なぜさっきのエイドでおにぎりを手に持って出発したのかと言えば、ここから次のエイドまで9キロもあるからです。さらに言えば、そのエイドでも食べ物としてはジャムとクラッカーのみ(味は最高でした)。つまり、お好み焼きが食べられる70キロ地点のエイドまでの17キロ間は、ほぼ炭水化物が無しなのです。
なので、いただいたおにぎりとリュックの中の二つのおにぎり、そしてカロリーメイトのうち、非常食用のおにぎり一つ以外はこの53キロ地点から70キロ地点までの間で少しずつ食べてなんとかもたそうと思っていたのです。
第八エイドを出てから橋を渡って大崎下島へ。この島の南側を走ります。この島の大浜港で自販機を発見!栄養補給のチャンスとばかりに、ジュースを買っておにぎりを食べながら飲みます。
ここらで少しでも栄養を補給しておきたい……。なにせまだ60キロも来てないので、あと7時間以上走らないといけないわけですから。今頑張って食べておけば、その栄養はちゃんと体のエネルギーとなって、タイムに活きるはず。
長い長い海岸線を走ったり歩いたりしながら、62キロ地点の第九エイドに到着したのが14時55分。9キロになんと100分もかかっていますが、
これは第八エイドで15分くらい休んだことも考えればしょうがない。とはいえ少しでも挽回しなければならないので、コーラを飲んで水を補充してすぐ出発。
なお、ここのクラッカー&ジャムは絶品でした。
この辺ですでにほぼ最後尾なのが確定していますから、何枚かもらいたい!とも思いましたが、さすがにそんな贅沢は言えません。
さらに地元の方の立ち話で、「ここに15時すぎくらいには来ないと、次の関門に間に合わせるのは厳しい」という話が聞こえてきてドキドキ。
このエイドを出てからは昔の街並みが残りまくる地域を抜けつつ山を登ります。
登り切ったと思ったら、今度は上り下りが連続したあとに一気に果樹園の間の道を下っていきます。膝にダメージがくる!速く降りたいのを我慢して慎重におり切ったら、あとは次のエイドまで走る走る。
ちなみに、33キロ地点くらいから仄かに最後尾のムードが漂っていた私ですが、53キロ関門くらいからはいよいよ前後の人はまばらになって、結構孤独な旅をしていました。だいたい皆さん同じペースで走っているからしょうがないのですが、しかしあまり人が少ないと不安になってしまいます。時計を見て自分のペースは認識しているのですが、どうしても「大丈夫だろうか?」という考えが頭をよぎります。
それがこの62キロ地点あたりくらいからは明らかに今までお会いしてこなかった方々を追い抜いて走ることになります。
これは体力が尽きた方や膝などに痛みが出るなどして走れなくなった方々を追い抜いているというだけの話で、自分のペースが上がったわけではないのですが、それでも周りに人がいるというのはとても嬉しくなります。そう思うのなら普段からもう少し速度を上げる練習をしないといけないのですが……。
とはいえ時間に余裕がないという事実には変わりなく、頑張って走っていたところ、エイドまであと1キロくらいというところで御手洗の歴史的な風景の残る街に入ります。ここは歩かなければいけない区間。心は焦りますが、しかし耐えて歩きます。
なんとか70キロ地点の第十エイドに着いたのが16時20分。8キロ走るのに85分。山があったから仕方ないとはいえ、84キロ地点の関門まで14キロを130分で行かねばなりません。おそらくこの日で一番冷や汗の出た瞬間です。すぐにでも出発しなければなりませんが、しかし最後まで走るならあと4時間半も走ることになる上に、貴重な炭水化物であるお好み焼き。大急ぎでいただいて出発しました。

