坂東三十三観音霊場第六番・長谷寺(飯山観音)《過去のブログ記事より》 | 石川鏡介の旅ブログ

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四国霊場会公認先達(権中先達)&秩父観音札所連合会公認先達です。四国霊場を中心に、古寺名刹、神社、城跡、名所旧跡。さまざまな旅の思い出を綴ります。

 三月に坂東三十三観音霊場巡り(二巡目)を始め、四月初めには五番札所の勝福寺(飯泉観音)へ行き、七番札所・八番札所にも行きました。

 六番札所には桜が満開の時期に行きました。この六番札所は桜の名所としても知られている場所だからです。

 その名を長谷寺といいます。四番札所の鎌倉の長谷寺と同じ名前です。よみ方も「はせでら」です。

 山号を飯上山といい、通称は飯山観音。宗派は高野山真言宗で、本尊は十一面観世音菩薩、開基は行基菩薩、所在地は神奈川県厚木市飯山五六〇五番地です。

 最寄駅は小田急小田原線の本厚木駅ですが、駅から遠いので本厚木駅前からバスを利用すべきです。

 初めて行った時は本厚木駅近くからバスに乗りました。今回は自分のクルマで行きました。

 丹沢の山々が近く、お寺の近くには飯山温泉という温泉があります。お寺は白山という標高ニ八四メートルの山の中腹に建っています。

 境内や門前に桜の木が多く、境内全域に植えられているソメイヨシノは約ニニ〇〇本だということで、「かながわ花の名所一〇〇選」のひとつであり、「東国花の寺百ヶ寺」の神奈川県の第六番にもなっています(ここでいう第○○番というのはランキングではなく便宜的な順番)。

 そんな花の名所だけに、桜の満開の時期には札所巡りの人だけでなく多くの花見客が訪れます。

 そのためにちょっと困ったことがありました。お寺の参道入り口まで行くと、そこから先はクルマが入れないようになっていて、交通誘導の人が立っていました。歩行者だけ通行させて、クルマは向かって左側へ行けと指示されました。

 花見客が多いために、花見の時期だけの臨時措置らしいです。では、近くに駐車場があるのかと思えば、そうではなく、ずっと坂道を登って行ってもなかなか駐車場に着きません。いったい何処まで行けばいいのか、と思っていたら、長い坂道を登った先に、市民グラウンド(?)の駐車場があって、そこに入ることが出来ました。そこもほとんど一杯で、やっと空いたスペースを見つけ駐車したのでした。

 そして徒歩で長い坂道を下り、交通誘導の人がいた場所まで来て、長谷寺への参道を進みました。

 参道は桜並木で、まさに「桜のトンネル」ともいうべきものが出来ていました。

 そして石段を登り、仁王門をくぐります。石段の右側は公園の広場のような場所で、大勢の花見客が桜の木の下で花見を楽しんでいました。

 仁王門、銅鐘、観音堂などはまさに古寺名刹の雰囲気が漂い、心が澄むようにさえ感じます。
 

 神亀ニ年(西暦七ニ五年)、行基菩薩が関東巡歴でこの地を旅していた時、五色に輝く泉の中から観音像が現れた。そこで行基菩薩はかたわらの楠から十一面観音像彫り、その胎内に泉の観音像を納め、お寺をひらいた。これが長谷寺開創にまつわる伝説です。
 

 そして、その後に弘法大師が密教の道場とし、この地の領主・飯山権太夫が伽藍を整えて大寺院となった。さらに、鎌倉時代には源頼朝が秋田城介義影に命じて観音堂を建てさせ、四宗兼学の寺としても栄えるようになった、とのこと。

 現在の観音堂は江戸時代に再建されたものだそうですが、やはり古い木造建築らしく趣があり、歴史を感じさせます。

 

 

(2012年5月 6日の「石川鏡介のブログ」の記事を再編集)

 

 

 


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