沖縄県大宜味村・道の駅・おおぎみ
各種メディアでフランスの美食指南書「ミシュランガイド東京 2008」が取り上げられていますが、自分はどうも苦手な。美食の世界基準と呼ばれる同ガイドは、覆面調査員が身分を明かすことなくレストランに赴き、実食調査を行って、星の数でその店を評価したもの。その評価は単に味わいだけでなく、店の雰囲気やフロアスタッフの所作までをも総合的に判断し、最高位には三つ星。「基準があいまいだ。欧米人の調査員に日本食の味がわかるのか」といった意見もありますが、三つ星の店は、だいたいコースで一人12万円はします。まあ、値段が値段ですから、おいしくて、最高のサービスなのは当たり前だと思いませんか? 味覚というのは極めて主観的なものですから、誰かの評価に頼るのではなく、自分の舌で、安くて、うまいと思った店を「マイ三つ星」としてセレクトする方が、リアリティーがあるのではないかと思ってしまいました。さて、今月、一番、「うまい」と感じたのが、ツール・ド・おきなわというサイクルイベントにて沖縄本島を243km、自転車でツーリングしている途中、大宜味村(おおぎみそん)にある道の駅「おおぎみ」で食べたパイナップルです。ちょうどその時、自転車で60km以上走り、喉がからからだったこともあり、地元でとれたパイナップルのジューシーな果汁が喉を通ると、細胞が生き返るような爽快感とうまさを感じました。沖縄の大自然を満喫しながら、なんにも加工していない、そのままの果物のうまさ、これぞ「回り道しても寄りたい味」でした。体を思いっきり動かし、汗をかいた後、地元でとれた野菜、果物、魚を食べると、どれもが三ツ星の味になるのではと思うのですが、みなさんはいかがでしょうか?
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・道の駅「おおぎみ」
〒905-1307 沖縄県国頭郡大宜味村字根路銘1373
0980-44-3048
営業時間 要電話確認
築地・井上
4月初旬から本格的に乗り始めた自転車も累積走行距離がやっと700kmを超えました。一ヶ月平均すると約100km、乗っていることになります。時速15km前後で街を走っていると、バスや自動車では気付かない、素敵な店と出会うことがあります。なかでも、築地市場周辺を走るのがお気に入りでありまして、仕事場に向かう途中、場外にある飲食店に立ち寄っては腹ごしらえをしています。本日、ふらりと寄ったのは「井上」という中華そば店、メニューはラーメンのみで650円です。しょうゆべーすのスープにチャーシューがスープが見えなくなるくらい載せられています。普通のラーメン屋さんのチャーシュー麺に匹敵するチャーシュー量なので、お得感も満載です。食べているお客は観光客や自分のような築地フリークもいますが、ほとんどが築地市場で働く仲買人といった食のプロたち。そんな彼らが黙々と麺をすする姿は絵になるんですね。口うるさそうな、おじさんたちが食べる様子は、それだけで「食のプロが認めた味なんだ」ということを通行人に連想させ、お店に引き寄せているようでした。午前7時頃から、築地場外市場の飲食店には仕事を終えた市場の男たちが集まり始めます。いかにも味にうるさそうな、がんこなおやじさんたちは、まさに場外にある飲食店の広告塔であり、街の雰囲気作りに役立っているんですね。ところで。新たに建設される豊洲市場と「がんこおやじ」、なんとなく雰囲気が一致しないように感じているのは自分だけでしょうか?市場で働く男たちの雰囲気も一新するのでしょうかね。
「お客様のキャラクターも味のうちである」
場外市場の中華そば井上で感じました。
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・井上
東京都中央区築地4丁目9-16
営業時間 午前4持30分~午後1時30分
熱海・海鮮和食処さいとう
世界中、どこの町に出かけても、地元の方が行列を作っている店に立ち寄るようにしています。例えば、流行っているスーパーに行くと、その地域の暮らしぶりが見えてきます。例えば、その地域でしか食べない野菜、果物類などを見つけると「ああ、遠くに来たなあ」と旅情を感じます。ただ、観光地の小売店やレストランに入ると、はじめから「観光地価格」、「何度も来るわけではない客なので、思いっきり、ボッタくっちゃえ」と言わんばかりに、高いんですよ。ラーメン一杯1000円近くしたりして。それでおいしければいいのですが、味は「いまいち」というケースも少なくなく、旅の思い出も台無しになります。そんな旅の思い出をいい意味で裏切ってくれた料理店を見つけたんです! 東洋のナポリと呼ばれる熱海にある「さいとう」という海鮮和食処です。熱海駅からタクシーでワンメータの位置にあるため、決して交通の便が良い場所ではないのですが、道場六三郎さんの店で修業した店主が熱海周辺の漁港から仕入れた魚をお客の目の前でさばき、料理を出してくれます。お刺身5点盛りとご飯、お味噌汁がついて1000円、同じものを銀座で食べたら2500円くらいします。観光地にも関わらず、現地で生活している方の価格で提供してくれる店主の心意気に感謝です。観光地だからといって法外な価格で売っている店には「二度と行くものか」と思いますが、良心的な価格で提供している店は「また、行きたい」という気持ちになるだけでなく、お客が宣伝マンとなり口コミでその店を宣伝してくれるのではないでしょうか?
