石手寺の仁王門は大きく重厚感のある門で、歴史的な重みも感じさせます。それもそのはず、国宝に指定されているのです。
朝日新聞社発行「週刊朝日百科 日本の国宝」の二十五巻に詳しく紹介されています(二体の金剛力士像があるために「二王門」という表記になっていますが)。国宝に指定されている仁王(二王)門は珍しく、お寺の門という範疇ではなく「仁王門」という限定でなら、この石手寺と、金峯山寺(奈良県)、光明寺(京都府)くらいなもので、四国のお寺の建築物で国宝に指定されているものとしても、貴重なもの(五十二番札所の太山寺の本堂も国宝に指定されている)です。
平安時代から戦国時代まで、伊予国に一大勢力を誇った河野氏の実力を窺い知ることも出来ますが、栄枯盛衰ある時代の流れの中で大切に守られてきたのは、それだけ多くの人々の信仰をあつめ大切にされてきた霊場だからだと言えるでしょう。
(2011年9月11日の「石川鏡介のブログ」より転載)

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