企業が急激な成長をしていると、どうしても心が緩み、「この勢いに乗る!」と思ってしまう。
勿論、調子がいい時は一気にアクセルを踏んで成長することは間違いではないけど、そのほとんどがハマる落とし穴がある。
わかりやすい例が、売上が大きく伸びているときに計画性もなく過剰に人材を確保したり、過剰に設備投資をしたりする。
そして、どこかのタイミングで気がつく。
売上は伸びているのに利益が落ちる現象。
このような現象を収穫逓減(ていげん)の法則という。
■売上増なのに利益減
⚫︎目先の数字が判断を鈍らせる
多くの企業がハマる落とし穴で、実際に自分も何十社か見たことがある。
急激に成長していくと、人や設備、お店があれば「まだ伸ばせる!」と思い拡大に舵をきる。
拡大のための投資は必要だけど、問題なのが過剰投資。
この過剰投資の結果はリストラ。
売上、利益に対して人件費が固定費が重荷になり、給料が高いのに生産性の悪い年長者層をリストラする。
リストラという選択肢は、まさに過剰投資の結果だと思う。
このようなケースの場合の多くは、目先の売上に踊らされて、肝心な利益額の動きを見ていなかった場合が多い。
売上は伸びているのに、利益額が減っている。
それなのに過剰に人員や設備、店舗を増やす。
結果、固定経費が重荷になり身動きできなくなった結果がリストラってこと。
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⚫︎収穫逓減(ていげん)の法則とは?
収穫逓減(ていげん)の法則とは、何らかの投資をしたものの、それに見合った利益がでていない状態のこと。
農業と肥料の関係がイメージしやすい。
一定の土地からの収穫量は、資本・労働の投入量の増大に応じてある点までは増加するが、その点を超えるとしだいに減少するという法則。
やせた農地に肥料を与える(投資行動)と、土が肥えて農作物の収量が増える。
この状態を「逓増(ていぞう)効果がある」という。
ところが、一定水準以上の肥料を与え続けると、肥料の量と収量が比例しなくなり、肥料を投下した金額や手間に対して収量が見合わなくなる。
この状態を「収穫逓減(ていげん)する」という。
何事も表面的な数字に踊らされず、ほどほどで抑えることが大切ということで、企業の場合は売上は伸びているけど利益が落ち始めた時が注意点。
⚫︎満足度も同じ
収穫逓減の法則とにているのが、限界効用逓減の法則。
どちらも逓減(ていげん)という言葉が入っていることから、ある一定のラインを超えると下がっていくという考え方。
■何事もほどよい量の心がけ
⚫︎ほどよい量の見極め
何事にも「ほどよい量」を把握することが大切。
バランスを保つことは、仕事でもプライベートでも意識できること。
バランスが崩れるとパフォーマンスが下がる。
常にバランス感覚を持つことを日頃から意識すると、調子の良い時に危機意識が持てる。
自分も含め調子がいい時は、心が緩む。
「まだいける」「今がチャンス」を思い込みすぎると知らぬ間にドツボにハマることが多い。
そうならない為に、客観的な基準を設けることが大切。
IF-thenで最初からルールをきめておくといいかもね。
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⚫︎収穫逓減の回避
収穫逓減にならないようにするにはどうしたらいいのか?
If-thenで、あらかじめルールを決めておくと判断を感情に左右されづらくなる。
例えば、
働きすぎは仕事のパフォーマンスが下がる。
ある一定ラインまできたら強制的にに休息する。
設備投資や人材投資をする際には、成長率が鈍化、利益額が減少したら今までの方法を止める。
自分のパフォーマンスの低下のタイミングはなかなか判断が難しいかもしれない。
自分の場合は、目の下にクマが出た時は黙って寝ると決めている。
ストレスでどうにもならなくなったら大声を出す!(笑)
そしてとにかく寝る!
大声を出すとなぜかスッキリして気分もリフレッシュできる。
「バカヤロー」と叫びたくなったら、そこが自分のストレス分岐点。
会社であれば客観的にわかる数字でルールを決める
自分であれば体調の変化が出た時に対策ルールを決める
調子がいい時こそ、ブレーキを踏むタイミングをあらじめ決めておくことが大切。
調子がいいからこそ、慎重になる。
勢いは必ず落ち着く。
勢いが落ち着くことを前提にルールを決める。
これが簡単そうで結構難しい。
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