人々に禍をもたらす妖星を弘法大師が七日七晩の祈祷で落下させた、という伝説。
祈祷を行ったのが「星の岩屋」であるとか、取星寺の建つ場所であるとか、星が落下したのが取星寺の建つ場所であるとか、星の岩屋であるとか、まちまちであり、どれが本当なのか、良くわかりません。
落下した場所に建てられたのが取星寺のある場所で、それを星の岩屋の岩窟まで持って行って封じ込めようとしたのかもしれません。
ただ、謎なのは、夜空に普段見慣れない怪しい星が見えたとして、それこそが禍をもたらす妖星だとして大師が祈祷したとしても、七日七晩に渡ったというのですから、ちょっとした流れ星程度ではないように思えます。
地上に落下するまでそれほどの期間があったとすれば、かなりの大きさの隕石だったのではないでしょうか。
だとすれば落下した時は相当な衝撃があったでしょうし、地上にも大きな穴が空くとか、大きなへこみができるのではないでしょうか。
隕石でしょうから、地上に落ちた時にはサッカーボール大だったとか、それより小さめだったということもあり得るでしょうが、七日七晩の祈祷の末に落ちたということなら、ただの隕石の落下でもないように思えます。
はたして真相やいかに、といった感じですね。
もちろん、伝説ですから、「七日七晩」というのもおひれがついた話なのかもしれませんし、たまたま流れ星が観測されて隕石が山中で発見されたという事実に「実はそれは弘法大師様が祈祷で落下させたもので」と後付けのように話が作られただけなのかもしれませんが。
それでもまあ、神秘的なものを感じさせる伝説であり、その伝説ゆかりの取星寺や「星の岩屋」は弘法大師ゆかりの霊場の中でも特に神秘的な霊場と言えるでしょう。
今回の旅では、「星の岩屋」には行きましたが取星寺には行きませんでした。
今になって「両方行ったほうが良かったのかな?」などと思ったりもします。
また、「星」というものについて昔の人がどう感じていたのか、その一端を知ると言いますか、想像させる興味深い話でもあります。
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