初耳学のコーナー、【インタビュアー林修】の中でUAJやネスタリゾート神戸、丸亀製麺、西部遊園地など次々に業績をV字回復させたマーケター森岡毅さんとの対談は凄く面白かった。



これまで小手先の技術やマーケティング理論など勉強してきたけど、本当の意味でマーケティングとは何か?ということが分かった気がする。


マーケターの仕事は、企業の売上を伸ばし勝たせる仕組みを作ること。


1番印象に残った言葉が、
お客様の本能を理解しないと「本能にぶっ刺すこと」が出来ない。


本能にぶっ刺す!

言葉を変えると無意識に働く本能に訴えかける試作を作るには、本能を知らなければいけない!


なんとなくマーケティングに興味があり勉強してきたけど、1番マーケターとはどんな仕事が理解できた言葉。


【インタビュアー林修】の中で、「本能にぶっ刺す」と「定数と変数について」は凄く参考になるので2回に分けて紹介。

今日は色んな考え方の基本にもなる、定数と変数について。







■努力しても成果が出ない時の対策

⚫︎苦手なモノは頑張っても平均点
努力をしたら誰でも成果が出せるかと言われたらNOだと思う。
努力にも無駄がある。


例えば、
学生のころ得意、不得意な科目があると思う。
自分の場合は、得意なのは体育と算数と理科。
苦手なのが国語と社会。

自分は読書が嫌いで、特に暗記モノは苦手だし、暗記しようと思うとすぐに眠くなる。
テストである程度いい点を取るために頑張ってはみるものの、苦手なモノが得意になることはない。


苦手を克服することは無駄ではないけど、効率的ではない。
だったら、得意なところを伸ばしたほうが全体の点数は上げられる。

得意、不得意があるのであれば、得意なことをことに没頭した方が力にはなる。
不得意なことは頑張っても平均点。

でも没頭できる得意なことは能力を大きく伸ばすことができる。


⚫︎平均点を目指す必要ある?

「出る杭は打たれる」と言われるように、日本の社会では個性を押さえつける文化があるため、平均=素晴らしいとされる風潮がある。


目立つ存在は否定され、組織に潰される。

政治を見ていると個性を潰す組織と分かるように正しいことを掲げたとしても、それが自分にとって不都合なことだとすぐに潰すか無視をする。


社会に出るとなんでもできる平均的な人は、器用貧乏となり、生き残るのは何か特化した能力を持っている人。
小さいことろは平均が大切と言われているけど、社会に出ると平均だと損をすることが多いという矛盾。



⚫︎高い志も組織によって潰される

コロナによって国民は大きな打撃を受けた。
給料が減った人は多い、でもコロナで国会すら開けず仕事もロクにしていないのに、「1年間限定で給与2割削減」を打ち出したけど、他の手当等を考えたら年収ベースで数%の削減程度。

そして、しれっと給料を戻すのが国会議員。


国会議員という、国民の代表として政治を動かす立場であるにもかかわらず、自分の身を削るという「正しいこと」がその政党からも出てこなかったという事実こそが、志があっても結局は昔からの組織勢力に消されてしまうということ。


関連ブログ⬇️ 出すぎた杭は打たれない!


【個性の育て方】出る杭は打たれるが、出すぎた杭は打たれない!モノは同質化は進み、高品質低価格が当たり前になってしまった。ユニクロ、ワークマン、ダイソー、ニトリ、、、今、業績を伸ばせているのは資本力を使って高品質低価格路線を突き進むか、それ以外の道を進むかの2極化。同じことを真似て伸ばせる時代は終わりリンクw-masukake.com


■変えられない定数と変えられる変数

⚫︎定数と変数とは?

上手くいかないときや理不尽だなと思うことは誰にでもあると思う。
上手くいかない、理不尽な世界で必死にもがいて少しでも良くなるために努力する。

努力しても改善出来ない時に意識するべきことが定数と変数。


定数とは、決まった数のことで、変化しない数字。


変数とは、その値が一定ではない存在で、5のこともあれば、100の場合もあり、値が変わることを前提に設定する文字のことで、常に変化する数字。


定数=変更できない数値
変数=変化する数値



⚫︎人口と集客
マーケティングで考える定数と変数とは、人口や集客力がわかりやすいかもしれない。


関西圏USJと首都圏のディズニーランドを比較するとわかりやすい。
関西圏の人口を【1】とすると首都圏の人口は【3】となる。

関西圏1:首都圏3
当然集客力となると首都圏の方が3倍の人口が集中しているので人を集めやすい。
この状況で、関西圏の人口を首都圏と同じにするということは不可能。
これが定数。
この状況でUSJがディズニーランドに集客で勝つことは同じ戦略で戦えば難しい。



