を貰っている。

 

家の中の水生動物だけ週に一回水を変える程度で、外は半月に一回底のゴミを取って水を足す。

そう彼らがオラオラ餌をねだらなくて大人しくしていれば、金魚は週に一回、半日もあれば数百匹の金魚のお世話が簡単に出来るって言うことだ。

グッドシーズンだと腕を組んで頷いた。

 

 

鬼の居ぬ間にと、仕事を拡張したり仕事場で販売するグッズの手配などで大変忙しくなってしまった。

 

飛び職時代のオッサンで、全く3年間海外の仕事が無くなってどうしているのか電話してみたが、

「無職でも三年間別に困らなかったんだよねえ。不思議だけど南米で霊能者に貰ったコイン持ってから金に困らないんだよねえ。こないだはデズニーに家族で二泊したしね、来月はタイのパタヤビーチに行ってラウンジルームにみんなで泊まるんだ。」

とえらく景気の良い話をするので、金どうした聞くと不用品を売った。

押入れの昔のナポレオンは一本五万になった。ただし未開封だけどね。

 

だから人には持って生まれた金運っていうのがあって、無職だろうが仕事で死にそうになりながら働いても、根本的に人生において大した変化はないのだろう。

 

それでラウンジルームが一体どんな部屋か知らんが、これから一生飲むこともない押入れの酒がタイ旅行に化けるのかと思い、私も本格的に断捨離をし、不用品を金に化けさせることになった。

 

バブル時代の遺産をあさり、いろんな物を買取業者に持って行ったら、貴金属やダイヤは今高く売れるのは知っていたが、中古ブランドバックが非常に高く買い取って貰える事が判明した。

中でもプラダ、エルメス、ビトンの御三家をお願いしますと懇願され、実家をあさったら出てくる出てくる、みんな重ねてぺしゃんこになって骨董化していたりした。

 

とにかく田舎じゃあ孫から押し付けられたビトンをバアサマが斜め掛けにして畑に行くときに持って行ったり酷い有様で使われるのだ。

これは日本でもフランスでもバアサマバックで、若者には人気が無いからこんなんで良ければどうぞとうんと持って行った。

 

竹で取っ手を作っただけでボロ儲けしたグッチのバックは、ジイサマが持ちにくいだろうからと可愛い孫の為に取っ手にやすりをかけようとしたり、取っ手を加工してつけ変えようとしたのを思い出した。これこそ有難迷惑の最たるもので、そしてこのバックはバブルの遺産だ。

 

若いときはともかく、ブランド品なんて年を取ったら肩がもげるー重くてくたびれたと言って結局使うのはナイロンバックばかりだ。

だから若いうちだけですわ、ブランドバック持って浮かれているのは。

 

しかし古いバックって売れるんだねえ。

誰が買うんだろうと言ったら、東南アジアとかアジアの大国の成金だそうだ。

日本の中古品が良いという。

 

それからみのる(リサイクルショップのオッサン)から大量に貰ったアクセサリーの中では、なぜか磁気ネックレスやフォリフォリというギリシャのネックレスが高く売れた。

 

暇さえあればこういったことを半月も続けていたら、なぜか鬱々とした気分が無くなって晴れ晴れとした明るい気持ちになり、ヨーロッパ旅行に行けるくらいの金が入った。

 

断捨離というのはなかなか良いものだ、効果ありなのだなと思った。

 

春先には、オッサンに南仏で直接買い付けさせた雑貨を販売しようと思っている。

オッサンの趣味が私に何か納得させるセンスがあれば、通年で販売しようと思っている。オッサンが使えるかどうかこれで判断してやろう。

勝負の時がやってきたのにオッサンは

「ショッピングするって言ってもさあ、ちゃんと写真がないとわからないんだからね。」

とお使いを頼まれたかのように軽く考えている。

これはお互いのやる気の相違があるのできちんと叱咤しておくべき案件だ。

 

とにかく二年間くすぶっていたが、すごくやる気が出てきた。

最悪の年廻りに加え、更年期障害の酷い二年間だった。

 

今年はとにかくやってみようという闘志がみなぎっている。

だから誰でもやる気があれば何かやっても良いというのは間違っている。

人生のどん底の時から幸運期の始まりのあたりの時にことを起こすことをお勧めする。