青梅市の塩船観音寺は真言宗醍醐派の別格本山で、たいへん由緒あるお寺です。
ガイドブックなどによると、大化年間(西暦645年~650年)に若狭国(現在の福井県西部)の八百比丘尼という伝説の比丘尼(人魚の肉を食べて不老不死の身体を得たという伝説がある)が1寸8分の紫金の観音像をこの地に安置したのが始まりということです。
大化年間といえば、あの、日本史上有名な「大化の改新」の時代です。塩船観音の歴史がいかに古いかが分かります。
その後、平安時代の貞観年間(西暦859年~877年)には安然和尚が12の坊舎を建て、大きな寺院として栄えたとのこと。
醍醐派というのは、京都の醍醐寺を総本山とする宗派で、真言宗の一宗派の本山であるとともに修験道当山派の本山でもあります。そのため、塩船観音寺では、5月3日に行なわれる「柴燈護摩供火渡荒行修行」において山伏姿の行者が火渡りの荒行を行ないます。
その火渡りが行なわれる5月3日を中心にした時期がつつじの見ごろで、4月中旬から5月上旬までの期間中に「つつじまつり」が開催されるというわけです。