でも、関西圏の周辺都道府県(東海、四国、中国九州)まで集客範囲を広げれば集客できる人の数は増える。
関西圏だけに集客を絞るのではなく、もう少し広い範囲にターゲットを設定することで集客数を増やす。
これが変数。


定数は変えられないのであれば、変数で勝負するという手法でマーケターの森岡毅さんはUSJの集客を増やした。




⚫︎議員総数と議席数

政治は数と言われるのは、法案成立のためには全議員の1/○の賛成が必要と言った条件があるから。
与党が議席数の過半数をとっていると法案は通せる。
そのため与党は議席数の過半数は最低限死守するために動く。

そして衆議院、参議院の議席総数こそが定数。
この数は基本的には変わらない。


一方、選挙によって戦われるのは各政党の議席数。
小選挙、比例と選挙の方法は違えど、どの政党がどれだけの議席を確保できるが定数。



前回の衆議院選挙で、立憲と共産が協力して定数を増やそうとしたけど結果は惨敗。
一方、維新は定数を伸ばしたことで国会での発言権を得た。

おそらくこの結果は、次回の参議院選挙でも同じようになり維新が定数を伸ばすと思う。


■叶わない努力を見極める

⚫︎無理なことに時間をかけない
定数と変数を意識しながら、ビジネスに置き換えてみる。

例えば、
コロナによって時短営業させられた。
通常期は1日100名ものお客さんが賑わうけど、時短営業の影響で1日60名しかお客さんが見込めない。
時短営業によって定数が100→60に変わったということ。

この状況で通常営業方法で客数を伸ばすことは難しい。
この減った分の客数の売上をカバーするための手段がデリバリーでの対応。
デリバリーでの売上は変数でおおきく伸ばせればお店にとってはプラスになる。


デリバリー対策ができなかった飲食店は、限られた定数の中で無駄な努力となってしまった。



USJの場合は、どんなに頑張っても関西圏の人口が突然首都圏の人口を超えることは難しい。
だったら、変数である関西圏以外の人も幅広く集客できるように施設のイベントや内容を変えた。

アニメやゲームなどのコラボは「施設の統一感がない」という一部の批判はあるかもしれないけど、幅広い客層を集客するという定数を伸ばすための戦略。



⚫︎どうにかなることに時間と労力をかける

自分の力ではどうにもならない定数の中で商売をしていると、どんなに頑張って時間を使っても良い結果は生まれない。
それは定数は範囲が決まっているから。

一方、自分の力で変えられる数字である変数は、自分の行動や戦略次第でどうにでも数字が変えられる。

これが超一流マーケターの森岡毅さんが実践している基本の戦略。



時短営業が余儀なくされた中で、店内で時間を過ごしてくれる定数を増やすために努力することは、叶わない目的に時間を費やすこと。

定数はどんなことをしても自分では変えられない。
だったら限られた営業時間内で別の売上を作るためにオンラインを活用したデリバリーを強化するのは自然の流れ。


⚫︎どの業界にもある定数と変数
これは飲食店に限らずどの業界にもある。

アパレル業界であれば、外に出る機会が増えれば当然新しく服を買う機会が大幅にへる。
それなのに、沢山のお客さんが買ってくれることを前提に大量に作り込むことはナンセンス。
販売手法を受注生産にしたり、予約販売など販売手法を変えるだけで無駄はなくせる。



そして、定数を変数に変えることは出来ない。
ここの見極めが重要。




関連ブログ⬇️ 違いを意識すると個性ができる




別の切り口から定数とは変数を考えると
比較できること=定数
比較できないこと=変数


比較できることに時間をかけてもかけた労力と時間は無駄になる。
一方、比較できないことに時間をかけるとそれは強みになり個性と変わる。



⚫︎要領の悪い人は定数を追う
要領が悪い人はどうしょうもないところに取り組んでいる。
1人の時間と労力ではどうにもならないこと。

例えば、
誰でもできる作業に時間を使って、本来必要なこの先必要になってくる技術の習得や考える時間を無くしている。


要領のいい人はどこに時間と労力を集中した方がいいかわかっている。
それはまさしく定数ではなく変数を意識しているからだと思う。


今の自分に足りない知識や能力を身につけることでこのようになる。
常に考え、いろいろなことを吸収してからどんな状況でも乗り切られる。


自分が要領が悪いなと感じたら、自分ではどうにもならないこと=定数に時間を使ってないか見つめ直すのもいいかもしれない。