こないだの日曜日はイノフェスに行った。
金魚に狂い始めたお客さん夫婦を一緒に連れて行って、バカスカ金魚を買うのを見ているだけで腹いっぱいになってしまい、自分は俳優の東錦を二匹買っただけ。
可愛いので後日紹介予定。
この人のこの金魚は日本一取ったというフレーズに敏感に反応し、即座に鼻息荒く金魚を買う姿を見て、まだまだあいつ青いなと上から目線の偉そうな態度でいる。
私が偉そうにあれこれ語れるのは金魚初心者にだけである。
それはプロ金魚初心者ゆえの事である。
自分の目当ては掬いで、鉄魚掬いで30匹超え、最後巨大な20センチの鉄魚を掬ってお姉さん終わりにしてくださいよという掬いの主催者の言葉、「お姉さん」にほくそ笑み、指示通り巨大な鉄魚を掬ったら掬えた。
掬えた数はイノフェス史上最高記録である。
ポイは少し傷ついてしまったが、破れず
「すげーな大和郡山の金魚すくい大会出れるよなあ」
という外野の言葉に大変気分を良くする。
自分の金魚を褒められることはなく、金魚すくいのスキルを褒められることが多いのもプロ金魚初心者ゆえの事である。
ステラさんをからかいに販売の邪魔をする。
ここ数年桜錦のブリードで日本一を取って、同じ時期に始めたのに私とは天と地ほどの差が出てしまったか。
二人同時にエビを捕って、ステラさんは何やらエビをモスクワで手に入れた最高級の王室ご用達のウオッカを入れた湯で蒸し、エビの頭の味噌をざるで濾して入れた特製ソースを数時間かけて作り、そこに野菜を小細工したアクセントを添えたエビのノルマンディー、ステラ風という一皿を完成させた新鋭の巨匠になっているのに対し、私はエビをただ茹でて醤油マヨネーズで食べるのが一番ねんというスタンスを崩さない漁師風から上達しない。
その桜錦ステラ風の作り方を親切に教えてくれようと餌の説明をしてくれたが。私は今年のパンデミック苦難、その原因となった金魚亭という金魚屋の悪口を聞かせた。
愛好家さんとの集いといっても飼育方法についてとか金魚について熱く語るでもなく、私はただ金魚亭の悪口を聞いて、うなずいてくれる人が欲しいだけだった。
この話は、どんな有名占い師や大学教授などのインテリに語っても消化不良が残る案件であり、金魚愛好家に語るのが一番腹にストンと落ちる回答をしてもらえるものだ。
語れば語るほどカッカとして来るのでやめたらよいのだが、これが更年期のマイブーム、敵とみなしたら攻撃を継続的に続けるというものになっているので仕方がない。
私はスッキリとして会場を後にしたのだが、後ほどステラさんから面白い人だという評価を頂いたことを人から聞いた。
とにかく女も古くなると、若い、痩せている、美しい、可愛いとかそんな誉め言葉よりもおもろいと言われるのが一番嬉しいものだ。
そして私が金魚で自慢できるのは相変わらず掬いだけだったなあと己の出来なさ加減をしっかりと見据えた。
エビを醤油マヨネーズで食べ続けるのかどうかは自分にかかっている。
それを変えるかどうかも自分の意志それだけである。
ああ来週フレンチに行ってエビを食べたくなってきた。
そしてエビは醤油マヨネーズよりも料理人のは流石だウメエとか叫んでいるうちに決意をすっかり忘れてしまうのは女が古くなった証拠である。
最近暗くなってから帰るので過去の写真で、明るいときに冬眠間際の連中を載せます。
みんなすこぶる元気です。