武蔵野三十三観音霊場の第五番札所は多聞寺です。正式には寶塔山多聞寺といい、四番の如意輪寺と同じく、宗派は真言宗智山派です。お寺の本尊は毘沙門天で、観音霊場の本尊は十一面観世音菩薩です。
毘沙門天は別名、多聞天といいます。多聞天を本尊とするお寺なので多聞寺。これも分かりやすい名前です。
所在地は東京都東久留米市本町四丁目の一三の一六番地。最寄り駅は西武池袋線の東久留米駅です。
如意輪寺からは細い道を何度も曲がって行くことになり不便だということだったので、私は如意輪寺からひばりヶ丘駅まで歩き、隣りの駅の東久留米駅まで電車で行き、東久留米駅からまた歩きました。そのほうが分かりやすいと思ったからです。
東久留米駅前から南西の方角へ進み、東久留米市役所より少し先まで行って交差点を左折し、ちょっと狭い道を進みます。間もしばらく歩くと、多聞寺の横に出ました。また左折すると三門の前に出ます。
三門をくぐって正面には本堂があり、向かって左側には薬師堂があります。
本堂は昭和五十年に再建されたもので、いかめしい造りという感じです。柱と階段が印象的でした。境内は本山・別格本山というような大寺院に比べたら広くはありませんが、それでも昔はかなりの広さだったのでは、と思われる雰囲気がありました。私自身は東久留米市にはほとんど行ったことがなかったのですが、それぞれの地域に立派な寺院があるものだなあ、と感じました。
むかしこの地にあった天満宮に、梅本坊というお堂があり、十四世紀中ごろに祐観という僧が毘沙門天を安置した。それにより「多聞寺」というお寺になって今日に至っているということです。