「繁盛店ではお客を宣伝マン化している」
熱海のさいとうで感じました。
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・さいとう
〒413-0021 静岡県熱海市清水町12-5
0557-82-4147
月曜日定休 営業時間 要電話確認
【地図】
丸の内・きじ(お好み焼き)
最近、丸の内界隈の飲食店をうろちょろしています。新丸ビルの日本再生酒場をはじめ、東京中央郵便局の裏にあるTOKIA地下一階にある立呑酒処 赤垣屋など、チョイ悪おやじ好みのスタイリッシュな飲食店以外にも、2000円前後でお腹いっぱいになる気取らない店も、増えてきています。なかでも、今、ハマっている店がTOKIA地下一階にあるお好み焼き「きじ」です。大阪梅田に本店があり、関東初出店、梅田に本店があるというだけで本格派というイメージを抱きますよね。(某お好み焼きチェーンは店名は関西風ですが、本社は東京でした)ランチタイム、夜ともに、常時行列ができるところからも、人気のほどがうかがえます。店内に入ると鉄板の上で焼かれているお好み焼きから香ばしいかおりが漂い、食欲を倍増させますね。一番のおすすめは「すじ焼き」(950円)。丸の内の立地を考えると比較的値段もリーズナブルです。具のなかには牛すじのうまみが溶け込み、表面には思いっきりネギがのせられ、適度な辛味と甘味が口の中に広がり、思わず「にんまり」してしまいます。やはり、お好み焼きの焼ける香りとかぐと、売り手から「いらっしゃい」と言われなくても、「食べたい」という気持ちが高まり、自然に店に入ってしまいます。一般のビジネスにおいても、その会社と「付き合いたい」と思わせる香り、例えば自社事業がニュースとして報じられると、それがフェロモンになります。外食産業に限らず、欲しいと思わせる「香り」を意図的に漂わせることが、リーズナブルに集客するポイントではないでしょうか?
「購買促進フェロモンで、お金をかけずに集客する」
お好み焼き きじで感じました。
・お好み焼き きじ
JR東京駅 徒歩2分 地下鉄東京駅 徒歩2分
〒100-6490
東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル TOKIA B1
電話03-3216-3123
営業時間(要電話確認)
11:00~15:30(L.O.15:00) 17:00~23:00(L.O.22:00)
丸の内・日本再生酒場もつやき処 い志井
新丸ビル5階にある日本再生酒場という立ち飲み居酒屋に通っています。新丸ビルは日本でも有数の高家賃のオフィスビルですが、立ち飲みのため、回転率が高く、椅子席に比べ約1.5倍以上、お客を入れることができるため、低価格で酒類などを提供できます。自分の大好物はレバてき、生レバーをかつおのたたきのように表面をあぶり、半生のレバーの上に、ごま油であえた刻みネギと刻みにんにくをのせて食べるものです。牛たんをとろけるまでゆでた「ゆてタン」も、おすすめです。さらに、ごま油であえた「塩せんまい」も、おすすめです。深夜2時頃まで営業していますが、いずれも生肉関連は早めに終わってしまうので、午後8時半ごろまでに店内に入ることをおすすめします。一人当たり2000円もあれば、しっかりとお腹いっぱいになるため、自腹で食べてもよし、また上司に御馳走になっても、あまり気を使わなくてよい価格帯です。それにしても、このビルを開発した会社はよ~くサラリーマン心理をつかんでいます。というのは、単にオフィスが快適なだけでなく、仕事上の悩みや、社内会議の議案として上げる前段階にあるアイデアの相談や根回しといったことをできる場が、まさに立ち飲み居酒屋ではないでしょうか。また、会社の会議室といったフォーマルな空間では、なかなか言いづらいこともあります。しかし、軽く飲んだり食べたりしながらリラックスした雰囲気ですと、活発に意見が交わされるように思います。ちなみに、ビールの銘柄は同じ企業グループのものでした。まったく、したたかですね。
「気軽に情報交換できる場が活力あるビジネス街をうむ」
日本再生酒場で感じました。
・日本再生酒場 もつやき処 い志井
千代田区丸の内1-5-1 新丸ビル5階
電話03-6267-0989
営業時間 午後4時~深夜2時